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【お正月】たかがぽち袋、されど……
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初詣でごったがえす神社の中。
見覚えのある屋台がこじんまりと店を開いている。
そしてその屋台の奥に座っているのも、これまた見覚えのあるはりついた笑顔。
「おいおっさん」
由貴の声に、店主はさらに口角をあげた。
「やあ、いらっしゃい。来ると思ってたよ」
「今度の屋台は……ぽち袋?」
「そうだよ。買っていくかい」
「買ってもいいよ。俺と由貴のお年玉を返してくれるなら」
樹弥のきわどい台詞にも、笑顔を崩さない。
「はて? なんのことだい」
「あーもう! いーっつもそうやってしらばっくれやがって!」
「落ち着け、由貴」
由貴はむすくれた顔のままじっと店主をにらんでいる。
樹弥は、屋台に並べられたぽち袋を手に取った。両親からもらったお年玉が入っていたのと同じ柄だった。
「由貴、このぽち袋に入ってたお年玉が消えたのか?」
「あ、そうそう! こんな柄だったぞ」
「おじさん、変だと思わないか? このぽち袋に入ったお金だけ消えてるんだ。無関係だとは云わせない」
店主は樹弥の云ったことにふんふんと頷いた。
「それじゃあ、こっちからも質問させてもらおう」
「おっさんが先に質問に答えろよ!」
由貴の声を無視した店主は、わざとらしく首を傾げた。
「そもそも君たちは、どうしてお正月にお年玉をもらうんだい? ねえ、金髪のぼっちゃん」
「それは……そういうしきたりで」
「栗色のチビ助にはちょっとむずかしい質問かもなあ」
「うるさい! これからでっかくなるんだよ! おっさんなんかすぐ追い越してやる!」
でも確かに、いざ問われてみるとふたりとも知らないことだった。
「ほら。理由も分からないのに人からお金をもらうなんて妙じゃないか」
すっかり話を脇道にそらされたことにも気づかず、樹弥と由貴はぐっと唇を噛む。
「くっそ、やっぱ俺このおっさん苦手」
樹弥にだけ聞こえるように、由貴が呟く。
「俺もだ。……でも、云ってることはきっと、まちがってない」
樹弥はひとつ咳払いをすると、店主に向き合った。
「わかった。じゃあ、日が暮れるまでに俺たち、おじさんの質問に答えられるようにしてくるよ。そうしたら俺たちの質問にも答えてくれよ。それならいいだろ?」
「もちろんだ。約束しよう」
「ついでに俺のこと二度とチビ助って呼ぶなって約束しろ!」
店主がにっこり笑って頷くと、由貴はこうしちゃいられないとばかりに樹弥の腕をひっぱった。
「行こう樹弥! 早く調べないと!」
「由貴、お前……目的変わってないか?」
「ない! 入ってない! オレのお年玉!」
白石 龍樹
は、朝から騒いでいた。
全身全霊で嘆いていた。
「父ちゃん、からっぽだよこのぽちぶくろ!」
袋を逆さにしてわめいていると、突如、頭にがつんと衝撃がきた。
「いてっ! なにもゲンコツじゃなくたって……」
「うるせえ! 俺は確かにいれたぞ! もらった傍からなくしたお前の責任だ!」
「ちぇっ、さんざんだぜ」
騒ぎ過ぎて家を出された龍樹は、それでもめげなかった。なぜなら、少年探偵団のメンバーも自分と同じような事態になっていることを知ったからだ。
「お年玉とうなん事件は少年たんていだんが解決してやる!」
晴れた空に手をつきだし、ポケットから取り出したのはメモ帳とペンだ。
そこに書かれたふぞろいな文字を確認しながら、ふんふんと頷く。
「受け取ったときはちゃんとなかみがある手ごたえだったんだな? あとはぽちぶくろ屋があやしい、と」
