寝子島高校の生徒10人に聞きました。
「教頭先生って何をしている人ですか?」
「うーん、校長先生の代理とかかなぁ」
「あんまり見かけない気がする……」
「この間、草むしりしてるの見たよー」
「そういえば、母が学校に来たときに応対してくださったのが教頭先生と聞きましたわ」
「教室覗いてるときあるよね。目があってびびった」
「わかんないけど、なんか忙しそう?」
「わかんないけど、なんか暇そう?」
「何をって……なんかしてるんだろうけどねぇ」
「……さあ?」
「えっ……教頭先生って、どんな人だっけ?」
…………時々でいいので、思い出してあげて下さい
生徒や先生にとって、学校は勉強を教えられ、あるいは教える場所であり、部活や生徒との交流をする場所だ。
だが教頭である
黒崎 俊介にとっては少し違う。
勉強を教えることもあるが、都合のつかなくなった先生の代理をする程度で、その機会は少ない。
生徒と交流しないことはないが、他の先生と比べてそれは決して多くない。
それが教頭というものだと言ってしまえばそれまでなのだけれど。
「生の生徒の声も、ゆっくり聞いてみたいよね」
黒崎はふとそう思った。
ちょうど、良い茶葉も手に入ったことだし、一緒にお茶を楽しみながら生徒から話を聞いてみるというのはどうだろう。
思い立つとすぐに黒崎は教頭室を出た。
今からすれ違う生徒、20人目、40人目、60人目、と20人ごとに声をかけて、放課後のアフタヌーンティに誘うことにしよう。
「1、2、3……」
すれ違う生徒に挨拶をしながら、黒崎教頭先生は数を数え始めた。
このシナリオは、菊華伴マスター『せんせいといっしょ:久保田先生編』の教頭先生バージョンです。
教頭室でアフタヌーンティを楽しみながら、いつもはなかなか出来ない四方山話を、教頭先生としてみませんか?
どうして教頭先生バージョンなのかは……思い出したからです(笑)。
ということで、メシータマスターの素敵イラストを、扉絵としてお借りしました☆
教頭先生は出会った生徒20人ごとに声をかけますが、声をかけた相手がグループでいたらまとめてお誘いしますので、お友だちと一緒に誘われた、という状況も可能です。
基本的にみんな一緒にお茶することになりますので、個別でお話がしたいという方は、時間をずらして来てくださいね。
教頭先生が聞きたがることは、
「寝子島高校での毎日はどう?」
「部活には入ってるの?」
「学校以外の生活は充実してるのかな?」
のような、学校での出来事、家や寮での生活ぶりですが、別に他のことを熱く語っていただいても構いません。
教頭先生に、どんどん学校や皆さんのことを教えてあげてくださいね。
小学生の頃、同級生がちょこちょこ校長室を訪れるので、どうしてかと尋ねたら、
「校長先生は他の先生と違って1人で寂しいんじゃないかと思うから」
という返事をされて、びっくりしたことがあります。
小学生の私にとって、校長先生は校長先生で、他の先生とは全く違う存在でしたから。
でもその彼女も、教頭先生のところには行ってなかったと思います(笑)。
縁の下の力持ちな教頭先生のところに、ぜひお喋りしにきてくださいね。