this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
特賞! いざ北海道へ!
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
●八人の猛者たち
弾丸ツアーでも構うものか。時間ぎりぎり目いっぱい使って楽しんでやると立ち上がった猛者たちがいた。
八神 修
が自ら書いた日程表をプリントアウトしたものを機内でメンバーに手渡す。
「あなたが旅行の神か」
「いやあ……つい、作ってしまって」
はは、と頬を掻く修に
椿 美咲紀
が真顔で言い放った。部活仲間に当選者が多く、それじゃあみんなで行こうかという事になったけれどその滞在時間があまりに短い事に絶望さえ感じていた美咲紀がなむなむと修と拝む。
「旅行……すごく、楽しみですね」
表情からは全く伝わらないものの
常闇 月
はこれでテンションMAXだった。
まもなく飛行機が着陸。一行は新千歳空港に降り立った。
「北の大地なのだみんなの豪運に感謝なのだ~♪」
後木 真央
が嬉しそうに瞳をキラキラさせて団体の後列を歩く。
ここからは一度別行動。お土産を買いに行ったり昼食をとったり。
小樽への快速エアポートに間に合うよう、13:30にJRの乗り場に集まるよう確認し合い一同はいったん解散した。
「ええと、真央……てもういないのか」
気になるお土産を見つけた真央はもうどこかにすっ飛んで行ったようだ。修は昼食をとるべくラーメン店の集まっている店へ向かった。
鈴野 加代
も同じく、昼食はラーメンを食べに行く。
「北海道に来るのは初めてなのでなんだかわくわくしますね」
と楽しそうな彼女に、修は美味い物も綺麗な景色もたくさんあるぞ、と返した。
それから札幌と言えば味噌ラーメンとばかりに注文し、サッと食べて次は土産を買いに向かう。
一方真央の方は。
「アイヌ民族の人は木服草服鮭皮服着てたっていうのだ、空港なら鮭皮の財布とかお土産であるかもって思ったのだ~」
瞳をキラキラさせながらアイヌ文化のお土産やさんにびったりとはりついている。
店内をぐるりと回ったが、何故か鮭皮の財布が……ない。
「おかしいのだ……」
ぬぬぬとうなりながらスマホで検索をかける。そこには鮭皮は道東と記されており、がっくりと肩を落とす真央。気を取り直し、その後もアイヌ紋様の美しい民族衣装などの展示をゆっくりと見て回ることにした。
美咲紀は、北海道限定お菓子や可愛い動物のマスコット。バターなんかもかごに放り込んでレジで発送手配を済ませる。
「カードでお願いします」
親御さんのクレカなのか、自分のカードなのか定かではないがなかなかの購入っぷり。
ちらり、すれ違った修に声をかける。
「シュー君もあの子にお土産、何買いますか?」
ニヨニヨと笑っている彼女に、修は苦笑いしながら軽く首を横に振った。
「こっちでは買わないよ」
そんなこんなで新千歳空港での行動を終え、メンバーは時間通りにJRの乗り場に到着する。
春賀 幽
も、お土産を発送してカメラ片手に現れた。
「こちら幽、予定の現場到達っと」
「よし、じゃあ小樽に出発だ」
列車に乗り込み、一時間強。海沿いを抜けて小樽に到着すると、一行の胸は自然と高鳴る。
列車から降りた
維都月 茉菜
が、んーっと伸びをした。
「長旅だったけれどもやっと着いたよ~っ!!」
「いやぁ、人生初小樽! やっぱり空気が美味しいねぇ」
快速列車の中では爆睡していた
日暮 ねむる
が大きく深呼吸をした。
「日程表、ちゃんと見てる?」
少し心配になった修が聞くと、あぁ、日程表と小さく呟いて折りたたんだプリントを取り出す。
「っておぉ……隙のない完璧な日程表。流石八神君だね」
今気づいたんかいというメンバーのツッコミにねむるはからりと笑う。
各々、レンガの街道を歩いて観光客の多い通りへと入る。
ねむるはまず、オルゴール堂へと足を踏み入れた。
静かな店内にオルゴールのメロディが優しく響き、木造づくりの店内は少しレトロで居心地がいい。
「すみません、手作りオルゴール体験ができるって聞いたんだけどお席はまだあいてます?」
カウンターの店員に話しかけると、店員はニコリと笑って作業テーブルに案内してくれた。ガラスのケースにガラス細工を乗せてその中にオルゴールを仕込むタイプのオルゴールを選び、ねむるはひとりごちる。
「寝子島だけに猫のデコレーションを多めにしてっと、喜んでくれたらいいなぁ」
きっと喜んでくれるよ、そう言いたげに、オルゴールの上の猫のガラス細工がじっとねむるを見つめている。愛らしさに小さく笑みが零れた。