実は、龍樹は友達の家を周り、聞き込みをしていたのだった。
「これはゆうりょくなじょうほうだ」
『ぽちぶくろうってる ねこじまじんじゃ』
という自分のメモに二重丸を書いて、龍樹はふんっと息を吐いた。
「じけんは家で起きたんじゃない! ぽちぶくろの中で起きたんだ!」
あでやかな振袖を着た
夢宮 瑠奈
の姿は、神社の中でもひと際目を惹いていた。
「こういう時だもん。日本人らしくいたいよね」
慣れない草履の履き心地も、少しきつめに締めた帯も、新年を迎え、身を引き締める上で大事なものだ。と瑠奈は思った。自然と背筋が伸びるのを感じながら、人波に沿うように動いてゆく。
「あ、あった」
混雑を抜けて見つけたのは、ぽち袋を売っている小さな屋台だ。
かわいくて不思議なぽち袋の柄はちょっとだけ有名で、瑠奈はこれを買いに来たのだった。
「これください」
「まいど」
店主は瑠奈の振袖姿をみると、少しだけまなざしをやわらかくした。
「きれいな着物だねえ。よくお似合いで」
「ありがとう」
「このご時世、祝い事も祀り事も形式化や、エンターテイメント化してしまったようでねえ。お嬢さんみたいな子をみると安心するよ」
意味は少し難しかったが、云っていることは分かるような気がして、瑠奈はこくんと頷いた。
「お嬢さんの歳で年賀状を書く子が、どれだけいるんだろうねえ」
「今はメールがあるから、確かに……。でも、多分そこに込めた気持ちはいっしょだと思う。ちょっと形が変わっただけで」
瑠奈の言葉に、店主は首をかしげて笑った。
「そうだといいんだけどねえ」
店主との話の最中、鉄砲玉のように飛び込んできたのは龍樹だった。
「ネタはあがってるんだぜ!」
走ってきたのだろう、肩で息をしながらくしゃくしゃになったぽちぶくろを突きつける龍樹に、店主はにやりと笑いかけた。
「息があがってるんだぜ」
「う、うるさい! 謎はとけた!おっさん! けいさつにつき出されないうちにとっとと返せよ!」」
なにやら物騒な言葉が出てきて、瑠奈は目を丸くした。
「どろぼうだなんて、一体どうしたの?」
そう声をかけられて初めて、龍樹は瑠奈に気づいたようだった。「うわっ着物だ!」と驚いて、その後瑠奈の顔を見た龍樹は、顔を赤くしてすぐにぷいっと顔をそむけた。
「……こ、こいつが、オレとか、オレの友達のお年玉を盗んだんだ」
「でも、この人ずっとここにいたよ?」
「こいつは魔法がつかえるんだ!」
握っていたしわくちゃのぽち袋を瑠奈の方へ向けた龍樹は、からっぽの中身がみえるようぽち袋を開いて見せた。
「この中にお金をいれると、きえちゃうんだぜ! こいつはきっとそうやって子どもたちからお年玉をうばってるんだ!」
瑠奈は店主の顔を見た。もう店主の顔に優しげなまなざしはなく、ただにやにやと笑顔を作っているだけだ。
「信じてくれよ!」
龍樹の必死な姿に、瑠奈もしばらくうーんと唸って、ぽちぶくろを観察する。見た限りでは、ふつうにその辺に売っているぽち袋と何ら変わりない。
よし、と頷き、瑠奈は屈んで龍樹と目線を合わせる。
「きみの名前は?」
「し、白石龍樹……」
至近距離で顔を覗かれた龍樹は、またぷいと顔をそむけた。耳が真っ赤になっている。
「龍樹くんね。あたしは瑠奈。ねえ龍樹くん、ここで一緒に実験してみない?」
「実験?」
「そう。本当にお金が消えるか」
瑠奈は口角をあげると、さっき買ったばかりのぽち袋を一枚取り出した。
「龍樹くん、それかして」
ポッケからはみ出ているペンを指さすと、龍樹はあたふたとそれを渡した。
「な、なにするんだ? るな姉ちゃん」
「ふふ。みてて」
表に「りょうじゅくんへ」と書いたぽち袋の中に、瑠奈は500円玉を入れた。
