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【お正月】たかがぽち袋、されど……
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「うわあ、ひとでいっぱいだ」
目を丸くした
曖浜 瑠樹
の前には、初詣でごったがえす寝子島神社の鳥居があった。
首から下げたがまぐちをぎゅっと握りしめ、瑠樹は小さくため息をつく。
「中身、戻ってくるといいんだけど……」
始まりは今朝のこと。
父親からもらったかわいいぽち袋。もちろん中に入っているのはお年玉だ。
去年より多いかも、なんて甘い想像をしていた瑠樹の身にそれはふりかかった。
「あれ? お年玉……中身がなくなっちゃったよぉ……」
ついさっきまでふっくらとしていたぽち袋が、なぜか開けた瞬間、ぺたんと潰れてしまったのだ。どんなに袋の中を覗いてもふってみても、お年玉が出てこない。
「中身、どこへ逃げちゃったの?」
さて、場所は戻り、神社の前。
(お父さんたちに聞いたら、ぽち袋ここで買ったって云ってたねぇ)
お年玉を探して三千里、とは云わないまでも、瑠樹はぽち袋が怪しいと睨んでここまで来たのだった。人混みに小さな身体を滑り込ませてゆくと、流れに乗って境内まで歩いてゆけた。そこには、自分と同じくらいの歳の子の姿もちらほら見えた。
(この中にも、俺と同じ思いをしている子がいるのかな)
瑠樹の頭にふとそんな考えがよぎった。
(そんな人、いないといいけどなあ……)
ところが。
残念なことに、瑠樹の同士は、じつはそこそこいるのだ。
「あ! それそれ、そのぽち袋!」
突然聞こえた声に瑠樹が振り向くと、人混みを掻き分けてやって来るポニーテールの少女が見えた。
するりと自分の隣に来た少女に、瑠樹は首を傾げる。
「お姉さん、だれ?」
「きみさあ、お年玉なくしたんでしょ?」
初対面の筈なのに、瑠樹の現状をずばり言い当てた少女は、苦笑いをしながらショルダーバックの中から何やら取り出した。
「実はね、あたしもなの」
少女―
篠原 翠響
の朝は最高だったのだ。ぽち袋の怪に踊らされるまでは。
「何買おうかな~! 今年もいっぱい貰えたし、フンパツできちゃうかも!」
色とりどりのぽち袋を並べ、翠響は口角を上げる。例年より母方の叔父の羽振りがよかったのだ。
「いままでガマンしてたもの全部買えちゃうかも……」
今一度手元にある額を確認しようとぽち袋を改め……そこでやっと、翠響は異変に気づいた。
母方の叔父からもらったぽち袋だけ、中身がすっからかんになっているのだ。
「う、うそ! ない!」
最高だった気分が一気に急降下する。急いで自分の部屋の隅ずみ、それこそカーペットの下や本棚の裏までくまなく探した。
それでも大金が見つからない。
「あんなにふっくらしてたのにい!」
半分パニックになった翠響は、台所のポットの中や脱衣所の洗濯機まで覗いて回った。家中引っ掻き回すその姿に、家族が半ば心配するほどに。
それなのにみあたらない。
家中探し回って多少冷静になった翠響は、きまぐれにスマートフォンを手に取った。一度頭をリセットしようと思い立ったのだ。
しかし、意外なことにヒントはスマホの中に転がっていた。
「あれ、このぽち袋……」
それはネットの小さなニュース記事だった。それによると、翠響のようにお年玉がなくなったと訴えるこどもが多いのだという。
記事は面白おかしくかかれており、『お年玉泥棒か? はたまた両親のへそくりに消えているのか?』なんてアオリ文までついている。
けれど、翠響が気になったのは記事ではなく、そこに載っていた写真だった。
「あたしのと同じ!」
お年玉がないと訴えたこどもの使っていたらしきぽち袋は、翠響のもとと全く同じだった。
「これはなにかあるわね」
翠響はネットの記事をスクリーンショットで保存すると、すぐに叔父に電話をかけた。
「あ、もしもし叔父さん? あのね、叔父さんがくれたかわいいぽち袋、あれどこで買ったの?」
「それで、叔父さんに神社の話をきいてここに来たってわけ」
「お姉さんもそうだったんだ。俺もそう。一緒だよぉ」
「翠響でいいよ」
ひととおり話し終わると、翠響は瑠樹に手を差し出した。
「なんでも、ぽち袋売ってる屋台があるんだって。きみも一緒に行ってみる?」
「うん!」
出された手を握り、瑠樹は翠響の案内する方向へ足を進める。
「そうだ、ぼくも名前でいいよ。瑠樹っていうんだ」
「瑠樹ね。よろしく。お年玉戻ってくるといいわね」
姉弟のように手をつないで歩いてゆく途中、瑠樹が境内の向かいで足を止める。
「翠響お姉さん、お参りしていこうよ」
「初詣まだなの?」
「それもあるけど……。こういうことはやっぱり、神様にお願いしといたほうがいいんじゃないかなぁ」
「なるほど、験を担ぐってわけね」
深く頷くと、翠響も列に加わる。参拝の番になると、瑠樹は五円玉・翠響は十円玉を投げ、手を叩いた。
(神様神様、ぽち袋の中身が逃げちゃった。後で帰ってきてくれますようにー。翠響お姉さんの分も見つかりますように……)
念入りにお祈りする瑠樹の横で、翠響もぎゅっと目をつむる。
(今年もよろしくお願いします神様。それで、新年早々なんだけど大金が戻ってきますように! ってお願いさせてください! 私たちを見捨てないで神様!)
