サンタクロースの贈り物～サタン・クロース！～｜リアクション

サンタクロースの贈り物～サタン・クロース！～

「ふむ、黒魔導師ね？　悪くないわね」
　城山水樹は漆黒のドレスの裾を捌く。
「でもやけに露出が高いわね。まぁ、ゲーム世界というものはそういうものなのかもしれないけれど」
　呟きながら、水樹はステータスを空中に出現させる。
　その瞬間、「え？」と声を上げずに入られなかった。
　てっきり、『黒魔導師』と明記されているであろう職業欄に『魔王軍女幹部』と記入されているのだ。
「これってもしかして、やられ役なの？」
　周囲を改めて見渡してみると、薄暗い照明と漆黒の壁面、そして階下から聞こえてくるモンスターの呻き声。
　どう考えても、勇者達正義の味方の仲間には、なっていそうにない。
「なぜこうなっちゃたかなー……」
　水樹はもう一つの隠しステータスにも、当然気づいていた。
「とりあえず、上着を頂いてこようかしら」
　魔王城は暗く寂しく、そして絶え間なく降り続ける雪に露出過多な衣装を着る水樹には、少々寒すぎるのだった。　