寝子高を卒業して二年と半分ほど過ぎた秋のはじめのこと。
旧市街・参道商店街の『蕎麦屋すすきの』のポストに一通の招待状が届いた。
「これは……?」
薄野 五月は首をかしげて封を開ける。
同じ招待状がラーメン屋『猫島軒』にも届いていた。
「まさか、アル……!」
中身に目を通した
畑中 華菜子はニッカリと笑顔になる。
招待状はこの人の元にも。
「みっちゃんが結婚……だと?」
クールに驚愕しているのは
如月 庚。新婦の教え子のひとりである。
◇
それから約二ヶ月後のよく晴れた霜月吉日。
ウェディングドレスに袖を通した
久保田 美和は、新郎新婦の控室でそわそわしていた。
「あーっ、緊張するっ! 私、本当に結婚しちゃっていいのかな?」
「なに言ってんのよ。今日はあなたが主役なんだから、どーんと構えてなさい」
「そ、そうですよ。ハレの日なんですから、リラックスリラックス」
お手伝いに来ていた
桜栄 あずさと
島岡 雪乃が、新婦をなだめる。
ここは星ヶ丘にある高級ホテル『ステッラ・デッラ・コリーナ』。
今日はなんと、美和ちゃん先生の結婚式なのだ!
「ああ、ほら。新郎も着替えてきたわよ」
あずさがあごをしゃくった先には、白のモーニングコートに身を包んだ
黒崎 俊介が立っていた。
「どうかな?」
「お、お似合いですよ黒崎先生。ね、久保田先生?」
雪乃が同意を求めると、美和はぽわ~っと赤らめた頬でぼんやりとうなずく。
「うんうん。流石、私が見込んだ男。新郎姿もしっかり様になってるじゃない」
あずさは、気合を入れるように俊介の背中を叩いて、美和のほうへと押しやった。
「あ、ええと……」
俊介はすこししどろもどろになる。生徒の前じゃ何人いようが緊張したりしないのに、たったひとり美和の前ではこんなに照れてしまうというのが、自分でも不思議でならない様子だ。
「そろそろ時間だね。行こうか、久保田先生……じゃなくて、美和さん」
俊介の手が差し出される。
美和はそっと、その手をとった。
「はい……しゅ、俊介、さん」
こんにちは。ゲームマスターを務めさせていただく笈地 行です。
このシナリオはタイトルの通り、我らが美和ちゃん先生の結婚式です。
もどかしいお付き合いの末、美和ちゃん先生がとうとう黒崎先生とゴールイン……!
いろんな人に招待状をお送りしたようなので、よろしければみんなでお祝いしてください!
このシナリオについて
<世界線>
ねこぴょんの日(寝子暦1372年3月)から2年後、寝子暦1374年11月ごろです。
美和ちゃん先生が高校1年生のときの担任だった方は、
20歳~21歳(仕事をして3年目、大学3年生など)、お酒を呑める年になっています。
※みなさんは、時期だけあわせていただいて、
ふわっとそれぞれの世界線から来ているイメージです。
<式場>
星ヶ丘にある高級ホテル『ステッラ・デッラ・コリーナ』の
スタイリッシュな披露宴会場『猫光(ねここう)の間』。
親族だけでなく、同僚である高校の先生方や教え子、
お世話になった島の人も多数お呼びしています。
(しょぼい結婚式するんじゃないわよ、と桜栄 あずさ理事長が資金援助したらしいです)
<式の流れ>
●挙式(キリスト教式)
結婚の誓い
指輪の交換
ベールアップと誓いのキス
●披露宴
ウエディングケーキ入刀・ファーストバイト
歓談・食事
お色直し(ピンク色のドレスに着替えます)
余興
両親への手紙
ブーケトス(花束を受け取った人は次に結婚するといわれています)
●披露宴終了後
ブライダルカーに乗って新たな人生の旅路へ出発
雪乃カー(赤いクーペのミニ)の後部に空き缶をつなげた車に
花嫁と花婿が乗り込み
雪乃先生の運転で寝子島街道を爆走します。
(雪乃先生は運転すると豹変するので、花嫁と花婿は不安そうです)
アクションについて
結婚式に参加する皆さんの手もとには、2か月ほど前に招待状が届きました。
(招待状はあずさの独断でクラス・学年関係なく過去の生徒全員に配送)
いまどんな大人になっているのか、式でどんな気持ちでいるか、
なにをするかなど自由にアクションをお書きください。
(例)
・挙式のキスのシーンで感涙
・ちょっと待ったー! と新婦の美和先生をさらおうとする
・ちょっと待ったー! と新郎の黒崎先生を探すが存在感がなさすぎて見つからない
・元生徒有志による出し物やスピーチ、新郎新婦も巻き込んだフラッシュモブなども大歓迎!
そのほかこんな参加の仕方もアリです。
(例)
・お仕事やバイトで結婚式場にいる
・街中で缶の音を響かせながら爆走しているブライダルカーを見た
楽しいアクションをお待ちしています!
登場するNPC
久保田 美和……新婦。結婚式にも結婚にも、まだまだいろんな不安があるが幸せになりたい。
父:一美。モテない遺伝子あり。娘がほかの男のところに行くなんて、と複雑。
母:和代。美和に似た美人。部屋をごみ屋敷にしちゃう娘で大丈夫かしら、と不安。
黒崎 俊介……新郎。新郎なのに影が薄いのが悩み。
父:外科医で緊急で大手術が入ってしまい欠席
母:他界
両親の出席はないが、姉が二人きている。保護者代わりのあずさとはすでに仲が良く、三人揃うと姦しい。
島岡 雪乃……新婦の同僚であり友人。
新卒で学年主任になって大変だったとき、美和ちゃん先生の存在に救われた、と
ブライダルカーの運転をかってでる(みんな止めたが大丈夫です~ときかなかった)。
桜栄 あずさ……新郎の保護者代わり。
六本木で○○な仕事をしていたときに拾った黒崎先生を教頭に大抜擢した張本人。
情に厚く世話好きなので、派手にやりましょ、と結婚式の資金の大半を出している。
NPCについて
特定のマスターが扱うNPCでなければ、基本的にはリアクションでも描写されます。
また、Xキャラクターも登場可能です。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
それではご参加お待ちしております!