旧市街の片隅にひっそりとたたずむBarがある。
　まるで1930年代のギャングがよくいるような酒場だ。
　入り口はただのガラスドアだ。
　Barの名前がひっそりとぶら下がっている。
『Your Bar』（あなたのバー）
　そう書かれた青く光るその酒場は今日も疲れた大人が訪れる。
　扉を開けると中からピアノの音が広がった。
「Brake Free! I want it」
　バーの中はカーテンで包まれ、たばこの煙が揺れていた。
　ぼんやりと光る照明がお酒の味をよりいっそう深める。
　そして、ちょうど真ん中には大きなピアノが置かれている。
　黒光りするピアノを一人の男が操り、歌う。
「I want to spend this noisy night just dreaming」
（私は夢見ながら、この騒々しい夜を過ごしたい）
　ささやかな夢たちが、ここにはあふれていた。
　二十二時……大人は大人の夢を見る。

担当ゲームマスター

じんの

マスターコメント

サンプルアクション（1）

プレイヤーの目的・意図

仕事に疲れたPCに仕事の愚痴を言わせたい

キャラクターの目的・理由

あぁ、今日も仕事で疲れちまった……そういえば、あそこに良い店があった……たまの贅沢をしようか

キャラクターの行動・手段

本土の工場からの帰り
なんとなくぶらぶら歩いていたらそういえばこの周辺にバーがあったのを思い出して、思い切って入ってみようと思った
「ふむ、入ってみようか？」
そう言いつつ、すっと入っていくカウンターに案内され腰掛ける
「お腹にたまるものとビールで」
今日もひたすら荷物を運ぶだけの簡単なお仕事
台車に荷物を載せて、載せて、ひたすら載せていく
それてそれを指定された場所において、そしてまた次へ
荷物がたまってきたら数を数えて、毎日同じ作業
「そういえば、ずいぶんと単純な仕事についてしまったもんだ」
そう言いいつつ、灰皿を手元に引き寄せて、たばこに火をつける。安いたばこだ
甘いシガーのような香りがするが、身体に毒なのは変わりない。
「毎日、毎日同じことをして、毎日数字に追われていて……俺はなにをやってるのかねぇ。けどまぁ、これが俺が選んだ生き方だしなぁ」
そういって、飲んで食べる。
適当に少なくなったら、マスターに「最近寒いから、ほっとするようなカクテルを」と言って、リクエストしてみる
そうしたらアイリッシュコーヒーが出てきた
……甘い香りに、どこか寂しさを感じつつ、飲み終わったら帰ろう

サンプルアクション（2）

プレイヤーの目的・意図

仕事に疲れたPCが夢を語るのを見たい（前回と同じサンプル）

キャラクターの目的・理由

あぁ、今日も仕事で疲れちまった……あ、こんなところにいい場所があるなぁ……たまの贅沢をしようか

キャラクターの行動・手段

そういや毎日仕事でここんとこゆっくりしたことは無かったなぁ
マスター、なんかオススメで一つ
お、来たか
（くいっとお酒を傾ける
（お酒の名前とかよく分からないのでマスターにお任せします）
「そういえば、何だろうこの曲、どっかできいたことあるなぁ」
「……マスター一杯奢るぜ、で、俺の話を聞いてくれ」
「オレさ、田舎からこっちまで出てきたんだけど、ちょうど子供の頃かな、この曲が駄菓子屋のばーさんの家のラジオから流れてきてたんだよ、なんとかっていう歌手でさ、今はもう見る影も無いくらい太ってやがんの」
「それでさ、ちょうどこうガキで集まって夢を話すわけさ。あーしたとか、こーしたらいいとか。あの頃は無邪気だったよなぁ、ヒーローや運転手、ほかに何があったっけ」
「俺の夢はさ、馬の騎手だったんだ。たまたま、どっかの馬が三冠馬とったとかで、すげぇ盛り上がっててさ……いつかは俺もああなってやるってな！　まぁ、今はしがない会社員だけどなぁ……あぁ、あの頃はすべてが輝いてたなぁ」
「なんだ、しゃべったら酒が回って気持ちよくなってきたぜ……眠いなぁ」
支払いを済ませて家に帰るか
明日も仕事だ

サンプルアクション（3）

プレイヤーの目的・意図

お気に入りの曲を聴いて、よろこぶPCをみたい（前回から若干の改変ありのサンプル）

キャラクターの目的・理由

前リクエストし忘れた曲があったので、歌ってもらいに。

キャラクターの行動・手段

ピアニストに絡みます
「よぉ、兄ちゃん。こういう曲があるんだけどさ」
そう言って、そうだなカクテルを一杯奢ろう
こういう奴が好きなのはジントニックだ
「だから、リクエストをさせてくれよ」
反応を見たらリクエストするぜ
「ほれ、数年前に女王の名前を冠したバンドが新しいボーカルを迎えてライブをしたじゃないか、あれの曲歌ってくれよ」
（元ネタはクイーンで、昨年アダム・ランバートをボーカルに加えてライブ活動をした）
「あぁ、これだよ、この曲」
懐かしいな、こういう曲も久しぶりだ
目を閉じて、時折おんなじ酒を口に含みながら
お気に入りのフレーズに見入る
あの頃、スターだった連中はもうテレビにはいなくなってしまった
あの頃からテレビに残ってる連中はどこか変わったようにも思える
自分の人生も変わったように思えた
なんとなく、夢の残滓を感じつつ、満足したら帰ろう