それはどこかの地下。
寝子島であるのは確かではあるがどこなのか定かではない場所に一人の男が座っている。
彼の名はディガード。異界からこの世界にやってきた人ではない『別のナニカ』。
そして彼の前に平伏し彼の声を待っている女性が二人。
一人は氷の様な透き通った青い色の髪を持つ鎧姿の女性『レグオル』。
もう一人は緑色の綺麗な髪を持つ少女『イデラ』であった。
「どうだ、調整された新たな体は。戦闘用に適性が合う様に各部の調整を施したが不足はないか?」
「はい、問題ございません。このレグオル、いつでも貴方様の為に刃を振るえる所存でございます」
「同じくだ、主よ。見た目が少女な所以外は何の問題もない」
勇ましく答える二人の様子にディガードは満足そうな笑みを浮かべた。
レグオルはそれまで下げていた顔を上げるとディガードに進言する。
「ディガード様、我らはこれからどの様に動くのでしょうか。このまま地上へ打って出るのならば是非、一番槍はこのレグオルに!」
「そう急ぐなレグオル。忌々しい寝子島の輩のせいで此方の手駒は心もとないのが現状、それ故に今は戦力の増強を狙う。大きく事を荒立ててあやつらに気づかれ妨害される事の方が損害が大きい。それに今はイザ那美の動向も気になる」
「イザ那海……例のイザナという少女の事か。よもやあのような化け物に変じるとはあの施設の研究者共も存外変態が多い」
現在、イザ那海の動向は不明でありひとしきり暴れるのかと思いきや忽然と姿を消し、音沙汰がない。不気味そのものなのである。
彼らもその動きを追ってはいるのだが……全くと言っていい程、掴めていないのである。だが彼らにはまだ使っていない手札があった。
「動向がわからないのは問題ではありますがディガード様、こちらにはあやつの半身があります。いずれは向こうから出てくるかと」
「ふむ、それもそうだな。して、イデラ。イザ那海の半身……イザナの実験結果はどうなっている?」
「よくぞ聞いてくれた、実験は順調。奴は力のほとんどを失い僅かな力しか持たないただの少女となっている。今の所、実験に不足はない」
彼らはイザ那海と化したはずの少女、イザナを九夜山の森の中で発見していた。
捕縛し調査した結果『魂が半分』の状態にあると判明したのである。
それにより、何らかの形でイザ那海が分離し、半分に分かれたと彼らは判断したのであった。
イデラが満足そうに報告しているとそこに一体の魔物が駆け込んでくる。
ディガードへの報告の邪魔をされたと思ったイデラはその魔物を忌々しい顔で睨みつけた。
「貴様何事だッ! 今、私が報告しているのだぞ! 分をわきまえよッ!」
「恐れながら申し上げます! 実験施設に捕縛していたイザナが逃走しましたッ!!」
「何だとッ!? あやつは逃げる力すら失っていたはず、一体何が起きた!?」
「それが……突如として腐った兵士の様な物共が攻めてきまして……一体一体の力はそう強くはないのですが、痛みに怯まない上に数が多く、応戦している混乱の中、逃走された次第でして……」
立ち上がったイデラは魔物の頭を掴み持ち上げるとギリギリと締め上げた。割れる程の強さで締め上げられた魔物は手足をばたつかせてもがく。
今にも殺しそうな勢いのイデラに待ったをかけたのは意外にもディガードである。
「まあ待て。そやつを殺しても何の得にもならん。やめろ」
「だが我が主よ、こやつらのせいで大切な実験対象が……」
「やめろと言っているのが聞こえんのか? イデラ」
「ぐっ……わか、りました」
