「ふふふ……ハハハ。遂に完成した。これで世界は僕の思うがままだ。僕の思想を爪弾きにした愚かな人達に、僕の力を思い知らせてみせよう」
静かな笑い声が闇夜に響く。
「ご覧ください、この荒れ模様を! このままでは世界は滅茶苦茶に――きゃあっ!」
荒れた寝子島の街の中を走っていた、リポーターの手に蔦が巻き付いたかと思うと、一瞬にしてリポーターの手からマイクを、そして後ろで追っていたカメラマンから機材を奪い取り、何処かへと移動していく。
「失礼、少し借りるよ? 見ているかい? 全国の諸君。この僕、
黒崎 俊介のことは勿論知っているよね?
天才科学者であるこの僕が開発したアバレルーノスキー薬によって、この寝子島は支配させてもらったよ。ふふふ、どうだい? 驚いたかい?」
黒崎 俊介と名乗る男がカメラの前にドアップとなり顔が映される。しかしその顔を見た者の殆どが名前を聞いてもピンとこないかもしれない。俊介が指示を出すと、植物の蔦がカメラを掴み、カメラを動かし辺りを映していく。そこには魔物のように暴れまわる牛や熊等の生物が人々を追い回し、更には動かない筈の花や木が巨大化し、大地に蔦や蔓をうねらせ移動しながら人々を捕らえて行ったり、高層ビルに絡みついた木が、ビルを軋ませ倒壊させたりして行く。そんなフツウではない光景が映し出されていった。
「あ、安心してくれていいよ。アバレルーノスキー薬は人体には効き目の無いよう設計しているんだ。つまり君達は最後まで抵抗することが出来るんだ。醜く無様に抵抗し続けると良いさ。その苦しみが今までこの僕。
黒崎 俊介を爪弾きにしてきた、罪の償いとなるのだからね。ハハハ」
再びカメラの前で満面の笑みを浮かべる俊介の顔がアップで映し出された。だから、誰? そんな空気が漂った。
「さて、新しい寝子島は十分に堪能出来たかな? 次は本土を素晴らしい世界へと誘うとしようか。あの、巨大ミサイルによってね」
俊介が良い、悪い表情をさせながら、カメラ目線のまま目を瞑り、後ろ手に指を指す。その先には遥か後方にあるにも関わらず、シルエットが分かる程の巨大なミサイルと、その発射基地が映されていた。
「あの巨大ミサイルの中に大量のアバレルーノスキー薬を搭載させ、本土へと飛ばせば……おっと、この先はお楽しみとしておこうか。折角の中継機があるんだからね。皆でカウントダウンをして盛り上げるのも面白いと思うんだ。ふふふ」
突如俊介の顔が消える。映されていたモニターの電源が消されたようだ。
「猶予はもう少しもない! あのよくわからない悪党の阻止及び、街の騒動の沈静に当たる! 各班、配備始め!」
寝子島レジスタンス部隊の隠れ基地内に、ワッと声が木霊する。寝子島のフツウを乱す強大な力に対抗するべく作られ、その意志の下に集まった部隊。それが寝子島レジスタンス部隊だった。ここは部隊が作成した隠れ基地の中だった。
「アバレルーノスキー薬の検分完了です美野梨さん! 美野梨さんの睨んだ通り、成分にアクーノチカラーが検出されました!」
「! ……やっぱりね。アクーノチカラー成分を抑える、フツガイーノヨとの配合を行えば解毒剤が作れるわ。直ぐにお願い」
「了解です!」
「後は解毒剤を散布出来れば……あのミサイル、あの人より早く奪取出来れば、この騒動を沈められるはず……っ! ……それにしても、あの人どこかで見たことがあるような……。気の所為かしら?」
寝子島レジスタンス部隊の一員であるサイエンティストの
神野 美野梨は、寝子島に凶暴化した生物が現れた際、鎮静化を図るため原因を探求し続けていた。そして、ようやく成果が実り解毒剤が完成したのである。
「この解毒剤を何としてもミサイル基地まで届けるわ。そのためには、皆の力が必要よ」
美野梨の作戦がエージェント達に伝わり、レジスタンスに所属する科学者たちが、状況を打開するための兵器開発へと着手する。
多勢と多勢とがぶつかり合い、寝子島内で凶暴生物と人類との、一進一退の攻防が繰り広げられる。この攻防を制す者は、凶暴生物か、それとも、人類か。その運命を左右する者が、寝子島へと現れ始めた。
こんにちは!にょろんにょです!プレゼントシナリオのご指名ありがとうございます!
