レトロな外観の門をくぐって扉をあければ、広大なエントランスに至る。
階段の上まで敷きつめられた赤いじゅうたんの上には、
古めかしい家具や細工の細かい小物、ヴィンテージものを含めた何着もの
衣装が飾られている――大半はこの店の売り物だ。
そして玄関では、三日月と猫をあしらった看板があなたを出迎える。
アンティークものを扱うセレクトショップ、
『ステラ・マリス』。
あくる日の夕方のこと。
オーナーの
紅林 柳霞は、在庫品の点検をかねて店内を見回っていた。
ふと、彼女の足が一着のドレスの前で止まる――レースのきめ細やかなパーティドレスだ。
「何度見てもほれぼれしちゃうわねー。生地の発色もいいし」
このドレスも彼女が仕入れたものだけに、
いっそ自分で着てみたい気持ちすらこみ上げてくる。
「こんなドレスを着て踊れたらいいのにねー……」
ふだんなら売り物だからと我慢するところ、この日は誘惑をふりきれず、
触るだけなら……とドレスに手をのばしていた。
するとどうだろう、かけてあったドレスが光とともに消えたではないか!
柳霞があわててあたりを見渡したとき、
鏡にはドレス姿の自分が映っていた。
「あれ、あれれっ!? なんでっ!?」
よろめきながら廊下へ出ると、向こうから歩いてきた
獅子島 市子と鉢合わせした。
市子はこの夏からステラ・マリスでバイトをしていて、
簡単な雑務から力仕事までよく働いてくれている……のだが。
「どうしたの、市子さん……その格好」
さも気まずそうに柳霞を見る市子。
それもそのはず、彼女も店においてあった衣装を身にまとっていた。
「いえ、これは……なんといいますか、出来心で触ったらこうなっちまいまして」
事の次第を説明しきれず顔をそらす市子に、
くすり、と柳霞がほほえむ。
彼女もまた、誘惑に屈してしまったらしい。
「このまま舞踏会、開けちゃいそうだね」
ぽつりと、嬉しそうに柳霞がつぶやいた。
ホールを片付ければ、踊るには十分なスペースが空くだろう。
蓄音機でレコードをかけて、チェストをサイドテーブルがわりに設置して、
プレートに焼きたてのお菓子をのせて……。
アイディアが次々とわいてくる。
人を集めてアイディアを募れば、きっと素敵なパーティになるだろう。
きっかけは神魂の気まぐれだけど、さっさと脱ぐのはもったいない。
「皆に声をかけてきましょ!」
そして、メールやねこったーを通じて
あなたの元へ以下のような主旨のお誘いが届く。
『本日、ステラ・マリスにて舞踏会を開催いたします
店内にはお菓子なども用意してありますが、
手伝ってくださる方も募集いたします
ドレス・タキシードなど十分な数をご用意しております
気になるドレスがありましたら、
どうぞお手をのばしてみてください――店長』
◇
まずは紅林 柳霞さま、獅子島 市子さま、ガイドへのご登場ありがとうございました。
この後はガイドの描写に縛られず、ご自由にすごしていただければと思います。
そしてあらためて――ようこそ、ロマン満ちあふれる舞踏会へ。
◇舞台
セレクトショップ『ステラ・マリス』の店内。
レトロな洋館を利用しており、店舗となっているのは一階部分。
温かい照明がホール全体を照らしています。
舞台衣装やアンティークドレスが飾られているほか、
栞などの文具、アンティークのハーモニカなど、多岐にわたるジャンルの品物が扱われているようです。
◇舞踏会への誘い
お店の中に飾ってある衣装に手を触れると
一瞬でその衣装に着替えられる
というフシギ効果が働いております。
着替える前の服はいったん消えてしまいますが、
・店の外に出る
・時間が経過する
などの条件を満たすとドレスアップが解除されて元の姿に戻ります。
(ドレスもかけてあった位置に綺麗な状態で戻ります)
ドレスに着替えて踊りたい方だけでなく、
準備を手伝ったり裏方にまわってくださる方も歓迎いたします。
テールコートなどもございますので、男性の方も気兼ねなくどうぞ。
◇神魂の効果時間
夕刻~夜12時まで。
◇衣装の描写について
身にまとうドレスや衣装の種類にご希望などございましたら、
色・形などを簡単にお書き添えください。
百パーセントご期待に添えるかどうかは保証いたしかねますが、
簡単に調べてわかる範囲で描写を盛り込む予定です。
◇おねがい
「会場に来ている人に片っ端から話しかける」
「踊る相手を次々と変える」といったアクションをいただいた場合、
描写の都合で登場できるシーン数を絞る可能性があります。
どのシーンを一番大事に扱ってほしいのか、
わかるように書き添えていただけると嬉しいです。
それではどうぞ、すてきなパーティーを。