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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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夜のひとときを…… 第二夜
【深林 真瞭と蒼澄 永姫 深夜の大人女子会】
23時になると、カウンターに美女二人が座っていた。
偶然店に入るとき居合わせた彼女らは、２、３話すとすぐに打ち解け、そのままカウンターでぽつぽつしゃべりながら飲むことにしたのである。
「軽食とおつまみ、甘すぎないカクテルを」
そう頼んだのは蒼澄 永姫。
彼女は病院に勤める看護師である。
そして、夕食がてらの軽食。食事が遅くなったのは内科に移動する前に受け持っていた小児科の患者さんの容態が悪くなったと聞いて、日勤後に小児科病棟によってから、どこか食事を取るのに良い場所はないかと、足を伸ばした結果であった。
「お久しぶり、マスター。少し強いものと料理を」
その隣に座るのは深林 真瞭。
どこか疲れたような声がにじんでいる、座る姿もどこか下を向き影が差しているようだ。
疲労感が全身からにじみ出ている……そんな感じがよく分かる。
普段の彼女は音楽家であり、定期公演をこなしつつ寝子島に基盤を置いて生活をしているのだが、なかなか寝子島に帰ることも出来ず……また、今回の講演でいくつかの修羅場があり、その修羅場をくぐり抜けての、寝子島への帰還である。
疲れ切った身体は酒精を求め、バーに顔を出したのであった。
「そう、あなたも大変ね」
「あなたこそ……看護師も大変ね」
こうしてカウンターで二人は出会い、一期一会ということで、ぽつぽつ愚痴を言い合う……結果、始まったそれぞれの苦労話をきっかけに、お酒も入ったのかだんだんと静かにヒートアップしていく。
真瞭は、ミモザを少しずつ飲みながらしゃべる。
「……でね。公演前から修羅場が続いていてね。もうめちゃくちゃよ！ 当日何とか公演は成功したけども……指揮者も含めてメンバーは士気低下しちゃったわ」
心なしか真瞭の勢いが強い。
「あらあら……なんともそれは苦労したわね」
永姫は食事をつまみつつ、しみじみと答える。
それに頷きながら真瞭は続ける。
「公演の時も私が皆を励ましどうにか３日間の公演を乗り切ったけど、これから先どうなるか判らないわ。何だか五里霧中というか……こんなはずじゃなかったんだけどな。マスター、おかわり……さわやかなの」
マスターは頷いて、新しいカクテルを作り始めた。
「なんだか……心が弱っちゃてるな……」
真瞭の心はさわやかからほど遠いようだ。
「そういうときは、お酒と愚痴よね。大事よ、吐き出すのは」
「そうね、聞いてくれてありがとう」
そうお礼を言う真瞭。
「変わり……と言っては何だけど私の話を聞いてくれる？」
「えぇ」
永姫の話を聞くことになる真瞭。
「今日ね、少し憂鬱な事があって、どうも気分が落ち着かない感じで……どういえばいいのかしら。憂鬱なこと全てに心が引きずられてはいられないのだけれど、どうも今日はもやのような何かが纏わり付いている気がするの」
「もやのようなもの？」
真瞭の言葉に、永姫は水を少しだけ口に含むと、考えながら話し始める。
「何かしら……。こう、普段働いているときには何も感じないけど、外に出てふとしたときに感じる、違和感かしら？ 仕事についてからは張り詰めたように暮らしてきたつもりはないのだけれど、どこか思うところがあるのかしらね」
「……なるほど」
自分が看護師であることは語ったが、詳細については語れない永姫。
ただ、そのどこか暗い横顔に真瞭は胸が締め付けられた。
（死に接することは職業柄避けられないけど、最後の記憶が……離れない時が多いのよね。お疲れさま、笑顔をありがとう、何度そう言ったのかしら……）
そう思いつつ、カクテルを飲む。
ピンク・レディの色が少しずつ飲み干されていく。甘い風味が口の中に広がる。
「カクテルを飲むと肩の力が抜けた気がするわ」
「何か疲れたり、考えたいときはこうして飲むと、どこか落ち着くから……」
真瞭と永姫はそう言うと顔を見合わせ、おもむろにグラスを合わせた。
「「乾杯」」
言ってから、何に乾杯したんだろうと二人とも目を泳がせる。
その仕草に、同時に気づいて二人ともクスリと笑う。
それから、ゆったりとした時間が続く。
真瞭はアイリッシュコーヒーを頼んだところで、時間がだいぶたっていることに気づく。
「これが、最後の注文になりそうね……」
そうつぶやく。
「じゃあ、私も同じものにしようかしら」
そう言って、永姫もアイリッシュコーヒーを頼み、透明な笑顔を浮かべる。
酔いも回っておらず、透き通るようなその笑顔は、とても美しい。
思わず、真瞭はその笑顔に引きつけられた……。
「あ、た、タクシーを呼ぶわ。今日は……楽しかった」
「いえ、こちらこそありがとね」
慌てたような真瞭に、永姫は礼儀正しく応える。
こうして、簡単な女子会はお開きになるのであった。