「そっか! もっかいぽちぶくろ使ってみるんだな! お金のないオレにはできない作戦だな……」
「見ず知らずの人から物をもらうのはよくないことだけどね」
ぽちぶくろに封をして、瑠奈はそれを龍樹に渡した。
「大丈夫だ! るな姉ちゃんとオレはもう見ず知らずじゃないから!」
「それもそうだね。それじゃあはい、お年玉。どうぞ」
龍樹が袋を受け取った瞬間、ぴりっと緊張が走ったような気がした。目の前の瑠奈はにこやかにほほえんでいる。瑠奈ではないとすると。
もしや、と横を向くと、こっちをみている店主と目が合った。その笑いは、瑠奈のような笑い方とは違う。龍樹は少し怖くなって、ぽち袋に目を落とした。
「じゃあ、開けるぞ!」
「うん」
そっと開いた、そのぽち袋の中には瑠奈の入れた500円玉が……なかった。
「ほら! やっぱり! お前のしわざだな!」
「ほんとになくなってるの?」
すぐに店主に食いかかりにいった龍樹とは反対に、瑠奈は念入りにぽち袋を調べ始めた。表にも裏にも、やはり仕掛けのようなものは一切見当たらない。それなのに逆さにして叩いても、お金が出てこないのだ。
「嘘みたいに消えちゃった……」
「るな姉ちゃん、こいつが犯人だよ!」
しかし、店主は笑顔を崩さないまま、ぱちぱちと拍手をした。
「いやあ、お見事。きみは手品師になれるよ」
「ちがうぞ! オレが消したんじゃない! おまえが盗んだんだ!」
「私はここから一歩も動いてないけど、どうやって?」
「だから、魔法をつかって……!」
「仮に魔法が使えたなら、こんなまどろっこしいことはしないねえ。ちちんぷいぷいでお金がもらえるなら、きみたちのお年玉よりもっとお金がもらえるところから盗んじゃうよ」
「た、たしかに」
小学生の龍樹は店主にいいようにいいくるめられてしまった。二の句が次げなくなったところで、さらに店主が追い打ちをかける。
「手品面白かったよ。またみせてくれ」
「だから手品じゃねー! くっそー!」
捨て台詞を残して去ろうとする龍樹を呼び止めたのは瑠奈だ。
「帰っちゃうの? 龍樹くん」
「るな姉ちゃん……」
「帰る前にさ、せっかく神社に来たんだから、お参りしに行かない?」
「神社はね、2礼2拍手1礼なんだよ」
瑠奈に教わったように、龍樹もぺこぺこと頭を下げ、ぱんぱんと手を叩き、最後にもう一度礼をする。
「ここの神様にご挨拶して、ことしもよろしくお願いしますって言ったら知り合いになれて、お年玉も戻ってこないかなーって思ったの」
「困ったときの神だのみってやつだな!」
念入りにお参りをした帰り、龍樹はふと、瑠奈がくれた500円玉のことを思い出した。
(あのお金、返した方がいいのかな)
なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになる。さらに、そのお金もどこかへ消えてしまったのだから尚更だ。
そんな時、
「あ、おみくじ」
瑠奈が指さした先で、巫女さんがおみくじを売っていたのだ。
龍樹の目がぱっときらめく。
「るな姉ちゃん! オレがおごるから一緒に引こうぜ! 一緒に実験してくれたお礼だ!」
「いいの? じゃあ、お言葉にあまえちゃおうかな」
一目散におみくじ売場にかけてゆく龍樹のあとを、瑠奈はゆっくりと追った。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月22日
参加申し込みの期限
2016年04月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月29日 11時00分
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