太陽が照り付ける炎天下、
鷹取 洋二は駄菓子屋からの帰途についていました。
「ふう。もうちょっと涼しくなってからにすればよかったかな」
冷房のない猫鳴館住まいの洋二としては、暑いときこそ外出するのは理に適っているのですが。
それにしても暑い。
トレードマークのワカメ頭も、汗でぐんにゃりしているようです。
「暑苦しい!」
そのとき、誰かの声と共に、何かが光りました。
ジャキン!
すぐ近くに聞こえた禍々しい音に振り向けば、そこには大きなハサミ。
そしてハサミを構えた覆面の人物がいました。
「な、なんだ君は!?」
そして、飛び散る黒い毛。
毛?
そうです、後ろ頭がさっきより涼しいのは恐怖のためだけではありませんでした。
だがそれを確認する間もなく、ハサミを構えた人物はなおも洋二に迫りました。
「むさ苦しい髪は許せん!」
「う、うわあああー!」
武器を持たない身では勝ち目はないとの判断よりも、むしろ本能的な恐怖に駆られて、洋二は一目散に逃げ出しました。
瞬く間に、髪切り魔の噂がねこったーに広がりました。
しかし、そんなことは知らない人もいます。
「暑いですねえ……」
五十嵐 尚輝先生が、相変わらずのボサボサ頭で、今まさに髪切り魔の近くを通ろうとしていました……
こんにちは、または初めまして。天村花海です。
暑さでおかしくなったか神魂の影響か、シーサイドタウンの路地に覆面の髪切り魔が現れました。
その後もシーサイドタウン周辺に出没しています。
神魂の影響が消えれば大人しくなるでしょうが、犯人は謎のまま終わってしまいます。
アクション次第ではバトルやホラーものになりそうですが、今のところはコメディを想定しております。
突然のことで洋二は相手の風体をあまり覚えていませんが、大柄ではなかったようです。
声は男のようだった、そうです。
何人かが襲われ、返り討ちにしようとした者もいますが、逃げられました。
髪切り魔は戦闘力が低く、逃げ足がはやいです。
過剰防衛にお気をつけください。
髪を切られたくない方、どの程度以上はNGか書いていただければ安心です。
皆様のご参加をお待ちしております。