1年2組の教室。1学期最後のホームルーム。
「明日から夏休みだ。が」
クールに見えて意外と熱い男、
桐島 義弘がぐるりと教室を見渡す。面倒くさい話が始まりそうだ、と、夏休みを目前にした生徒たちに緊張が走った。
「1学期期末の試験範囲である因数分解がわからないままの者もいるようだ。そのため、夏休みに自由参加の補習を行うことにした」
補習という単語が聞こえ、数学が苦手な
花厳 望春は思わずうへぇと小さくつぶやいた。補習などできれば避けたい。それが人情というもの。
――自由参加なら遠慮したいなぁ。
桐島先生から視線を外してヘアピンをいじる。そう考えるのは望春だけではないはずだ。
桐島先生もその辺はわかっているようで、小さく咳払いをして話を進める。
「補習の内容だが、前半は1学期の授業範囲と全く同じだ。後半は上級生の有志と私が個別指導をするので、基本的な部分や応用問題でわからないものがあれば質問に来るといい」
教室が小さくざわつく。
上級生が先生役? なんだか面白い、かも?
望春はうっかり、数学の補習に興味を持ってしまう。参加しようかな。でも、桐島先生の授業は厳しいことで有名。どうしようかな。
「テストも行わない。今回の補習には数学への苦手意識を持つ者にこそ受けてほしい。……どうも、私の授業は厳しい印象が強いらしくてな」
望春はいつだかの授業で、小テストの合格ラインが90%だったことを思い出す。苦手教科を厳しい先生に質問に行くのは勇気がいる。おそらく桐島先生はそういった生徒の心情に配慮し、小テストなど点数が付くものは補習から取り除いたのだろう。
「他のクラスの生徒も希望者がいれば参加可能だ。以上」
そう言って、桐島先生はスタイリッシュに教室を後にした。
――先輩に教えてもらうのも楽しそうだな。友達も増えるかも。
そう考えると楽しそうに思えてきた。
そして、8月当日。
こんにちは、相馬です。
今回は花厳 望春さんにご登場いただきました!
今回は数学の補習編! 他のクラスの人も参加オッケーです。
■よくありそうな質問
・教える人は上級生だけ?
⇒いいえ。1年の成績優秀者も教えることができます。
友達の勉強を見てあげるのは問題ありません。
・補習を受けられるのは1年生だけ?
⇒いいえ。数学が苦手な上級生も参加オッケーです!
・教える側の上級生の条件を詳しく!
⇒2年生、もしくは3年生で期末テストで数学80点以上が目安です。
もう少し低くても本人の意欲が桐島先生に伝わればオッケーです!
・テストの点数って何が基準!?
⇒期末テストシナリオに参加した方は、その点数です。
参加してない方は自己申告です!!
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。