春を感じさせる陽気が一転、朝から降り続いた雪はシーサイドタウンを白く染め上げた。通りを行き交う人々は転倒を恐れ、小刻みで歩く。
昼を超えて夕方の時間帯に入っても雪は降り止まない。
朝鳥 さゆるは呆れたような目を空に向けた。
「よく降るわね」
「最後の雪になるかも」
姫木 じゅんはツインテールを弾ませて言った。
さゆるはじゅんを横目で見て僅かに顔を曇らせる。
「じゅんの休みの日なのに」
「あたしとしては悪くないと思うけど。ほら、手の冷たさを理由にこんなことも堂々とできるよね」
じゅんは笑ってさゆるの手を握る。指と指を絡ませた、通称、恋人繋ぎを自然に行う。
「そうね」
「そうよ」
手に引き続き、二人は視線を絡ませた。
「もっといろいろしたいから近道しよう」
じゅんはさゆると手を繋いだまま左手の路地へと入る。
薄暗い中、脇目も振らずに突き進む。前方の白い空間へ、共に笑みを浮かべて踏み込んだ。
降り続いていた雪が止んだ。満天の星の下、白いカマクラがポツポツと目に留まる。
じゅんは突然のサプライズに目をキョロキョロさせた。
「ここって寝子島だよね?」
「そのはずだけど」
「あれってカマクラだし、なんか明るいね」
じゅんは白くこんもりとしたカマクラを指さす。
「誰かいるのかしら」
「入ってみればわかるじゃん」
じゅんは無邪気な子供のように笑った。釣られたさゆるも頬を緩ませ、二人は小走りでカマクラに向かった。
おそらく最後のカマクラになると思います。冬の定番(?)、カマクラの中であれやこれやすることになります。
狭い空間の割に自由度の高いシナリオとなっているような気がします。PCさんらしさ全開で楽しんでください。
朝鳥 さゆるさん、シナリオガイドへのご登場、ありがとうございました。
本シナリオにご参加の場合、ガイドに縛られず、自由にアクションを綴ってください。
詳しい内容は下記をご覧ください。
場所
舞台は寝子島になります。どのようなルートを辿ってもカマクラのあるところに行き着きます(神魂の影響大)。
滞在期間は1日で時間は自由に決められます(朝、昼、晩の1つを選択)。
帰りも自由に決められます(カマクラで寝ている間、カマクラ周辺を歩き回っていた時、ets)。
カマクラ
カマクラの出入り口はやや狭く、内部は意外と広い作りになっています。
2メートル以上の高さがあり、大人3人が車座になって座れます。
内部の仕様
四隅にあるロウソクで中は明るくて暖かいです。
丸い畳が敷かれているので寝転がることもできます。
中央には火鉢が置かれていて炭が赤々と燃えています。
焼き物や煮物ができるように網や土鍋、他に必要な食材や食器類が揃っています。
例1:これって土鍋だよね。汁があるから食材を煮込んだらすぐに食べられそう。アツアツだし、味が最高。
例2:網と餅とくれば、そりゃ焼いて食べるだろ。タレは甘辛醤油だな。え、バターだって?
例3:鍋のあとのコーヒーがいいね。ごろんと横なるのもいいし。膝枕はキミにお願いするね。
例4:とても静かだね。背中からギュッとして。なんか、ほんわかする。いい機会だから君の本心が聞きたいな。
NPC&Xキャラ
PCとNPCの関係があって、尚且つ、不自然でなければ登場させることができます。
XキャラはXキャラ図鑑を参照します。書き込みがない場合はアクションで簡単にお伝えください。
説明は以上になります。
カマクラの中は暖かく、ほっと落ち着ける空間が広がっています。
心の中までポカポカして、いつもより素直になれるかもしれません。
または親密な関係がより深くなることもあるでしょう。
安らぎと癒しのカマクラが、あなたを待っています(ご参加、心からお待ちしています)。