ディガードに言われ、仕方なくイデラは魔物を地面へと下ろした。魔物は咳き込みながら地面へと突っ伏す。
今だ咳き込んでいる魔物の前まで行くとディガードは小さな妖しい色の石を取り出した。
それを魔物の額に押し当てると闇色のオーラが発生し、魔物を包み込んでその体を禍々しい異形へと変えていく。
全身におびただしい程の鋭い針が生え、それらは鋼鉄の様に硬い。表皮もそれに準じた物へと変化し尻尾は大剣の様な鋭さを備えた。
「お前の忠誠心を試そう。この石の力を見事に御し、貴様のみでイザナを捕縛して見せよ」
「オ、オマカセォォオオッ、フゥウオォォォオーーーッ!」
◆
九夜山頂上付近、三夜湖。そのほとりで逃げ続ける少女がいた。
彼女はイザナ。異世界の住人、ちーあの友人であり仲間である。
少し前にディガードの手によって過去の実験の記憶と結果を呼び起こされ、突如として『イザ那海』と化してしまったはずだが、なぜか彼女はここにいるのであった。
彼女は何らかの事情でイザ那海から弾き出され、生まれたままの姿で森に転がっていた。そこをディガード達に捕縛され、あらゆる実験を施されていたのである。
それ故、ぼろ布を纏うその体にはコードの繋がれた跡や実験による真新しい傷が付いており痛々しい。
「あいつら、人が抵抗できないからって好き勝手して……力が戻ったら覚えてなさいよ……ッ!」
ふらつきながらイザナは三夜湖のほとりを歩き、目立つ場所を避けて下山しようと森へと足を踏み入れた。
少し進むと妙な気配に気が付いて足を止める。
「……何か、潜んでる?」
周囲を見てもただ森が広がるだけだが……明らかに異様なその感覚は彼女の意識に逃げろと、警鐘を鳴らしていた。
イザナが走りだそうとした次の瞬間、地面から這い出るように腐った男達が湧き出してくる。
それらは旧式の鎧、それも平安時代の大鎧に分類される装備を身に着けており武器もそれに準じているようであった。
共に湧き出した腐った馬に跨ると彼らはイザナに無言で弓を引き、矢を放つ。
茂みに飛び込んだイザナは転がる様にして辛うじて彼らの放った矢を躱すとすぐさま立ち上がり、走り出す。
「何だっての!? もう、次から次へとッ! あたしが何したっていうのよッ!」
必死に走るイザナの目前に馬に乗った腐った兵士『ヨモツヘグリ』が大太刀を構えて突進して来るのが見えた。
逃げられないと悟ったイザナは慌てて足を止めると片手に雷の剣を顕現させる。辛うじて顕現できたものの、それは弱々しい光しか持たず非常に頼りない。
馬上から勢いよく振り下ろされる大太刀を雷の剣でイザナは受け流す。金属の打ち合う音が発生し、刃と刃が火花を散らした。
ヨモツヘグリは怯む事無く二撃目を振り下ろしてイザナの頭部を狙うが再びイザナはそれを受け流す。
反撃に転じようとするイザナだが受け流す度に雷の剣は消失する為、顕現し直している間に次の攻撃が飛んできては反撃に移れないのである。
何とか逃げる隙を伺うイザナの背中に激痛が走る。それは背後から放たれた別のヨモツヘグリによる矢であった。
「ふぅあぁっ! ぐっ……」
膝をつき、雷の剣も消失したイザナをヨモツヘグリ達は取り囲んだ。彼らはイザナの纏っていた頼りないぼろ布を引き千切ると彼女を力任せに組み敷く。
腐臭がイザナの鼻をつくが彼らの力は恐ろしく強く、押しのける事はできない。
ヨモツヘグリ達はイザナが抵抗できないのをいいことに彼女の体を好き勝手に触る。その手つきは彼女に嫌悪感を与えた。
「コハァァ……イ、ザナ、存在力……ウバ、ウ、アノ方の為ニ……!」
