暑さが目立ち始めた、とある7月初頭の夕方。
君は寝子高内で、あるいは島の道中で、偶然にも彼女――
芽森 菜々緒と出会った。
彼女は春先に寝子島を騒がせた有名な画家の娘である。
君はこの偶然に感謝しつつ「奇遇だね」と菜々緒に話し掛ける。
すると菜々緒は君にキレイな装飾が施されたメッセージカードを手渡した。
「突然だけど今度、お友達を一堂に会してお茶会を開こうと思うの。あなたも是非遊びに来てほしいわ」
普段クールで近付きがたい彼女からのお誘いに、君は驚くかもしれないし、喜ぶかもしれない。
もしくは、何か裏があるのでは、と勘ぐっても構わない。
「七夕まつりと被るといけないから、急で申し訳ないけど明後日の夕方、私の自宅で行うのだけれども、都合、付くかしら?」
急いで君は明後日の予定を確認すると、これまた偶然にも夕方の予定が白紙であった。
君は菜々緒の誘いに二つ返事で快諾する。
「ありがとう。明後日、楽しみにしてるわね。それと……」
急に歯切れが悪くなる菜々緒の口ぶりに、君はどうしたのかと尋ねた。
すると、あの常時憂鬱そうな彼女が、頬を赤く染めて上目遣いでもじもじしているではないか。
「じ、自分で言うのも恥ずかしいのだけど……、私、七夕が誕生日なの……。でも、今まで誕生日会というのを私はやったことがなくて……」
ああ……、そういうことか。
色々と察した君は、菜々緒の不器用なお誘いを微笑ましく見守る。
「べ、別に、期待なんてしてないわ……。私はただ、お友達と交流をはかりたいだけで、誕生日パーティを開こうだなんて露ひとつも考えていないもの……」
いや、願望が口からモロに出てるから、菜々緒さん。
どんだけ祝ってほしいですかって話である。
「とにかく、明後日の18時、私の自宅で『お茶会』をしましょう。――楽しみにしているわ」
最後だけやけに強調しながら、菜々緒は去っていく。
その背はいつものように儚げな印象を君に与えるのであった。
このシナリオは、誕生日シナリオの7月版ではありません。
7月版の誕生日シナリオは別途シナリオが用意されますので、何卒よろしくお願い致します。
※このシナリオは七罪シリーズ番外編に該当します※
このシナリオはシリーズシナリオではありません。
どうぞお気軽にご参加下さいませ。
難易度:易しい
※難易度については、焼きスルメのマスターページ参照
※この難易度は、乾物のシナリオのみに適用されるものです
【過去の七罪シリーズ】
※第1部※
<序 幕・原罪>怪人セブンの邂逅
<第1幕・憤怒>怪人セブンの断罪
<第2幕・傲慢>怪人セブンの正義
<間幕>このシナリオです。
【目的】
菜々緒の主催するお茶会(という名目の誕生日会)に出席し、大いに楽しもう!
【概要】
お茶会を楽しむために準備をしたり、その場で盛り上がりましょう。
今まで菜々緒と縁がなかった人も、この機会にともだち設定を付けるチャンスです。
ハメを外しすぎなければ、どなたでも楽しい日常のひと時が過ごせるでしょう。
【PCの皆さんの知っていること】
皆さんは菜々緒と既知であるという設定が可能です。
(菜々緒の口調が丁寧語でない相手は既知です)
今までのシナリオで関わりがなくても、PC側でどういった縁か創作していただいて構いません。
よほど無理がない限り、リアクションへ反映致します。
勿論、今回が初対面だというのでも構いません。
その場合、どうやって『お茶会』のことを知り得たのか、アクションにお書き添え下さい。
※菜々緒プロフィール補足※
日本画の巨匠、芽森 白山の義理の娘。
白山は菜々緒を幼少の頃に引き取り、彼女に絵画の英才教育と厳しいしつけを行ってきたことで有名。
普段から孤立気味だった彼女は、最近、周囲の暖かい態度に歩み寄る努力をしている模様。
今回の『お茶会』の誘いもその一環である。
現在、菜々緒は三科展(日本美術の代表する展覧会)へ出品する作品を製作中。
また、武術と格闘技の心得もあり、合気道でテロリストを捻り潰す程度の実力がある。
【PL情報(PCのみなさんが知りえない情報です)】
皆さんは菜々緒の家に初めて訪問するという設定です。
ですので、芽森宅の間取りを予め知ることができませんのでご了承下さい。
また、監視カメラが設置されてますので、不審者は警備会社に通報されます。
つまり、先回りして色々小細工することは不可能です。
よからぬ事はなさらないよう願います。
☆芽森宅間取り
・2階建て。地下にトレーニング器具やスパーリングが行える施設がある。
・1階の広めのリビングとダイニングキッチンが会場です。
・1階は他に書斎、風呂場、トイレ、物置があります。
・2階はアトリエと菜々緒の自室となっています。
菜々緒はここに1人で住んでいます。
そのためか、家具・電化製品は必要最小限のものしか揃っていません。
「殆どアトリエに篭るから、必然的にそうなるわね」と菜々緒談。
実は、菜々緒自身は料理は大の苦手です。
彼女の作った料理の殆どが味がありません。
お気付きの通り、菜々緒=七男です。
ですが現在、その辺を突っ込まれるときっぱり否定されます。
深く追求すると機嫌が悪くなり、最悪、追い出されますのでご注意を。
【このシナリオでできること】
・クーデレの菜々緒の誕生日を盛大に祝う
・菜々緒へ誕生日プレゼントを贈る
・実は料理の腕が酷い菜々緒に料理を教える(要PL情報のPC情報への変換)
・盛り上げるために一芸を披露する
・菜々緒の描いた絵を鑑賞する
・PC同士、楽しい思い出を作る
・新たな交友関係もしくは人脈の開拓
・菜々緒と一緒にトレーニングルームで汗を流す
(以下のアクション内容の場合、最悪追い出されますのでご注意下さい)
・七男との関連性を探る
・凶器やその類の捜索
【マスターより】
乾物こと焼きスルメです。
皆様の暖かい態度と声により、菜々緒の日常シナリオがようやく出せました。
今回は菜々緒を祝いつつ、皆様の思い出に1つ彩りを添えられれば幸いです。
主役はあくまでもPCの皆様です。
菜々緒を口実にいろいろと楽しんで下さいませ。
それでは、皆様のアクションをお待ちしております。