神野 美野梨さん。ガイドに登場させて頂きました。ありがとうございます!
今回のシナリオはハチャメチャバトルシナリオです!
巨大化、凶暴化している動物や植物等の、敵対するトンデモ生物に対抗して、
こちらもトンデモ技術を駆使したトンデモ兵器等を使用しましょう!
IF物の世界観となるので、遠慮はいりません!ろっこんも使用して好き放題やっちゃってください!
このシナリオの概要
黒崎 俊介と名乗る謎の悪の科学者を阻止するシナリオになります!
皆さんは科学者、化学者、兵器の開発者などのサイエンティストとなって、
トンデモ薬やトンデモ兵器を駆使し、悪の化学者黒崎をやっつけてください!
黒崎先生は、自ら開発したアバレルーノスキー薬を寝子島中に散布しました。
その効果で、寝子島の動植物たちは巨大化し、植物は意思を持って動き出し、暴れ狂っています。
島中が大混乱です!
さらに彼は、巨大ミサイルの中にアバレルーノスキー薬を搭載し、発射する計画を進めています。
ミサイルが発射されてしまえば、寝子島外の日本全国、やがては世界も滅茶苦茶になってしまいます!
ミサイルを奪い取り、逆に動植物たちを鎮静化させる薬を搭載して発射することができれば、
上空で炸裂し解毒剤が降り注いで、寝子島にフツウが戻ってきます。動植物たちも、元に戻ることでしょう。
今回は、黒崎のミサイルを利用するため、ミサイル発射基地へと向かうことが目的です。
しかし当然、その道中では、凶暴化した生物達が襲いかかってきます!
対抗するためには、あなたの持つ知識と技術を結集し、トンデモ兵器を開発してください!
トンデモ兵器
オリジナルの兵器を、自由に作って頂いて構いません!
<トンデモ兵器の一例>
・強烈な熱線を発射するレーザー銃
・植物を一瞬にして枯らすスーパー除草剤
・空を自由に飛べるジェットパック
・動物を浄化して大人しくさせるスーパーフード
・山を吹き飛ばしてしまうくらいの威力の大型大砲
・一度投げると遠隔操作の出来る巨大鎌
・地点を指定すると天から光線が降り注ぐサテライトビーム
・変形合体巨大ロボ
などなど、発想次第でなんでも使えます!
自分で作った兵器を自分で使う以外にも、GAを組んで誰かに使ってもらったり、
あるいは他の人が作った兵器を借りて使ったり、落ちていたものを拾ったりすることもできます。
ちなみに、動植物たちはアバレルーノスキー薬によって超強化されているので、
どんなにやっつけても一時的に無力化されるだけで、死んでしまうことはありません。
解毒剤が散布されれば元に戻りますので、遠慮なく戦ってください!
アクションで出来ること
黒崎先生を止めるために正面から捕まえに行く!
ミサイル発射基地までの道を開くために狂暴生物と戦う!
狂暴生物から逃げ回ってレジスタンスに助けてもらう!
むしゃくしゃしていたから狂暴生物と一緒に暴れまわる!
などなど、思いつく限り色々な事が行なえます!
正義のために黒崎先生を止めるのはもちろん、一般人として逃げ惑ったり、
自分が悪の科学者となって暴れることもできます。
ただし、悪の科学者は、正義にやっつけられてしまうのが世の常。
きっと、ちゅどーん! っとやっつけられてしまうでしょう。
個性的な捨て台詞や散りざまを考えて楽しみましょう!
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
NPCたちも狂暴生物に翻弄されたり、事情を知るもれいびは一緒に戦ってくれたりするかもしれません。
また、このシナリオでは、Xイラストのキャラクターも描写することができます。
口調などのキャラクター設定は、アクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
黒崎 俊介先生は爪弾きにされたと言っていますが、「自然なんて要らないよ。科学の方がより美しい。
その発展にもっと利用すべきじゃないかな?」という思想を謳っていたため、研究所を追い出されました。
後影が薄くて功績を残しているのにも関わらず、あまり認識されていない事等が騒動を起こした理由の様です。
それを逆恨みしての暴挙ですので、遠慮せず成敗して上げてください!