【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー｜リアクション

【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー

33.

（ぬー、相手にとって不足なしです！）
　袂に手を入れた小萩、さっと薊を取り出し、陸上部めがけて投擲。
　薊、花言葉は『触らないで』。
「華道部の予算に『触らないで』下さい！」
　――とげとげ薊による、攻防一体の布陣。
　小萩名付けて《幾千の針》（サウザント・ニードル）！

「ああっ！　あの技は！」五郎八が青ざめる。
「知っているのか五郎八どの！」いいなが応じる。
「華道を極めた者だけが扱える、禁断のとげとげ薊の技！
　攻防一体の玄妙の布陣！　まさか、あの技を伝えるものがいようとは……」

　続いて、高梨　彩葉がメッセージを読み上げる。
「芸術家１年２組、本条小萩！
　安物のお花では。活ける作品にも上限ができてしまいます」
　
　部活の発展を真摯に考える、まじめな彼女。

「唸れ、《百万の花》（ミリオネア・フラワー）」

　小萩自信の、必殺技の名前だった。

「ああっ、あの技は……」五郎八が状態をそらす。
「知っているのか、五郎八どの！」いいなが問いかける。
「使ったが最後、華道の表千家からも裏千家からも永遠に破門されるという、封印された奥義、ミリオネア・フラワー！　まさか、あの技を伝えるものがいようとは……」

　小萩同様、伊勢エリカも薊をまき散らし、清冽な笑みを漏らす。

　（和服ゆえ、動きにくいと思ったが……
　こめでぃえあーとやらのおかげで、大分動きやすいではないか）

　徹底的にキザで中２な彼女、コメディエアーの恩恵は十分であった。

（これは助かる……）
　先般のスポイト水攻撃も、すっかり乾いていた。
　着物が水にぬれるといろいろ問題があるのだが、もちろんその辺もコメディエアー的なあれで問題はなかった。

「勝ち残り、華道部に良き結果を齎そう！」

「普通科２年２組、伊勢エリカさん！
　我が華道部も全力で戦うこととしよう。ついてこい！
　イケメンです！　かなりのイケメン！」

　触れた薊が閃光を発し、爆砕がとどろく。
　閃光が、崩れた廊下を純白に染め上げる。
　まともに一撃を食らった拓郎が吹き飛ばされる。

　――流石文化部……直接火力の打ち合いは……苦しい……。
　一瞬意識が空白になる。
　思うように力が入らない。