――帰ってきた、この寝子島に。
雪原を連想させる白銀の長い髪を潮風になびかせ、地中海めいた深い蒼の瞳は懐かしき街並みを映す。
華奢という言葉が尻込みするほどの細い肢体で、記憶を呼び覚ましながら駅前からゆっくり散策してゆく。
「寝子島は約2年ぶりかしら。もっとも、それよりも長い時間が経過したような気分だわ……」
芽森 菜々緒――『白亜の女王』が、フランス・パリの美術留学から帰国してきた。
ある『使命』を、その胸に秘めて。
「……今更、どの面下げて戻ってきたのか、なんて言われそうだけれども。でも――」
色素の薄い唇をきゅっと固く閉じ、菜々緒は街中を進む。
「もれいびなら、きっと『助けてくれる』はずだから。ですが、私(わたくし)が言えた義理ではないわね……」
その表情は、どこか思い詰めている様子であった。
◆
「……っていうのを、たまたま昼寝してたら聞いちまってな」
灰色猫の
テオがもれいび達へ報告している。
昔、いろいろとあった人物の寝子島再訪。
だが今回はこの寝子島を影で脅かすような様子には見えないとも、テオは持論を述べた。
「もれいびに助けてほしい、ってことは『普通』の用件じゃないな。間違いなく面倒事だぞ。だから奴と禍根がある奴は無視してもらって構わねぇ。それでもあいつの助けになりたいって奴だけ、街中を探せば出会えるかもな?」
ぶっきらぼうに告げたテオは、言うだけ言って満足したのか、何処かへ立ち去ってしまった。
とりあえず、もし君が菜々緒と会ったら如何するだろうか?
さしあたっては、彼女が離れていた2年間に起きた出来事を教えてあげるといいだろう。
春の寝子島に、また新たな物語が紡がれる……。
◆ご挨拶
お久しぶりです。生きてます。乾物こと焼きスルメです。
復帰に当たって、ゆる~いシリーズシナリオを細々とやっていこうかと思います。
よろしければ、ご参加いただけると幸いです。
◆概要
NPC「芽森 菜々緒(RKM002186)」が、約2年ぶりに寝子島に帰ってきました。
彼女は寝子高を卒業後、フランスへ絵画を勉強するため留学をしていました。
そしてフランスでの勉強を為し終え、菜々緒は『とある使命』のために帰国しました。
どうやら、もれいびのろっこんの助けを借りたいようですが、自身の過去の事で他者を頼るのは消極的の様子。
恐らく、今回のリアクションでは余程のことがない限り、その『使命』を打ち明けてくれないでしょう。
ですので、まずは世間話から初めて、菜々緒の警戒心や不安感を解いてゆきましょう。
メタ発言をすると、乾物が離れていた間のらっかみで何が起きたのかを教えてほしい!って事です。
ただし、あくまでもリアクションの主役は参加されるお客様のキャラクターですので、菜々緒は基本的に相槌やツッコミに徹します。
◆NPC「芽森 菜々緒」について
元寝子高生。もれいび。在学中は絵画(油絵)で優秀な成績を修め、卒業後はパリへ絵画の勉強へ。
両親は他界。遺産をひとりで相続したので比較的生活に余裕あり。留学資金も自腹で出した。
容姿端麗にしてクールな雰囲気とは裏腹に、方向音痴の“残念な美人”。
実は先程、寝子島に戻る前に空港で乗り継ぐ電車を間違えて、危うく宇都宮方面へ行ってしまうところだった。
2年前に寝子島で起きた『事件』に関わる人物。元多重人格者。
ろっこんが絡んだ『事件』の真相は闇の中に葬られて、世間では都市伝説として語り継がれているとか。
だが、直接事件に関わったもれいび達もしくは伝聞で事実を知る者の一部は、菜々緒を敵視し続けた。
菜々緒は今も自責の念に駆られることがある。
◆その他
菜々緒の過去を知らなくても参加できます。
遭遇するシチュエーションはアクションで指定可能です。
特に指定しない場合、迷子になってる菜々緒が道を尋ねるところから描写します。
割と地図が読めない女、菜々緒。
なお、立ち絵が寝子高制服ですが、大学生なのでリアクションの中では私服です。
お嬢様っぽい薄紅色の長袖ワンピース、腰元に革ベルトを巻いて黒のベレー帽をかぶってます。
そして茶色のタイツに同系色のカシミアコート、黒のハーフブーツにショルダーバッグというコーデです。
それでは、ゆるりと皆様のご参加をお待ちしてます。