「甘味……そう言えば有名なチーズケーキ屋があるのだ。前物産展に来てたのだ、行こうなのだ!」
真央が提案する。
「チーズケーキにチョコレート……お夜食に食べるお菓子がいつもとっても美味しいんだよ……」
うっとりと茉菜が呟いた。
「ああ、それじゃあこの近くだし、案内しようか?」
修もケーキを楽しみにしていたので、足取り軽く洋菓子店へ。
「2階で食べられるのだ? 名案なのだ修ちゃん是非行こうなのだ~」
二階のカフェに上がり、注文を済ませる。
修は、コーヒーとチーズケーキを頼んで窓の外の景色を眺めた。
「うん、いい景色だな」
さらに上に上がると展望室もあるのだが、いかんせん時間がない。ここからの景色でも充分かなとコーヒーをすすると、横で真央の声が聞こえた。
「すみません! おかわりなのだ~、次はチョコレートケーキお願いしますなのだ」
「んっ、私も~。今度は苺のケーキお願いします~」
店員を呼び止め注文する二人に修は目を見開く。
「結構食べるなぁ」
「食キングの挑戦はいつでも受けるのだ!」
ぐっと拳を握る真央。
「目指せ、北海道スイーツ王!!」
茉菜はメニュー表を見ながら目を輝かせている。
これは……食いだおれるつもりだこの二人。
その後、店舗の方でフロマージュやらスフレも大量購入し真央は実家と寮に送っていたらしい。
「ん? その袋は?」
送ったもののほかに、手荷物。八人分のスフレとクッキーが入っているらしい。
「これは夜用なのだ! みんなで宿で食べようなのだ~」
――それから、茉菜はガラス工房を発見して足を踏み入れる。
「わ、カットガラスで出来た、光が反射する天使の細工がある!」
キラキラした天使の置物に目を奪われうっとりとしていると、傍らに幽がいた。
「ガラス……おねぇ……」
「わっ、春賀君いつのまに」
「懐かしい……姉もガラスが好きで工房してるんです……」
へぇ、そうなんだぁ、こんなに綺麗なのが作れるなんてすごいと呟き、茉菜はまたガラス細工をじっとみつめる。
「あ、工房の方で職員さんがガラス細工を作っていますね」
ちらりと工房の扉が開いているのをみると、そこには燃え盛る窯の中でガラスのグラスか何かを作っている様子が見える。加代は、こんな作業をみたり、作品を手に取る機会は少ないから、と非日常に心を躍らせた。
それからふと傍らを見ると、何やらキラキラしたアクセサリー類を手に取って選んでいる修がいた。
「あ、八神くんは何を買おうとしてるのかなっ?」
茉菜がひょこりと覗き込むと、慌てて修は背中を向ける。
「あ、あぁ、アクセサリーを」
片思いの子にあげるのかな? なんて微笑ましく、茉菜はふわりと笑った。
後から来た真央と美咲紀がはやし立てる。
「わー! アクセサリーとかおっとこまえなのだ~」
「気に入ってもらえるかな~!?」
「う、うるさいぞ!」
結局片思いの女性にあげるならば身に着けるものよりもキーホルダーの方が良いですよなんて店員にアドバイスされ、それを買っていたようだけど……? 心配になり、もしつけられなかった時の為にと修は念のためレジに置いてあった和紙絵葉書も購入し、ほっと一息ついた。
でもまだ買うものは残っている。店の中をうろうろする修に、声をかけたのは月だった。
「何を探しているんですか?」
「あぁ、来られなかった部員の分のお土産をな」
ひょいひょいと手に取っているのはなんだかよくわからないタコ? ウニ? のガラスマスコット。さすがに万人受けし無さそうだと思った月は近くにあった雫型のペンダントトップを指さす。
「それでしたらこのデザインはいかがでしょうか?」
ボールチェーンを付ければキーホルダーに、ネックレスの鎖に通せばそのままネックレスにできる。
「うん、いいな」
色違いでいくつか包んでもらい、二人は店を出ようとする。
と、ようやく購入するものを決めた茉菜が嬉しそうに天使の置物を持っていた。
(……自分の家の宗派とか、今更全く興味もないしね)
「あれ? まだ選んでたのか?」
だいぶ経っているけれど、と言うと茉菜は笑う。
「随分迷っちゃって。……買ってくるね!」
もうすぐ夕飯の時間だ。次は寿司屋。やはり港町と言えば海産物と言ったところだろうか。期待に胸が弾む一同。
「特上握りを一つ」
迷いなく修が言い放つ。
それゼロの数一個多い奴じゃん! と言いたげな目でメンバーは修を見た。
そんな皆は、ここの名物イクラ丼を食べることに。東京の方では考えられないほどの破格でおなか一杯イクラが食べられる! テンションが上がっているところに茉菜が提案した。
「早食い競争しないっ?」
味わって食べるんじゃないんかい!
