●どうしてこうなった
「どうしてって、赤点取ったからに決まってんでしょ――?」
2年7組の教室。
追試を受けるため集められた者達に、
富士山 権蔵……じゃなくて、フジコ先生がおっしゃった。
ここは今、追試会場となっている。
「な ま ぬ る い !!
これは自分の夢を勝ち取るためのステップよ。
欲しいものを手に入れるために、この程度の障害、なんてことはないでしょう?
目標を高く持ちなさい! もっとあなた達の、全力を見せて頂戴!」
よく通る声が響き、フジコちゃんはバシバシとたくましい胸板を叩く。
「……必死で抗う様をね……」
一転、恍惚とした表情で何か言ったのなんか、聞こえない。
聞こえなかった!
ていうか、フジコちゃん演劇担当だよね!? なんでここにいんの?
「そうね、決めたわ。
今度赤取ったら一番ヒドかった人に、あたしの作った犬小屋に入ってもらうの。
今度の創立記念日でやる劇で、犬役が欲しかったのよね」
ねっとりと舐めるように、フジコちゃんはこちらに視線を向けてくる。
「とはいえ、犬も大事な役よ。生半可な気持ちで、やってもらいたくはないわ。
犬としての美意識と……忍耐力が必要ね……」
フジコちゃんが赤い舌で、唇をチロリとなめた。
な、何を……何を考えているんだ、フジコちゃ――ん!!?
ああ、神様助けて! と、叫びたい。
しかし時折、答案用紙に正解書けない、おバカ系の神様が運頼みで鉛筆転がす音がカラコロと響いて、そのたびに現実に引き戻された。
カラーン……!
野々 ののこの机から、鉛筆が床に転がり落ちた。
慌てて手を伸ばす、ののこ。
鉛筆に指が掛かる直前、黒のメンズバレエシューズが鉛筆を踏みつけた。
「大体、あなた達は集中力が足りないの!
集中してれば、どんな妨害を受けても、ちゃんと点数が取れるはずよ」
そうしておもむろに、ののこの鉛筆を拾い上げると、至近距離から首筋にふぅっと息を吹きかけた。
「ねぇ、……野々ちゃん?」
ののこが震え上がったのは、言うまでもない。
嘆いている場合じゃない。
この追試という壁は、自分の力で超えるしかないのだ……!
メシータです。
ここまで神魂の影響で、まともに点を稼げず、残念ながらテストで赤点を取ってしまった皆さんのために、神魂が関係ない普通の追試を準備してみました。
挽回のチャンスです。
頑張って赤を脱して、フジコちゃんの陰謀を逃れましょう。
ろっこんで正解を探る? ここに居る人は、全員赤ですしフジコちゃんの頭はサディスティックな妄想で一杯ですよ。
*尚、追試は赤を取った教科のみを行うため、各人どの教科の追試を受けるのか(複数ある人は赤だった教科の全て)アクションにお書きください。追試が終わった人から帰れます*
追試結果はアクション内容に、メシータがサイコロ振って出た目で補正をかけますので(運要素)、追試にあたって努力したセールスポイントがあれば、是非アクションへご記入を!
リアクションの最後で、ワースト3の発表をしますよ~。
(PCの頭の良し悪しは考慮に入れませんので、ご注意くださいませ)
フジコちゃんは愛ある教師として、全ての生徒に公平に接しています。つまり全員が妨害を受けます。耐え抜くためには、対策が必須です。
■予測されるフジコちゃんの妨害例
・フジコちゃんの甘い息
・フジコちゃんの絡みつく視線
・顔に犬メイクをされ、手鏡を見せられる
・校長室で飼われている生後4ヶ月の猫と、目の前でキャッキャウフフ
・フジコちゃんの熱演
●登場NPC
・野々 ののこ
言わずと知れた、おバカ神様。追試を受けています。
犬役の本命ですが、運が微笑めばどうなるかわかりません。
・富士山 権蔵(フジコ)
演劇担当の教師。追試会場を仕切っています。
追試を受ける皆さんに、様々な妨害を仕掛けてきます。
ズルなんてしようものなら(しなくても)、何をされるかわかりませんよ?
強い心で、跳ね除けてください。
それでは、楽しい(?)追試タイム、はっじまるよ~!
【追記】
追試を受けていただくシナリオのため、他の行動は推奨されませんが、
応援や冷やかし、先生の手伝いなど、赤点をとっていない生徒の参加も可能です。