「やっ、やめてッ! このっ、離せ、そんなとこぉっ触るなあっ、え、そこは……ちょっと! う、嘘でしょ、やめてやめてぇええええーーーっ! い゛ぎぃう゛ぅ゛うあ゛あ゛あ゛ーーーッ!」
ヨモツヘグリ達は次々とイザナに覆い被さり……彼女の悲痛な叫びが森の中に木霊した。
存在力を奪われるイザナは朦朧とした意識の中で助けを求める。
かつて自身を闇の縁から救ってくれた寝子島の者達に。
◆
暗い闇の中。どことも知れない地下深く。
その場所に異形となったイザ那海が鎮座している。その姿は上半身はイザナそのものであるが、下半身は巨大な骨で構成された異形であった。
「ふむ、奴らも動いたか……忌々しい我が半身『イザナ』。奴がいなければ我は完全体には程遠い……カスに過ぎない欠片だとしてもな」
「イザ那海様、私にお任せくだされば……その様な欠片などいとも容易く捕縛してご覧にいれましょうぞ」
「ほう。お前が出張るか。まだ六雷神の一人として座について日が浅いというに、その向上心と忠誠心、嬉しく思うぞ」
「はっ、貴方様のおかげで私はもう一度、現世で刃を握る事ができるのです。無念の闇に塗り潰されていた私を救ってくださった……その感謝に比べれば……っ」
イザ那海の前で頭を下げ、座っているその者の姿は平安時代の武士の出で立ちであった。古いながらも身に着けた大鎧の装飾は見事で位の高い人物であった事がうかがえる。その大鎧は『赤い糸で彩られた』白地の鎧で大鎧でありながらも各所には軽量化が施され、身のこなしを邪魔しないような工夫がなされているようであった。
「ではそなたに任せるとしよう。我が雷神が一人『ミナモト』よ。ヨモツヘグリ達を率いて我の半身を捕縛せよ」
「はっ、仰せのままに」
イザ那海に指令を受けたミナモトは闇に溶ける様にその場から消え去った。
「さて、どう動く……寝子島の者共よ、事態は混迷を極める。貴様らの足掻き、我に見せてみよ。くっくっく」
◆
時刻は昼。九夜山の麓にはちーあに集められた者達がいた。
彼らはイザナの反応をキャッチしたというちーあの呼び掛けに応じ、イザナ救出の為に集まったのである。
「ではこの位置をベースキャンプとし、イザナ救出作戦を行うのです! 今回はばっちりですよーなにせ、ちーあちゃん特製バリケードもあるのですから!」
ちーあのいう通り、今回のベースキャンプの守りはいつも以上に固い。なぜなら周囲を異界化する装置『異界化くんMark1』があるからであった。これを破壊されてしまうと周囲の異界化が解除され、周辺住民への被害が出てしまうからである。更に特殊なバリケードで周囲を保護されたベースキャンプは鉄壁の守りと言えた。
唯一の弱点を挙げるならば、切り立った断崖絶壁が近くにあり、そこからの奇襲を警戒するぐらいではあるが……そんな断崖絶壁を降りられる者などそう簡単に現れるわけもない。ちーあのバリケードは大きな板状のもので間接攻撃に対し高い防御力を誇る仕様の為、近づかれない限りはその防御を崩す事は容易ではなかった。
ちーあは数名のメンバーを九夜山頂上に直接転移で送り込むという大胆な作戦を実行に移すべく、転送装置を起動させる。
「それでは皆さん、イザナ救出作戦開始なので――ふぎゃぁあああ!? なんかでたのですぅう!?」
「グゥアウアアアアアアアアッッ!」
ちーあが転送装置を起動したその瞬間、ベースキャンプを突如として馬に乗った屍兵ヨモツヘグリ達が急襲したのである。
彼らは防御の唯一の弱点である断崖絶壁をなんと馬で駆け下り、ベースキャンプに奇襲をかけてきたのであった。
