──神も猫も居ない島、『愛光島』
平穏の中にある愛光島では、今日ものんびり時間が過ぎていく。
時間は既に放課後へと移ろうとしていた。
(今朝のは何だったの?)
御津星 凛は今朝のことをふりかえり首を傾げる。
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その文字列の意味は、16進数で『Spica』――。
スマートフォンに送られてきた、『カプセルギア』のプロモーションメール。
そこに映り込む文字列が、凛の胸をざわつかせた。
カプセルギアには興味を持っていたが、まだ触れたことはない。それなのに……。
『Spica』。何か、重要な意味を持つ言葉だったような。何か、大事なことをずっと忘れているような。
いや……大事な人のことを、ずっと忘れているような……。
そんな、もどかしい感覚。
「御津星、浮かない顔してどうしたんだよ」
凛が胸中で戸惑っていると、前の席の少年が声をかけた。
「キザム?」
そう呼ばれたのは、しっぽ髪とちょっと大人びた印象の少年。牛瀬 刻は心配そうに凛を見ていた。
凛は僅かに苦笑する。
「なんでもない。ちょっと気になること。思い出しただけ」
凛の言葉に彼は首を傾げたが、暫く考えて「これか?」とスマホの画面を見せてきた。
「?!」
凛は、青をベースとした色合いに牛モチーフのシルエットのカプセルギアの姿と、それが掲載されているメールの内容に、不思議な既視感を覚えた。
確かにそれは、凛が受け取ったプロモーションの通知と同種のもののようなのだ。
「よく分からないけど、さっき送られてきたんだ。御津星のところにも送られてきたのか?」
その問いにうなずき、凛はスマホのメールボックスを開いてみせた。そこには、氷の魔女をイメージしたカプセルギアが映し出されている。
凛の掲げた画像を眺めて、刻はしばし考え込んでいたが、やがて言った。
「他にも何人か、こう言うの貰った人が居るみたいだ。なんか気になってさ……俺は部活の後にでも、このカプセルギアを探してみようと思う。俺はこいつを見つけなきゃいけない、そんな気がしてならないんだ」
「……? 探す。ってどこを」
刻はスマホを操作して、別のメールを凛へ見せた。
それは、先ほどのプロモーション通知とは同時刻に届いたメールだという。
「『カプギア・ホログラフィック・ナイト』?」
「VRだか、ARだか。映像と音で楽しむカプギアのイベントだって。偶然とは思えないし、ここに行けば見つかるような気がするんだ。俺の……」
口をつぐんだ刻の言葉の続きが、凛にも分かるような気がした。
ここへ行けば、凛の探し物もまた見つかるかもしれない。胸に覚えた喪失感や、湧き上がる渇望の意味を知ることができるかもしれない。
『カプセルギア』。大きさは10cm程度の小さなオモチャのロボット。
それがきっと、全ての鍵なのだ。
菊華です。
まずは、スピカ・フォーツ(御津星 凛)さん、大変お待たせして申し訳ありません。
当選、おめでとうございます。
また、ガイドはあくまでもイメージですので、アクションはご自由におかけください!
『カプセルギア』とは?
『携帯戦記カプセルギア』とは、頭や腕、足などを組み替えてカスタマイズできる、
全高10cm程度の小さなロボットのこと!