「私は見てますね」
食べるのはあまり早くないから、と月はやんわり断った。
「いいよ、まかせて」
幽はこくりと頷いた。
う~んとねむるが渋るような表情を見せた時、修がニッと笑う。
「なんだ、面白そうだな部長としてイクラ丼対決勝者に賞品を出そう」
「イクラ丼食べたら修ちゃんの景品出るのだ? 死ぬ気で挑戦するのだ、目指せウィナーなのだ!」
で、景品は? と問うと口角を上げる修。
「アワビと大トロ」
ガタッ。ねむるが身を乗り出す。
「大食い、早食いは得意分野じゃないけどさ、大トロと聞いて辞退する訳にゃいかないよね」
景品がよさそうな物なら参加、と思ったが加代は更に食べ物かぁと小さく唸り、参加を辞退した。
「じゃあ早速! いただきまーす!」
運ばれてきたイクラ丼を茉菜の合図で食べ始める。
「美味しい」
頬を抑えて美咲紀がはにゃんと破顔した。
競争に参加していたはずだが、一口ごとに感激してそんな表情を浮かべているものだから他のメンツに比べて箸が進んでいない。
「皆さんよく食べますね」
月はまったりとマイペースに箸を進めている。
同じく、早食いしているメンバーを観戦しながらゆっくりと食べる加代。
(こんなにすごいスピードで食べてるのを見てるとこちらもおなか一杯になってしまいそう)
ガツガツと食べる真央、無表情ながら淡々と良いペースで箸を進め続ける幽、なんだかだんだんペースダウンしてくるねむる。
「うぷ。やっぱきつい」
ねむるは善戦しつつも、最後には満腹によりリタイア宣言。
勝者は……。
「いくらでも食べられますねぇ」
ごちそうさま、と口元を紙ナプキンで拭いた幽が微笑んだ。
「約束のアワビと大トロだよ」
修が幽に皿を渡す。
「わぁ、ありがとうございます~」
その二貫もぺろりと平らげてしまった。自分から言い出したことではあるが最後の商品を食べきるとは、とさすがの修もびっくりである。
「はー、おなかいっぱいなのだぁ」
真央がおなかを擦る。
「北海道は食べ物天国です」
美咲紀がごちそうさまでした、と手を合わせた後幸せそうに、ウチの畑ではこの味出ないモン。と呟いた。北海道は山の幸も海の幸も豊富。食べ物天国と言うのも言い得て妙である。
さあ、のんびりもしていられない。次は天狗山だ。タクシーを相乗りして、麓までつける。そこからロープウェイで山頂に登れば、鼻撫で天狗が出迎えてくれる。
「へー、撫でるといい事があるのか」
修が鼻を撫でるのを見て、幽は口を開く。
「天狗と言えば天狗も妖怪でしたねぇ。妖怪の事ならお任せをっ」
神とも妖怪とも言われる天狗の事を、実家の家業の都合上良くわかっている幽は軽く解説をする。天狗の鼻は、観光客があんまり撫でるものだからつるっつるだ。
加代も身の健康を祈りながら、すっかりはげはげの天狗の鼻を優しく撫でた。
北海道の11月ともなると、もう6時には暗くなっている。
すっかり美しくライトアップされた街並みを見下ろし、一行は感嘆の声をあげた。
月はぼんやりと一点を注視している。
「どうしたの?」
幽の声をかけられて、ようやくふと我に返った。
「綺麗ですね……こうして、純粋に楽しむことを目的とした旅というのは初めてで……感動を覚えているのです」
もう一度夜景へと視線を移す月を写真に収め、幽はふと柔らかく微笑んだ。
「シュー君! 写真撮ろう!」
「ん、あぁ」
美咲紀が携帯のカメラを構えて修に寄り、肩を並べて夜景を背景に自撮りする。
「上手く撮れたか?」
「うん、ばっちり!」
ありがと! と笑う美咲紀。この後修だけをピンで隠し撮りしたとかいうのは内緒だ。夜景をバックにしたらかっこよさ二割り増しとか思ったのも内緒だ。
「すごく、幻想的だね。星の海を見下ろしている気分だよ」
ねむるがふと零した言葉が、賑わう展望台の夜の闇に溶けて行った。