23時になると、カウンターに美女二人が座っていた。
偶然店に入るとき居合わせた彼女らは、２、３話すとすぐに打ち解け、そのままカウンターでぽつぽつしゃべりながら飲むことにしたのである。
「軽食とおつまみ、甘すぎないカクテルを」
そう頼んだのは蒼澄 永姫。
彼女は病院に勤める看護師である。
そして、夕食がてらの軽食。食事が遅くなったのは内科に移動する前に受け持っていた小児科の患者さんの容態が悪くなったと聞いて、日勤後に小児科病棟によってから、どこか食事を取るのに良い場所はないかと、足を伸ばした結果であった。
「お久しぶり、マスター。少し強いものと料理を」
その隣に座るのは深林 真瞭。
どこか疲れたような声がにじんでいる、座る姿もどこか下を向き影が差しているようだ。
疲労感が全身からにじみ出ている……そんな感じがよく分かる。
普段の彼女は音楽家であり、定期公演をこなしつつ寝子島に基盤を置いて生活をしているのだが、なかなか寝子島に帰ることも出来ず……また、今回の講演でいくつかの修羅場があり、その修羅場をくぐり抜けての、寝子島への帰還である。
疲れ切った身体は酒精を求め、バーに顔を出したのであった。
「そう、あなたも大変ね」
「あなたこそ……看護師も大変ね」
こうしてカウンターで二人は出会い、一期一会ということで、ぽつぽつ愚痴を言い合う……結果、始まったそれぞれの苦労話をきっかけに、お酒も入ったのかだんだんと静かにヒートアップしていく。
真瞭は、ミモザを少しずつ飲みながらしゃべる。
「……でね。公演前から修羅場が続いていてね。もうめちゃくちゃよ！ 当日何とか公演は成功したけども……指揮者も含めてメンバーは士気低下しちゃったわ」
心なしか真瞭の勢いが強い。
「あらあら……なんともそれは苦労したわね」
永姫は食事をつまみつつ、しみじみと答える。
それに頷きながら真瞭は続ける。
「公演の時も私が皆を励ましどうにか３日間の公演を乗り切ったけど、これから先どうなるか判らないわ。何だか五里霧中というか……こんなはずじゃなかったんだけどな。マスター、おかわり……さわやかなの」
マスターは頷いて、新しいカクテルを作り始めた。
「なんだか……心が弱っちゃてるな……」
真瞭の心はさわやかからほど遠いようだ。
「そういうときは、お酒と愚痴よね。大事よ、吐き出すのは」
「そうね、聞いてくれてありがとう」
そうお礼を言う真瞭。
「変わり……と言っては何だけど私の話を聞いてくれる？」
「えぇ」
永姫の話を聞くことになる真瞭。
「今日ね、少し憂鬱な事があって、どうも気分が落ち着かない感じで……どういえばいいのかしら。憂鬱なこと全てに心が引きずられてはいられないのだけれど、どうも今日はもやのような何かが纏わり付いている気がするの」
「もやのようなもの？」
真瞭の言葉に、永姫は水を少しだけ口に含むと、考えながら話し始める。
「何かしら……。こう、普段働いているときには何も感じないけど、外に出てふとしたときに感じる、違和感かしら？ 仕事についてからは張り詰めたように暮らしてきたつもりはないのだけれど、どこか思うところがあるのかしらね」
「……なるほど」
自分が看護師であることは語ったが、詳細については語れない永姫。
ただ、そのどこか暗い横顔に真瞭は胸が締め付けられた。
（死に接することは職業柄避けられないけど、最後の記憶が……離れない時が多いのよね。お疲れさま、笑顔をありがとう、何度そう言ったのかしら……）
そう思いつつ、カクテルを飲む。
ピンク・レディの色が少しずつ飲み干されていく。甘い風味が口の中に広がる。
「カクテルを飲むと肩の力が抜けた気がするわ」
「何か疲れたり、考えたいときはこうして飲むと、どこか落ち着くから……」
真瞭と永姫はそう言うと顔を見合わせ、おもむろにグラスを合わせた。
「「乾杯」」
言ってから、何に乾杯したんだろうと二人とも目を泳がせる。
その仕草に、同時に気づいて二人ともクスリと笑う。
それから、ゆったりとした時間が続く。
真瞭はアイリッシュコーヒーを頼んだところで、時間がだいぶたっていることに気づく。
「これが、最後の注文になりそうね……」
そうつぶやく。
「じゃあ、私も同じものにしようかしら」
そう言って、永姫もアイリッシュコーヒーを頼み、透明な笑顔を浮かべる。
酔いも回っておらず、透き通るようなその笑顔は、とても美しい。
思わず、真瞭はその笑顔に引きつけられた……。
「あ、た、タクシーを呼ぶわ。今日は……楽しかった」
「いえ、こちらこそありがとね」
慌てたような真瞭に、永姫は礼儀正しく応える。
こうして、簡単な女子会はお開きになるのであった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年08月16日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年08月23日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年08月23日 11時00分
