その週末、シーサイドタウンの駅前に、期間限定のマルシェが現れる。
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最近、都内などでは都市型マルシェなるものが流行っているのだという。ごくごく簡単にざっくり言うと、野菜や果物などを販売している屋台のようなものが集まっている市場、というイメージだ。
だがその、都市型マルシェとかいうものを寝子島でもやってみようじゃないか、と言い出したのが誰なのかについては、島山 久幸(しまやま・ひさゆき)が知った事ではなかった。島山梅園、およびその隣に広がる島山菜園の跡取り息子だとはいえ、彼はいまだ若輩で、農協だのその他の集まりだのにはようやく顔を出すようになった――程度でしかないからだ。
だから肝心なのは彼の父親が、そのマルシェに参加を決めて来た事。そして、
「というわけで久幸、お前が仕切れ」
「~~~~~ッ、親父いっつもそうだよな!? 手ぇだけ挙げてあとは全っっっっっ部オレに丸投げ!!」
「やかましいッ、これも跡取り修行だ!!」
「その言い訳は聞き飽きたんだよ!!」
その夜、島山家に盛大な親子喧嘩が勃発したことである。なおその嵐は数日の間島山家に吹き荒れたというが、父子の衝突には慣れっこの他の家族はどこ吹く風で、いつもと変わらぬ日常を過ごしていたとか何とか。
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そんなこんなで7月某日、シーサイドタウン駅前には、週末限定のマルシェが現れる。
近隣の農家や店舗による青果や果物、花きといった生鮮市場から、お菓子や飲み物、小物といったフリマスタイルの店舗、一部スペースでは食べ物の屋台も立ち並ぶ予定というから、どこか夏祭りの雰囲気もあるマルシェ。
採れたての新鮮な野菜や果物を手に入れたい人も、お祭り気分を味わいたい人も、ぜひ足を運んでみてはいかが?
●マスターより。
いつもお世話になっております、蓮華・水無月と申します。
春の気配も濃厚になり始めた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、そんな訳でマルシェです。
どんな訳かはさておいて、『寝子島マルシェ』という(今のところは)期間限定の市場シナリオでお邪魔いたします。
『寝子島マルシェ』とは……
近隣の農家などが集まって野菜や果物、花やお菓子、小物などを売るマーケット。
食べ物の屋台なども出店する。
採れたての新鮮な野菜や果物が手に入る。
※販売している農産物は、旬のものが大抵手に入るとお考え下さい。
お菓子、小物もよほど珍しいものでなければ大抵手に入るでしょう。
飲食コーナーに出店している屋台では、いわゆるキッチンカーなどで販売しているものであれば大抵のものがあるとお考え下さい。
※マルシェにはカラフルなパラソルが立ち並んでいますが、どちらかと言えばお祭りの屋台のイメージが近いかもしれません。
※パラソルは赤→農産物販売コーナー、緑→その他の物品等販売コーナー、青→飲食コーナー、となっています。
※水無月の過去シナリオに出てきた範囲では、『島山菜園(採れたての夏野菜を販売)』『somnium(焼き菓子&冷たいジュース、手作り小物を販売)』が出店予定です。
このシナリオには、以下のような立場でご参加頂く事が可能です。
◆一般客
お買い物を楽しんだり、屋台での食べ歩きをしたり、はたまたあちこちを見て回るだけでも楽しいかもしれませんね。
◆出店者
ご自身のお店を開いたり、バイト先のお店の売り子や店番をしたり。
どなたかのお店のお手伝いで参加して頂くのも、楽しいかもしれません。
◆その他
ちょっとした広場のようなスペースがありますので、そちらでパフォーマンスをして頂いても良いかもしれません。
<以下、説明など>
●島山梅園
場所:九夜山の裾、天宵川の傍辺り(地図の7B~7C辺りとお考え下さい)
広さ:200m四方くらい。同じ位の広さの畑が隣の敷地にあります。
管理者:島山 晴久(しまやま・はるひさ)54歳、妻・杉子(すぎこ)48歳
設定:
島山さん一家が代々受け継いで来た梅園。
毎年、観光梅園として梅の花が咲く頃には梅見客が訪れるが、あまり有名ではなく数は少ない。
今は梅園の方ではなく菜園の方が忙しいようで、農協を通じて野菜を出荷したり、契約している飲食店に野菜を卸したりしている。
●登場人物紹介
島山 晴久(しまやま・はるひさ)54歳
島山梅園の管理人でもある専業農家。少々物言いがキツイ時もあるが、家族思いのお父さん。
暇がある時には趣味仲間と囲碁をするのが楽しみだが、強くはない。
マルシェ当日は不在――のつもりだったが、何だかんだと様子が気になってウロウロしています。
島山 久幸(しまやま・ひさゆき)25歳
島山梅園の跡取り息子。梅園を継ぐべく、本土の某大学の農学部で農業を学んだ。
下宿して家を離れている間に事故にあった妹・弥生を不憫に思い、何かと気にかけている。
当日は島山菜園のスペースで忙しく野菜を売っていますが、手伝いを申し出てくれた弥生には申し訳なく思っていたり。
島山 弥生(しまやま・やよい)13歳
寝子島中学2年生。小学2年生の頃に自動車事故に逢い、目が不自由になった。
幼い頃は活発な子どもだったが、事故以降は音楽やラジオを聞いて家の中で過ごすことが多い。
当日は島山菜園のスペースで、出来る範囲で兄の手伝いをしています。
皆川 十海(みながわ・とうみ)13歳
弥生の同級生。弥生とは音楽の趣味が同じで仲良くなった。
最近読んだ本の話を弥生に聞かせたりもしている。
当日は純然たる興味と、久幸から『どっかで弥生を遊びに連れ出してやってくれないか……?』と頼まれたのもあって、マルシェに遊びに行きつつ島山菜園スペースの手伝いもちょっとする予定。
皆川 一和(みながわ・いちかず)24歳
十海の兄で、寝子島内のとあるコンビニで働くアルバイター。
間が抜けているように見えてしっかり者だが、しっかり者のように見えて間が抜けている。
当日は臨時バイトとして、店長の木原夫妻の代わりに『somnium』スペースで販売責任者をしている。
木原 理子(きはら・りこ)
寝子島高校普通科2年3組。
出身は西の方なのだけれど、祖父母が大好きなあまり、一緒に暮らすために寝子校に通っている。
当日は『somnium』スペースで店番をしている。
※登場NPCとの関係は、クラスメイト、友人、知り合い、梅園及び菜園の常連など、無理のない範囲でご自由にご設定頂いて構いません。
それではお気が向かれましたら、どなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願い致します(深々と