その先鋒、最も最前線にいる大鎧の男が刀を抜き放つと名乗りを挙げる。
「我こそはイザ那海様の六雷神が一人『ミナモト』! 恐れぬ者あらば、掛かってくるがいいッ!!」
ミナモトに率いられたヨモツヘグリ達はベースキャンプ外で出発の準備を整えていた第二陣の突入メンバー達など、戦闘準備の整っていないその場の者達を急襲、蹂躙し、被害は拡大していく。
「狼狽えるなッ! 防御陣形を維持して後退しろッ! ここは俺が引き受けるッ!!」
被害を受けた者達を逃がす為、果敢に最前線に躍り出たのは
曖浜 鴻であった。
彼は向かってくるヨモツヘグリ達をカウンターの要領で馬上から叩き落し、地面に落ちた敵を踏みつけて息の根を止めている。
多少の傷を受けようとも皆を守る為ならばと彼は奮戦していた。
だが背後から迫る刃に気づかず、反応した時には時すでに遅し。背後から迫る大太刀の刃は彼の背に致命傷を与えるかに思われた。
しかしその刃は素早く間に入った何者かによって弾かれる。
背中合わせに言葉を発したのは
ティオレ・ユリウェイスであった。
「ははっ、鴻だけにいい格好させられないからねぇ! ここは私も混ぜてもらうよッ!」
「あんたか、恩に着るぞ!」
「礼は美味しい酒でいいよっ、鴻のおすすめがイイね」
「それぐらいならお安い御用だッ!」
二人は湧いて出る様に現れ続けるヨモツヘグリ達から皆を守る為、勇敢に挑んでいくのであった。
お初の人もそうでない方もこんにちわ、ウケッキです。
まさかのイザナ救出戦かと思いきや、ベースキャンプへの奇襲です。
ここまでの動きをするのならば敵側であるイザ那海側に戦術に詳しい者がいそうですが……。
ヨモツヘグリの装備、戦術、予測される時代などを考えると……。
このシナリオではろっこんが強力に描写される場合があります。
ティオレ・ユリウェイスさん、曖浜 鴻さんガイド登場ありがとうございます!
勿論、ガイドに関連しないアクションも歓迎です。
概要
◆勝利条件
九夜山の頂上付近、三夜湖辺りにいるイザナの救出
◆敗北条件
時間経過でのイザナの死亡
ちーあの死亡
異界化くんMark1が破壊される
◆場所
昼の九夜山
:昼ではありますがベースキャンプにある装置『異界化くんMark1』によって異界化しており、
付近の住民、山にいる一般人などは存在を認識できず被害は出ない。
またヨモツヘグイ達も異界化した範囲の外に出る事はできなくなっている。
頂上付近の三夜湖にイザナがヨモツヘグリ達に捕らわれているようですが、
頂上に向かうヨモツヘグリとは違う巨大なエネルギー反応があるので注意が必要。
頂上まで向かうルートは全てヨモツヘグリ達が配置されており彼らとの戦闘は容易には避けられない。
なお時間を掛け過ぎると捕縛されているイザナの存在力が無くなってしまい、消滅してしまう為に敗北となる。
◆予測される敵
ヨモツヘグリ
:平安時代の大鎧に似た防具や武器を身に着ける腐った生ける屍。
鎧は朽ちている様に見えるがその頑強さは高く、ちょっとやそっとでは破壊できない程に硬い。
また全員が馬に乗っており、機動力が高く弓まで扱うので注意が必要。
行動や動きは武士のソレであり、並の戦闘力では歯が立たない。
ヨモツヘグイ
:ヨモツヘグリによく似た姿をした生ける屍で、
違いは短い刀しか持っておらず割と軽装で馬に乗っていない点が挙げられる。
単体では非常に弱いがその分、数で押す様な戦い方をしてくるので注意が必要。
なお彼らは『存在力』を狙っており、女性に限り彼らは打ち倒した相手を組み敷き