その通り、見下ろせば遠くに星を映した海、近くに星の如く輝く街並み。
けれど、時間は過ぎてしまう。この時間を永遠にするため、皆で夜景をバックに写真を撮ることにした。
「じゃあ、撮りますよぉ~」
「せっかくなんだから春賀もはいれよ」
カメラを設置できる台がある。そこにタイマーをセットしたカメラを置き、幽も写真に納まることに。
「3.2,1!」
カシャリ。
無機質なシャッター音と共に、小樽の思い出が切り取られてデータと一同の記憶に焼き付いた。
手配していたタクシーがもう麓に来てしまう。一行はタクシーに乗り込み、小樽駅へ。快速で札幌へ向かう。その移動の道すがら、加代はすっかり疲れ切って眠ってしまっていた。
札幌駅に着くと、今夜宿泊するホテルへの道すがらせっかくなので時計台へ。
「本場のスゥプカリー食べてみたいのだ~」
真央の呟きに、さすがにこの時間からはと苦笑を返す修。
「時計塔も見たいのだついて行くのだ!」
「時間外だから外からだけな」
修がそういて立ち止った場所は交差点。木々に囲まれて白い木造の時計台が佇んでいた。ライトアップされて幻想的な雰囲気を醸し出してはいるものの。
「アレ?」
美咲紀が首を傾げる。
(思ったより小さい)
「どうした?」
「もっと周り広々のトコだと思ってた」
「ははは。ポストカードとかだとそういう風に見えるもんな」
からからと笑いながら真央が答えた。
「ガッカリ記念と聞いたけどコレはコレなのだ。らぁめんのシンボルと思えば全然なのだ」
確かに味のなんとかっていう店もあったっけ。
まさかここでラーメンのシンボルと言われるとは時計台も思ってもみなかっただろう。
加代は大きく首を横に振り人差し指をぴっと立てて来歴を説明しだした。
「札幌時計台は、旧札幌農学校演武場なんですよ」
「きゅさっぽろのうがっこ……?」
真央が首を傾げる。
「明治11年から存在してるものなんです。もっとも、今の位置よりもっと北東にあったらしいですけど」
ま、全部そこのボードに書いてますけどね。そう言って指さす先には沿革を書いたボード。
「がっかりスポットなんて言われてますが歴史ある建築物がこうしてほとんどそのままの形で残っていることは残っているだけで貴重なんですから」
壁の色は何度か変わっているみたいですけどね、と言う加代に、真央は素直に感心している。
「ほぁ~、すごいのだ~」
それから、テレビ塔を通過してやや歩いて今夜の宿に辿りつく。
「明日は6時集合だ。朝御飯は裏のコンビニで買っとけよ」
北海道限定品も置いてるしいいね、という答えも帰ってきて、それぞれが自分の部屋に向かう。
ツインの部屋に入るなり、美咲紀と茉菜はなにやらたくらみ顔でほくそえんだ。
「よし、シュー君の部屋を襲撃だ!」
その前に、月と加代の部屋の扉をコンコンとノックする。
「まくら投げしよーよ!」
「そろそろ来る頃かと思っていました」
にっこりと加代が微笑む。さあ出陣ですという彼女の瞳はらんらんと輝いていた。普段真面目な彼女だが、こういった時のタガの外れ方はなかなかに豪快である。
枕投げというものを知らず、月はことりと首を傾げる。
「枕投げ……それはどのような種目なのでしょうか?」
「へ? 種目? 枕を投げるんだよ、相手に」
なんかよくわからないけど楽しいからついといで、という美咲紀達に、月はヒヨコのようにくっついていくのであった。
「修ちゃん所で枕投げしようなのだ。小樽のお菓子食べながらガッツリ遊ぼうなのだ!」
男子部屋でも真央が意気揚々と枕を抱えて立ち上がる。
ねむるはというとその傍らで早速ベッドにダイビング。
「ふかふかのベッドだ~!! おやっす~……Zzz」
誘ったはずのねむるがすでに夢の中にダイビングしている。真央はぷうと頬を膨らませ、揺り起こそうとした。
