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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
寝子島☆蒸気と帝都の浪漫譚！
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――落神元年 霜月某日。
蒸気と機械の音に溢れる世界の片隅、寝子島もまた、秋の気配が広まっていた。枯葉が煉瓦の道を覆い、蒸気機関車がそれを吹き飛ばしていく。
ガッシャン、ガッシャンと鉄が擦れ合って音をたてる。勢いよく蒸気が噴出し、鉄の『馬』が石畳の道を駆ける。
「もうすぐ……です、ね」
馬上に居た、白衣の若者は、手綱を握り締めて呟いた。数多の発明をし、成功を手に入れた彼は、今、新たな製作品の資料を手に走っていた。
それを追うは、夜闇の黒よりも黒い、艶のない数台の二輪車。それに跨る黒ずくめの男たちだった。彼らは銃をむけ、次々に白衣の男へと発砲していく。しかし、機械仕掛けの馬――彼が作った蒸気バイク――はただの一度も騎手に弾丸をかすりもさせなかった。まぁ、発砲した男たちの腕も悪かったが、彼がバイクの操縦に慣れていたのも原因だろう。
「追え！ 捉えるんだ！！」
「リッカルドに飛行船の図を渡すな！！」
口々に言う男たちを尻目に、蒸気の煙が夜闇に吹き上がる。速度を上げた機械仕掛けの馬は、激しい音をたてて長い長い石橋の上を走っていった。
「これは……僕の、最高傑作だ。依頼を、絶対に……」
白衣の若者は小さな声でそう呟いた。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
寝子島駅付近を散歩していた如月 庚は寝子大橋をわたってくる一団に目を見開いた。蒸気バイクに乗った白衣の若者が、黒塗りの車に追いかけられている。
だが、蒸気バイクは途中で壊れてしまい、白衣の若者はそれを乗り捨てて路地へと消えていく。後を追っていた黒塗りの車にいたであろう黒服の男たちは周りの人々を睨みつけるとあっ、というまにその場を後にした。
「……何やら面倒ごとの予感がするなぁ」
そう呟いた時、先ほどの若者が近くのカフェーに飛び込んでいった。そこの店員だろう娘が小さく悲鳴を上げる。
気になった庚はカフェーへと走る。そして、倒れていた男に声をかけると……彼は庚にのみ聞こえるほどちいさな声で、言った。
「追われている。どこかへかくしてはくれないか？」
しばらくして。人気のない場所に車が止まり、黒ずくめの男を従えた、艶やかな目をした女が降り立った。
「逃げられたわね」
「お嬢様いかがなさいますか？」
お嬢様と呼ばれた女……鷲尾財閥の令嬢、鷲尾 礼美はくすっ、と笑って男たちに言った。
「探し出すまでよ。貴方たち、行きなさい」
礼美の言葉に従い、男たちは夜闇に溶け込む。その様子を見ながら礼美はくすり、と笑った。
「いつまでも逃げれいられると思わないことよ、五十嵐博士」
はたして、設計図の行くえはいかに！
蒸気と機械の音に溢れる世界の片隅、寝子島もまた、秋の気配が広まっていた。枯葉が煉瓦の道を覆い、蒸気機関車がそれを吹き飛ばしていく。
ガッシャン、ガッシャンと鉄が擦れ合って音をたてる。勢いよく蒸気が噴出し、鉄の『馬』が石畳の道を駆ける。
「もうすぐ……です、ね」
馬上に居た、白衣の若者は、手綱を握り締めて呟いた。数多の発明をし、成功を手に入れた彼は、今、新たな製作品の資料を手に走っていた。
それを追うは、夜闇の黒よりも黒い、艶のない数台の二輪車。それに跨る黒ずくめの男たちだった。彼らは銃をむけ、次々に白衣の男へと発砲していく。しかし、機械仕掛けの馬――彼が作った蒸気バイク――はただの一度も騎手に弾丸をかすりもさせなかった。まぁ、発砲した男たちの腕も悪かったが、彼がバイクの操縦に慣れていたのも原因だろう。
「追え！ 捉えるんだ！！」
「リッカルドに飛行船の図を渡すな！！」
口々に言う男たちを尻目に、蒸気の煙が夜闇に吹き上がる。速度を上げた機械仕掛けの馬は、激しい音をたてて長い長い石橋の上を走っていった。
「これは……僕の、最高傑作だ。依頼を、絶対に……」
白衣の若者は小さな声でそう呟いた。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
寝子島駅付近を散歩していた如月 庚は寝子大橋をわたってくる一団に目を見開いた。蒸気バイクに乗った白衣の若者が、黒塗りの車に追いかけられている。