体にある器官『ヘグイ』で存在力を奪い取る。
奪い取られた女性はしばらくの間は無気力となってしまう。主に巨乳の女性を狙う。
ヨモツヘグイ達はヨモツへグリと違い、存在力を奪わず相手を苦しめるという楽しみの為だけに
ヘグイを用いる場合があるので注意が必要。
なお女性か判断する時に胸しか見ていない為、男性でも支給装備によっては偽装が可能。
六雷神『ミナモト』
:かつてどこかの戦場で無念のまま死亡した武将。
正式名称は不明だが位の高い人物であったらしい。雷神となった際にイザ那海から
雷の太刀『イナビカリ』を拝領しており、それを用いた剣技に注意。
身のこなしは軽く、大鎧を身に着けているとは思えない素早さに注意が必要。
巨大な影
:針状の器官を持った巨大な生物が頂上へ向かっているようだ。
ヨモツヘグリ達と敵対している様で、彼らを薙ぎ倒しながら進行中。
鋼鉄製の針を身体中に生やし鉄壁の防御を誇っている。
また、再生力も高く小さな傷ではすぐに回復してしまう。
火や氷に弱いようなのでそこを突くと効果的かもしれない。
アクション
◆予測されるルート
●ちーあと共にベースキャンプを守る
同行者:ちーあ
危険度:なかなかにアブナイ
:ミナモト率いるヨモツヘグリに襲撃されたベースキャンプを防衛する。
際限なくヨモツヘグリが現れるので持久戦となる。
彼らはベースキャンプの中央に設置された異界化くんMark1を目指して襲ってくる。
バリケードが周囲を囲む様にあり、多少の間は耐えられるが長くは持たない。
また、ミナモトは伏兵を扱う為、予測不可能な位置から増援が現れる場合があるので注意。
●イザナを救出する為に正面から突破する
同行者:イヴァ
危険度:普通
:九夜山に配置されたヨモツヘグリ達に正面から戦いを挑むルート。
騎馬、弓、盾と装備の違うヨモツヘグリ達が待ち構えており、防御は固い。
突破するならば騎馬兵を圧倒できる攻撃力、弓矢の雨を防げる策、密集した盾の壁を突破する衝撃力が必要。
また連携が取れるのならばこのルートを囮として使用する事も。
●イザナ救出の為に転送装置による直接転移で頂上を目指す
同行者:ツクヨ、ナディス
危険度:とてもアブナイ
:ベースキャンプが襲撃されてしまった為、
頂上へ直接転移しようとしていたメンバーはちーあの転移装置が誤作動し
九夜山にランダムで転移、そのまま頂上を目指すルート。
※このルートを選んだ場合、転送不備によりAかB、どちらかに一定確率で配置されますのでご了承ください。
どちらのルートでも最終的に頂上に辿り着きヨモツヘグリの集団、巨大な影との連戦になります。
『転送Aルート』
:九夜山の中腹辺りに転移。周囲のヨモツヘグリ達はまだメンバーに気づいていない。
潜みながら進むか、それとも一体ずつ確実に気付かれる前に仕留めるかは各々の判断次第。
『転送Bルート』
:三夜湖付近の森に転移するが周囲をヨモツヘグリに囲まれている状況下となる。
転移して直後に戦闘となる為に注意が必要。
●囮となる為にヨモツヘグイを引き付ける
危険度:違う意味でアブナイ
:女性を好むヨモツヘグイの特性を利用し、ベースキャンプから遠ざけようとするルート。
大量のヨモツヘグイに追跡されるので森の中での逃げ方にも注意が必要。
一度捕まれば『違う意味』で身の安全は保障できない。
NPC・支給装備
◆登場人物
ちーあ
:異世界に皆様を飛ばす際、いろいろ問題を引き起こす張本人。
技術その他もろもろ、色んな所があと一歩足りなく、未熟。でも笑顔でカバー。