「もう寝てしまうのだ~?」
「ん、むぅ……もうイクラは食べらんないってば……」
「……仕方ないのだ。じゃあ、行ってくるのだ~」
ぱたん、ねむるを起こさないよう優しく扉を閉め、真央は修の部屋に向かう。
コンコン……。
「修くーん、いる?」
自室で参考書を読んでいた修が顔を上げる。
「開いてるよ」
ガチャリ、ドアが開くなり修の顔面目がけて枕がすっとんできた。
「ぶっ!?」
「八神さん覚悟」
ひゅん、と加代が投げた枕が更に飛んでくる。
「こんな時まで参考書持参ってどーいう事ですかぁ」
美咲紀が容赦なく枕をぶん投げる。
「女の子を狙うなんて出来ない! 修君集中砲火~!」
茉菜が大きく振りかぶり修へと枕を投げる。
「ちょっ……やったな!」
はははと笑いながら修も投げ返す。
と、月が謎のコントロール力を発揮。飛んできた枕に己の枕をぶつけ迎撃しているではないか。どうした。初めての枕投げでなんというテクニック。
幽はと言うと飛んでくる枕をひょいひょい避けながらファインダーをのぞき込みパシャパシャとシャッターを切っていた。
「いい思い出にっ」
手振れ防止機能が火を噴く。
「遊ぶ時に勉強なんて駄目ですです!」
ぶいぶいと枕を修になげつける美咲紀。
流れ弾(?)にあたった加代がすてーんとすっ転んだ。
「えっ!? 鈴野さん!?」
その時、修の部屋のチャイムが鳴った。
――ぴん、ぽーん。
「あ、はい!」
失礼いたしますと声がして従業員が扉を開ける。
「あの、お客様、大変失礼ではございますが他のお客様のご迷惑となりますのでお静かに願います」
「! す、すみません!」
全員で頭を下げる。
そうだ、ここホテルでした。しかもツインのお部屋。狭い。こんなところでドタバタやってたらそりゃ叱られもする。
出入り禁止を食らう前に素直にやめて自分の部屋にすごすごとかえる枕投げ戦士たち。これもまたなんやかんや思い出になるのだろうけれど。しっかり反省しなくては。
そうしてお疲れ様旅行の夜は更けていくのであった……。
翌日。
「ふぅ、間一髪。間に合ったよ」
案の定ねむるは大寝坊寝癖だらけでパジャマのままタクシーに乗り込みかえるという始末。加代は眠そうに目をこすっている。
「まあなんとか間に合ってよかったな」
札幌駅についたら、また快速で空港へ。うーん、弾丸……!
土産屋もまだ開いていない閑散とした空港で、帰りの飛行機の出立ゲートへ。
「今回の旅行はとても有意義なものでした。皆さんありがとうございました」
月がゆるりと頭を下げる。こちらこそ、と笑顔を返す仲間たち。
「楽しかったのだまた今度のんびり来たいのだ~」
「そうだね、今回は強行スケジュールだったもんね」
真央の言葉に茉菜が頷く。今回は北海道ダイジェストのようなものだ。
きっと、またゆっくり――。
今回の写真は、しっかりとまとめて思い出の文集のようにしてみんなに配布することにした幽。
「大事な思い出の記事に仕上がりました。ありがとですよぉ」
旅行に参加した面々は、帰ってからもアルバムをめくってこの日の事を思い出すだろう。
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
特賞! いざ北海道へ!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
寿ゆかり
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
4人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月20日
参加申し込みの期限
2015年08月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!