スマートフォンにインストールした専用アプリで、ラジコンのように自由に動かすことができます。
詳しくは、以下の『カプセルギアとは』をご覧ください。
→ 『携帯戦記カプセルギアとは』
概要
こちらは、勝手に応援キャンペーン『春スーツ&カプギア擬人化』のうち、
カプセルギア擬人化企画をシナリオ化したものとなります。
→ 企画トピック『【Xイラスト企画】カプギア擬人化+学パロIF【愛高】』
──舞台となるのは、愛光島。
ここはいつもの寝子島とは違い、落神もいなければ神魂もなく、ろっこんを持つもれいびもいません。
『携帯戦記カプセルギア』というオモチャが大流行している以外は、特に際立った特色もなく、
穏やかな気候で暮らしやすい、ちょっぴり退屈ながら素敵で幸せな島です。
皆さんは愛光島で唯一の高等学校、『私立愛光島高等学校』(通称『愛高』)に通う、高校生。
勉強に部活動、友情や恋愛に一喜一憂する、ごく普通の学生生活を送っています。
しかし、そんな生活は実のところ、虚構の世界。
愛光島は、かつて人に壊され、捨てられてしまった一体のカプセルギアが、
寝子島で神魂の影響を受けたことで生み出してしまった、偽りの島なのです。
この島に暮らす全ての人々、その正体は、カプセルギア。
そして人間となった彼らが出会ったカプセルギアこそが、ギアマスターの魂が封じられた依り代なのです。
愛光島を生み出した始まりのカプセルギアは、人の姿を取りながらこの世界へと潜伏し、
謎の力で寝子島の人々をカプギアへと変え、そして彼らの持つカプギアを人間へと変え、
徐々に仲間と力を増やしているのです。
このシナリオは、墨谷 幽マスターが担当された『携帯戦記カプセルギア 愛光島日記』と、
世界観を共有しています。
また、笈地 行マスターが担当された『<愛光島日記>グッド・モーニング・エブリワン』とは時間が続いており、
舞台は夕方から深夜を予定しております。
基本的には、カプセルギアの擬人化をテーマとした、フリーシナリオです。
『グッド・モーニング・エブリワン』の直後、夜の時間帯を描きます。
擬人化したカプセルギアの何気ない日常を描くもよし。
自分の正体を知り、マスターの魂が宿ったカプセルギアと共に、襲いくる敵とギアバトルするもよし。
シーサイドタウンの寝子電スタジアムでは、『カプギア・ホログラフィック・ナイト』というイベントも
行われています。
自由にお楽しみください!
アクション
アクションには、基本情報として、
・擬人化されたカプセルギアの名前、性格や口調、容姿、その他設定などの必要な情報
・カプセルギア化したPCさんの、大まかなパーツ構成やバトル方法
などをお書きください。
次の【1】から【5】の中から1つ選んでアクションをかけて下さい。
例えば部活動の様子やアルバイト中の出来事。宿題を頑張ったりサボったり。
友達とあそんだりする様子などやりたいことを教えて下さい。
あちこちに仮想現実のようなホログラムのカプギアたちが映し出されていて、
飛んだり跳ねたり、バトルしたり、カプセルギアをアピールしています。
会場では、カプギアを使った射的やモグラたたきなどのゲームコーナーや、
カプギアで演じるパフォーマンスのコンテストなど、さまざまな催しが行われています。
好成績を残せば、レアなパーツを景品としてもらえます。
宇宙を再現した特殊な無重力フィールドを使ったバトル大会もアリ。参加すれば、賞品もあるかも?
大会の様子は会場の中央の空間へ大きく投影されるので、観戦者も大迫力のバトルを楽しめます。
実はこのイベントは、この世界の支配者である『始まりのカプギア』の策略であり、
多くのカプセルギアを集め、この偽りの世界を否定し自分に敵対するカプセルギアたちを、
一度に破壊してしまうつもりなのです。
『始まりのカプギア』によって送り込まれた『エンフォーサー』は、
会場内の主に人気の少ないところに出現するようです。
<エンフォーサー>
色の無い制服を着て、モノクロームカラーのカプギアを携えた者たち。
『始まりのカプギア』の意思に従い、偽りの世界を破壊しようとする者を抹消するべく行動する。
その瞳にはまるで生気が感じられない。
・エンフォーサーnil
背に四枚の黒い光翼を持つ、堕天使のようなカプセルギア。
高速で飛翔し、手に携えた槍で突撃したり、先端から熱線を放って攻撃します。
ギアマスター&カプセルギアの幻影が現れ、バトルを挑んできます。
マスターとしての操縦能力やカプセルギアのスペックは、本来の貴方と同じです。
その正体は、やはり『はじまりのカプセルギア』によって作られた幻影です。
基本的には敵対し襲ってきますが、会話をすることもできるようです。
バトルに応じるもよし、対話を試みるもよし。
他の方の行動を著しく阻害しない範囲ならば自由にアクションをかけて下さい。
なお、皆さんのアクションによっては、今回のシナリオで、『始まりのカプセルギア』との戦いに、
何らかの決着が着くかもしれません。
あるいはまだまだ戦いは終わらず、偽りの世界はもう少し続いていくのかもしれません。
登場NPC
◆堀 春人(ほり はると)
愛高2年。射撃部のホープ。
◆牛瀬 刻(うしせ きざむ)
愛高1年。ボクシング部の一員。謎のメールが気になる。
◆千歳 亜瑠(ちとせ ある)
愛高3年。生徒会役員。独自に『始まりのカプセルギア』について調べている。
それでは、ご参加お待ちしております。