モンスターに引っかかって連れ去れたり、不意に崖から落ちたりなどはもう既に日常茶飯事。
その姿は幼く、絶壁ロリ少女である。物事に対して一生懸命に取り組むがんばり屋。
実はデータで構成される生命体なのでネットに入り込むことができる。
ここ最近はネットサーフィンで寝子島の皆を見ているが稀に出くわすアダルトなサイトには赤面して逃げている。
ツクヨ
:とある組織に所属していた金髪紅眼の悪魔の女性。巨乳。ないすばでー。
人を殺す事に何の罪悪感も抱いておらず、寧ろ楽しみを覚える性格の戦闘狂。
どうやら悩みは吹っ飛んだ模様で絶好調。
研究施設に関する記憶は一部覚えているがほぼ忘れているらしい。
イヴァ
:ツクヨやイザナが所属する組織の副司令官だった悪魔の少女。
顔は幼いが、身体はなかなかに育っておりその色気で知らずに相手を誘惑してしまう事も。
人間の心の暖かさに触れ、ちーあや召喚者達の数回に及ぶ説得の末、組織から離反し仲間となった。
おかん気質であり、ちーあ達の頼れる保護者的な存在で唯一の『安全』な家庭料理作成者。
戦闘では大鎌を高速で振り回し近寄る事さえ許さない強靭な戦士となる。
ナディス
:異世界『マシナリア』出身の勇者見習いの少女。召喚者達と触れ合い、
勇者とは何かを学び日々修行に励んでいる。
現在、寝子島のローカルヒーローに憧れを抱いている模様。
女の子らしく振る舞えない事を若干気にしている僕っ子。
最近、師匠の影響もあり戦闘スタイルを格闘戦主体に寄せた為、魔力を乗せた格闘を練習中。
回復魔法はやっぱり苦手。
イザナ
:ツクヨと同じ組織に所属していた黒髪の悪魔の少女。
両腕が黒い大きな異形の腕であり、そこから雷の剣を出現させたり雷をレーザー状に放って戦う雷の戦士。
なお、普通サイズの腕に変化も可能。素直になれない性格だが根は優しい。
基本的に面倒くさがりで何も事件がない時はお菓子を食べてゲームしてゴロゴロしている。
今回は捕縛されている為、救出対象となる。
本来は存在力を奪われてもしばらく無気力となるだけだが何らかの理由で半身状態であり、
魂も半分の為に存在力が尽きると消滅してしまう危険な状態にある。
◆ちーあの支給装備
試験槍カグツチ2型
:入手したロストワードの力を応用する試験装備。普段は炎を吹き出す超高温の槍だが、
試作型ロストワード『迦具』を起動すると体に赤いラインが走り一時的に全能力が上がる。
だが所詮は試験型、ロストワードの効果は1分しか続かず、反動で使用後は身動きが取れなくなる程疲労する。
試作太刀ムラクモ
:ロストワードの常用を視野に入れた試作型の太刀。見た目は平安時代の太刀に似ている。
ロストワード『叢雲』の効力を弱め、常時発動状態であり使用者の精神力を常に奪い続ける。
その分、身体能力の上昇率が高く使い手は選ぶが完成形に近いロストワード兵器。
試作杖ツクヨミ4型
:ロストワード『黄泉』を用いた長杖。使用者の精神力を消費し、周囲の仲間を回復できる。
効果が高く範囲が広い分精神力の消費が大きく、一回使用するだけでも動けない程の疲労感を受ける。
無理をすれば二度の発動が可能だがその場合、使用者はほぼ確実に気絶する。
でかぱい偽装タブレット
:飲むと身体能力の向上と巨乳化するシロモノ。なんと男性も『巨乳化』する。
効果は2分ほどであり、これでも立派な試作型ロストワード兵器。
副作用として使用した後は強烈に胸が痛む。立っていられない程に。
なお胸はツクヨの胸を基準データとして用いているらしい。