通常より長めのお祈りをすませて、ふたりはついに、問題の屋台までやってきた。
売っているのはぽち袋のみという、ちょっと風変わりなお店だ。白地に赤い模様がついていて、なんともシンプルな作りだがかわいらしいデザインだ。だから買い求める人も多いのだろう。
「いらっしゃい」
不可思議な笑みを浮かべた店主に声をかけられ、ふたりは一瞬ひるむ。しかし、そこは年齢が上である翠響がぐっとこらえ、一歩前に出た。
「おじさんは、ここの店主?」
「ああ、そうだよ」
「ここのぽち袋、ちょっと問題アリなのよ」
家から持ってきたぽち袋を店主の前に突き出すと、瑠樹もまねをして、がま口から取り出したぽち袋を見せつけた。
「俺たちのお年玉、どこかいっちゃったんだ」
「このぽち袋に入ってたお金だけ消えてるの。これってもう、この袋に問題があるとしか思えないんだけど」
しかし、ふたりがかりで問いつめても店主はどこふく風だ。
「それは大変だねえ」
「だからあ! これはそっちが・・・・・・」
「お年玉をなくしたことまで店のせいにされちゃ、商売あがったりだ」
すいすいとかわされるたび、翠響もやっきになってくる。なんたって大金がかかっているのだ。ここではぐらかされる訳にはいかない。
ふたりの問答を眺めていた瑠樹だったが、ふと店の前にあった鏡もちが気になりはじめた。
「ぼく、それが気になるかい?」
店主もそれに気づいたようで、しきりに瑠樹に話しかけてくる。
「屋台なのに鏡もちを飾ってるなんて、へんなの」
「そうかねえ。鏡餅はお年玉にも関係あることなんだよ」
「そうなの?」
瑠樹が首を傾げると、店主はにやりと口角をあげた。
「どういう関係なの?」
気になった翠響もさらに詰め寄るが、店主はにやにやと笑ったまま何も話してくれない。
「古い習慣は時として大事なものだよ。だから君たちは毎年お年玉がもらえる訳だしねえ」
「教えてよぅおじさん」
「教えるも何も。それにあれ、君たちはぽち袋を調べに来たんじゃなかったっけ」
「そんなの屁理屈だわ」
しかし、結局その後ぽち袋について進展はえられなかった。お客さんがぞろぞろ屋台を囲んでしまったことも原因だった。人の波にはじかれたふたりは、そのあとも神社を見回ったり、巫女さんに話を聞いたりして回ったが……。
「日が、もう暮れちゃうね」
「……ほんと」
それぞれ、自分のぽち袋をのぞいてみるが、やっぱり中身は空っぽのままだ。
「ごめんね瑠樹。今日はちょっと無理だったみたい」
「ううん。翠響おねえさんが一緒でよかったあ。お参りもできたし」
「もしお金戻ったら知らせるね」
「俺もぉ」
約束を交わし、それぞれの家に帰った後。
「中身、帰ってきてくれなかったなぁ」
しょんぼりと肩を落とした瑠樹は、ぽち袋をごみ箱にいれようとして。
「なんだかもったいないなあ」
机からはさみを取り出して、ちょきちょきと折り目に刃を入れる。そして、裏と表と見やすいように広げると、そっとアルバムに挟んだ。
「やっぱり、かわいいなぁ」
ふにゃ、と満足そうな笑みを浮かべた瑠樹は、年齢のせいか、そんなにお金に執着していないようだ。
一方、花の女子中学生はというと。
「あーもう、どこいっちゃったんだろ」
シーサイドタウン十階の家の、ふかふかのソファにダイブした翠響はふーっと息を吐いた。
「一日中歩き回ってくたくただよ……ん?」
洋風のリビング。その一角に、なんともちぐはぐな感じで飾られている鏡餅が目に入った。
おのずと、店主のひょうひょうとした態度がよぎる。
「むう」
翠響の、それは直感だったのかそれともただの憂さ晴らしだったのか。
「お母さん! これ食べちゃお!」
夕食を準備し始めていた母を説き伏せ、翠響は例年より早めの鏡開きを強行してしまったのだ。
「うん! おいしいわ!」
食べている時くらい、やっかいな問題は忘れていたい。そう思い、わざとぽち袋に目がいかないようにしていた翠響は、まだ知らない。
ぽち袋にふくらみが戻っていることを。
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担当ゲームマスター
貝
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月22日
参加申し込みの期限
2016年04月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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