だが、蒸気バイクは途中で壊れてしまい、白衣の若者はそれを乗り捨てて路地へと消えていく。後を追っていた黒塗りの車にいたであろう黒服の男たちは周りの人々を睨みつけるとあっ、というまにその場を後にした。
「……何やら面倒ごとの予感がするなぁ」
そう呟いた時、先ほどの若者が近くのカフェーに飛び込んでいった。そこの店員だろう娘が小さく悲鳴を上げる。
気になった庚はカフェーへと走る。そして、倒れていた男に声をかけると……彼は庚にのみ聞こえるほどちいさな声で、言った。
「追われている。どこかへかくしてはくれないか？」
しばらくして。人気のない場所に車が止まり、黒ずくめの男を従えた、艶やかな目をした女が降り立った。
「逃げられたわね」
「お嬢様いかがなさいますか？」
お嬢様と呼ばれた女……鷲尾財閥の令嬢、鷲尾 礼美はくすっ、と笑って男たちに言った。
「探し出すまでよ。貴方たち、行きなさい」
礼美の言葉に従い、男たちは夜闇に溶け込む。その様子を見ながら礼美はくすり、と笑った。
「いつまでも逃げれいられると思わないことよ、五十嵐博士」
はたして、設計図の行くえはいかに！
ゲームマスターより
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年09月19日
- 参加申し込みの期限
-
- 2015年09月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2015年09月26日 11時00分
どうも、菊華でございます。
今回は何故か不明ですが、明治・大正っぽいスチームパンクな世界へのご案内です。
『飛行船』の設計図をめぐって大活劇！（の予定）
皆さん、楽しんでください。
難易度：★★★
※難易度について、くわしくはマスターページをご覧ください。
※この世界の年号は『落神』です。
夢の中では『落神元年』となっています。
寝子島の施設について
・シーサイドタウンは『臨海市街』と呼んでいます
『寝子島鎮守府』もこちらにあります。
・シーサイドタウンに海軍の士官学校があります。
・旧市街と星ヶ丘は特に読み方の変更がありません。
・星ヶ丘に寝子島女学院があります。
・旧市街に技師があつまる長屋があります。
状況について
・若き技師五十嵐 尚輝が友人と共に書き上げた『飛行船』の設計図が、
我が儘な伯爵令嬢鷲尾 礼美に狙われている。
・寝子島は現在、鷲尾礼美率いる窃盗団の被害に悩まされている。
・彼らの拠点を探し攻撃する為には飛行船が必要である。
・それだけではなく、貴重な薬を陸路より安全に輸出でき、
更なる寝子島の発展につながると予測されている。
・上記にあるリッカルドの案に五十嵐も賛同しており、恩義があるため特に献身的である。
皆さんはどの勢力に属するか決めてアクションを書いてもらいます。
アクションの冒頭に属する勢力のタグを以下のものから選んでコピペしてください。
異世界ですので現実の寝子島に影響は全く出ません。普段とは別と考えておもいきってあそんでください。
【五十嵐研究所】
技師である尚輝の勢力です。
伯爵令嬢やその他の勢力から設計図を守り、資産家の中沢リッカルドへ渡す事が目的です。これを完成させることで窃盗団の拠点を攻める事が出来ると睨んでいます。
それだけではなく、沢山の観光客が見込めるだけではなく、貴重な薬品を陸路より安全に輸出できるという利点があります。この島を発展させるためにも飛行船が必要だ、とリッカルドたちは考えています。
【ファルコ窃盗団】
伯爵令嬢である礼美の勢力です。
技師から設計図を奪い、伯爵令嬢に渡す事が目的です。
礼美は陰で窃盗集団を率いています。飛行船を手にする事で活動範囲を広げるだけではなく、捜査を邪魔するという目的もあります。
【第三勢力】
飛行船の設計図を自分のものにしたい人はこちらに。
グループを作る場合はタグの後に【GA名】を記しておいてください。
【無所属】
どちらにも所属せずに行動します。関わらず過ごしたりできます。
登場NPC
五十嵐 尚輝
旧市街のガラクタがあつまる通りに暮らす科学者で、腕のいい技師でもあります。現在は寝子島のどこかに潜んでいます。普段の尚輝よりすこしはきはき話します。
鷲尾 礼美
伯爵令嬢で、狙ったものはどんな手を使ってでも必ず手に入れる事で有名です。今回も飛行船を手に入れるべく奔走します。
中沢 リッカルド
資産家で、孤児院を作ったり子供たちの就労支援などをしている人です。
今回は飛行船の設計図を尚輝に依頼しました。
牛瀬 巧
一応、海軍の軍人ですが軍人らしくなく飄々としています。街の噂を聞くのが楽しみなようです。
それでは、よろしくお願いします。