早朝のアパートの一室。ラフな格好で
亀頭 出は胡坐をかいていた。右手から出現させた唐揚げに直にマヨネーズを付けて、むすっとした顔で食べている。
「宝を隠した、って書いてあっても、ねぇ。さすがに出さんでも疑いますよ」
出の前にはB5サイズの紙が置いてあった。外を放浪していた時に拾った物なので多少の折り目が付いている。一見してわかる通り、宝の地図のような古さは微塵もなかった。
「しかも、謎解きです」
指に付いた油を舐めながら言った。
出は考えた。少なくとも数秒は目を閉じて思いを巡らせた。
「でも、出さんは宝に弱いのです。仕方ありません、母校を頼りますか」
寝子島高校の緑のジャージを羽織って出は部屋を出た。
平日の寝子島高校の正門に一枚の紙が貼られていた。多くの生徒が目にした。道を行き交う一般の人々の目にも触れた。
「なんだ、手書きか?」
一人の人物が内容に目を留めた。
宝を隠した。正解の道はひとつ。
隠された指示書に従って動け。
一問目 13に似ているものを選んで探せ
A:桜台墓地の駐車場
B:落神神社の灯篭の下
C:寝子ヶ浜海浜公園のベンチの下
D:エノコロ岬灯台の南側
E:寝子島中学校の正門の辺り
二問目 金を取れ(一問目の答えの場所)
サビの石の下
その人物は取り出したメモ帳に内容を書き写した。
高校のグラウンド側の角に隠れていた出は口元に手を当てる。
「出さんの為に、宝のところまで案内してくださいね」
団子状に結んだ髪を陽気に揺らしながら、本人は上機嫌であった。
――果たして、上手くことは進むのだろうか。
今回の目的は宝探しになります。指示書には次の行き先が書かれていて、最後の問題で真実が明かされることになります(宝の内容が書かれた紙)。
探す時間帯ですが、立場によって異なると思います。アクションの目安として少し書いておきます。
職業別による探す時間帯
・学生は主に夕方。欠席や早退を選択すれば、その限りではない。
・大学生は時間の制限を受け難いので希望の時間の探索が可能。
・社会人は夕方から夜に掛けての行動になる。
有給休暇の利用、平日が休みの職種の場合は時間の制限を受けないものとする。
最後に補足の説明をします。
指示書を見つけて読んだあとは、アクションに書かれていなくても元の場所に戻した扱いになります。多くの人の目がありますので、妨害工作等による指示書の破棄は不可能とさせて頂きます。
正解に辿り着くことが全てではありません。共に行動することで得られるものもあるでしょう。終わりを惜しみ、集まった面々で遊びに興じることもあるかもしれません。
爽やかな汗と笑顔が多くの人に広がることを願っています。