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【お正月】たかがぽち袋、されど……
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「いざ来てみたはいいけど……どうやって調べればいいんだ?」
天井まで連なる書架。積み上げられた書物。
図書館にやって来た由貴と樹弥は、あまりの本の多さに途方に暮れていた。
「お年玉と不名誉な呼び名がかかってるのに!」
「声が大きいぞ、由貴。あとなんか目的が増えてる」
本を読んでいた人たちの視線が集まっているのを感じて、ふたりは声を潜めた。
「手分けして探そうぜ。俺はあっち、樹弥はこっち」
「うん。なんか分かったら声かけろよ」
作業分担をして、いざ本の海に飛び込もうとしていたところで。
「もしかして……これを探してるの?」
振り向くと、黒髪の少女が手に重たそうな本を持っていた。児童用の図鑑のようで、表紙には『年中行事とその由来』と書かれている。
「もしかして……」
ぽかんとしているふたりに、少女は続ける。
「消えたお年玉を探してるの?」
「「なんでわかったんだ!?」」
声を揃えたふたりにびっくりした少女は、しーっと人差し指を口に当てる。
「ご、ごめん」
「それで、どうして俺たちがお年玉を探してるってわかったんだ?」
由貴の問いに、少女はだって、と苦笑した。
「あんなに大きな声でお年玉の話してるし、それに」
「それに?」
「私も同じ。お年玉なくなっちゃって、だから調べに来たんだ」
本を樹弥に渡すと、少女はくるりと出口のほうへ向かった。
「それ、もう読み終わったからどうぞ。もとあったところに戻しといてね」
「助かるよ。ありがとう」
そのまま立ち去ろうとする少女に、樹弥が声をかけた。
「あ、ちょっとまって! 本に図書カードが挟まってる! ほら」
少女にカードを渡すと、樹弥は由貴をあごでしゃくった。
「あっちは由貴。俺は樹弥。……瀬莉って云うんだな。今度会ったら今日のお礼するよ」
「お礼なんていいよ。図書カード、ありがとう」
瀬莉、と名乗った少女を見送ったあと、由貴はにやにやと樹弥を小突いた。
「さっきの樹弥、すげえジェントルマンっぽかったな」
「か、からかうなよ。それよりほら、お年玉の謎を解こうぜ」
樹弥の言葉にはっとした由貴は図鑑を捲り、そして、やっとふたりはその頁を見つけたのだった。
「これってつまり……お年玉を取り戻すには、これを食べなくちゃいけないのか」
樹弥はうなずきつつ、渋い顔をみせる。
「どうした、樹弥」
「……うちではあんまり食べないんだ。父さんが一回喉に詰まらせて死にそうになってから、トラウマが抜けないらしい」
「じゃあ、俺んちで食べよ!」
それでも樹弥は渋い顔をしている。
「まだなにかあるのか?」
「家で出ないから、俺もあんまり食べたことなくて……」
「もしかして怖いのか? 大丈夫だって! 上手に食べれば死なない死なない!」
それでも渋る樹弥と図書館をあとにした由貴は、急いで家に電話を入れた。
「もしもしばあちゃん? あのね、俺の友達にばあちゃん自慢の料理食べさせてやりたくて……」
夕闇が神社を包み込んでいる。
それでも、参拝の人足が途絶えることはない。
屋台の店主は絶えず動いている人波をぼうっと眺めていた。
その中に、急いでこちらにやって来るふたつの影法師を見つけて、口角を上げる。
「やあ、いらっしゃい」
由貴と樹弥は、はあはあと息を切らしながら、屋台の前に一冊の本を置いた。
「お年玉の「年」は歳神様、「玉」は魂をあらわしていて、人々は歳神様を迎るために昔から門松や鏡餅を供えていたんだって!」
「その供えた鏡餅をお下がりとしてこどもに食べさせたのがお年玉の始まり。お餅の代わりにお金をあげるようになったのはわりと最近だ……以上、『年中行事とその由来』より引用!」
顔をあげたふたりの目は、きらきらと光っていた。
「「どうだ!!」」
店主が気圧されるくらいの溌剌とした瞳で、由貴と樹弥はさらにまくしたてる。
「餅も食べてきたぞ!」
「死ぬかと思った!」
「樹弥、一回詰まりそうになったもんなー! あんなに頬張るから」
「お、思ったより、美味しかったから、つい」
恥ずかしそうに顔を赤くした樹弥は、それより、と話を戻した。
「戻って来たぞ、お年玉」
「ほう」
「お餅を食べた後、ぽち袋の中を見てみたら、元に戻ってた。……ってことは俺たち、『答えを見つけた』ってことになるよな」
「ああ。お見事だ」
「じゃあ俺の事チビ助って呼ぶなよな!」
「最初にそっちか」
樹弥のツッコミにもめげず、由貴は店主に詰め寄る。
「それと、俺たちの質問にも答えろよ。なんでこんなことしてるんだ? 目的があるのか?」
「目的、か……」
店主はいつものようににっこりとわらったまま、深くため息をついた。
「次会う時の宿題にしておくよ」
「次……って、またこんなことするつもりなのか?」
傍で聞いていた樹弥が眉を吊り上げる。
「この本を借りた図書館でも、瀬莉ってやつがお年玉を探していたぞ。色んな人に迷惑をかけることがいい目的を持っているとは、俺には思えない」
「ごもっとも。でもね、世の中には面倒をこうむるような『不思議』を欲しがる人間がごまんといるのさ」
剣呑な雰囲気の中、由貴が険しい顔をしてひとりごちた。
「つまり……どういうことだ?」
「ああ、栗色のおちびさんには難しかったかな」
「おい! さっきチビって云わないって約束したろ!」
「チビ助とは云わないと約束したかな」
「くっそおおおおおお!」
地団太を踏んだ由貴は、店主の鼻面に指を突きつけた。
「俺の名前は双葉由貴だ、覚えとけ! 行こうぜ樹弥!」
「あ、ああ。うん……」
由貴に手を引かれながら振り返ると、店主が笑いながらこちらに手を振っていた。その瞳がいつものような心のない笑い方ではなく、心底楽しそうなものであるように、樹弥には思えた。
一方その頃。
図書館を出てすぐ家に連絡したおかげで、どうやらその献立は夕飯に間に合ったようだった。
「ありがとう! わがままいっちゃってごめんね」
漆塗りの椀につつましくよそわれた白いお雑煮。
(鏡餅とお年玉に、あんな謂れがあったなんてね)
瀬莉は手を合わせ、お餅を口に運ぶ。
うにょーんと伸びた白いお餅に、今年一年のしあわせと、お年玉が戻ってくることを祈りながら。
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あとがき
担当マスター:
貝
ファンレターはマスターページから!
ぽち袋、かわいものはとっておいてしまいます。
自分の名前が書いてあって、もう使い道がないはずなのに捨てられない……。
そんな貝です、こんにちは。
まったくもってご無沙汰していたのですが、今回も沢山の方にご参加頂けて有り難いです。ありがとうございました!
お年玉の由来はかがみもちにあり、ということで、かがみもちを食べた方にはきちんとお年玉が戻りました。
明記はせずぼやかしたヒントだったので、分かりにくかったかもしれません。すみませんでした。
また、地味にシリーズ化(?)している「面白さんの屋台」ですが、店主に興味をもって頂けるのもとても嬉しかったです。
今後もあやしげな屋台を開くはずなので、どこかでみかけたらごひいきにしてあげてください。
それでは、ご縁がありましたらまたどこかで。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
貝
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年04月22日
参加申し込みの期限
2016年04月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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