サンタクロースの贈り物～サタン・クロース！～｜リアクション

サンタクロースの贈り物～サタン・クロース！～

「職業何にしよう？　魔法も魅力だけど……」
　響タルトは冒険者ギルドの前で、わくわくと職業をチェックしていた。
　勇者や賢者、赤魔導師等の上位職は最初は選べないらしい。
　この世界への召喚状況から、最初から職についている場合もあるようで、タルトは利き手をにぎにぎと握ってみる。
「んー？　特に僕は魔法が使えるわけじゃないんだ？」
　腕力が異常についた感じもないし、初期付与職業は特になさそう。
「それなら、吟遊詩人になってみようかな。面白そうだもん♪」
　タルトは使い慣れない羽ペンで、冒険者ギルドの書類にサインを入れる。
　これで晴れて、吟遊詩人だ。
「どんな歌を歌おうかなっ」
　見習い吟遊詩人の楽譜と、木の竪琴を受け取って、タルトは村を探索し始めた。