星幽塔第一階層、サジタリオ城下に佇むBarアストラル。今日もスリルと報酬を求め、冒険者たちが集う。
その中には、
滝原 カノンと
滝原 レオンの兄弟の姿もあった。
「……お願いだ、助けておくれよ!」
ふたりの耳に悲痛な声が届いたのは、ちょうど歯ごたえある依頼を探してクエストボードを眺めていたところだ。
「にーちゃん、なんだろう?」
「モメごとか……?」
近づいてみると、興味深げな客たちの作る輪の中心にいたのは、一人の可憐な少女だった。フードのついた、素朴だが美しい白と青の民族衣装を身に纏っている。
年の頃は14といったところだろうか。長く伸ばした黒髪と、つぶらな青い瞳が印象的だ。
少女は冒険者らへ、必死の形相で訴えかける。
「私は、黒金(くろがね)! ねえ、誰か、姉様の白金(しろがね)を助けておくれよ! 姉様は、姉様は……氷の巨人にさらわれちまったんだ!」
「氷の巨人? モンスターか?」
「つよいのかなー?」
レオンとカノンが首をひねっていると、いささか柄の悪い冒険者のひとりが、赤ら顔で揶揄するように言った。
「第十一階層の、
『氷の巨人ヨートゥン』だろう? 巨大な氷結迷宮に住まう、巨人の一族。人間の数倍のデカさからくる豪腕に頑強さ、吐く息は絶対零度って噂だ。知能も高い、ドラゴンすら狩りで仕留めちまう化け物だぜ? そんなもんに手を出す冒険者は、よっぽどのモノ好きか命知らずか、それとも……」
男がふとレオンとカノンを見つけて、はっと息を呑んだ。
ネコジマという場所から来た類稀な冒険者たちの噂は、今やサジタリオ中に広がっている。ふたりを見て、見も知らぬ酔客たちが期待の目を向けてくるのが分かった。
黒金と名乗った少女もまた兄弟へ目を留めると、大股に人々の間を横切り、目の前までやってきた。
青い瞳がふたりを見上げて、すがるように言った。
「氷の巨人は10年ごとに、満月の日に祭りをするんだ。酒を飲んで騒いで、最後にさらってきた人間を族長が食べる……そういう儀式なんだ。満月は明日の夜だ、姉様が食べられちまうよ! お願いだ、白金姉様を助けておくれよ……!」
「仕方ねーな。俺らの……」
「出番かな?」
こんにちは、よろしくお願いします!
滝原 カノンさん、滝原 レオンさん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
常に深い雪に覆われた、第十一階層が舞台となります。
Barアストラルへ助けを求めてきた少女「黒金」によると、彼女の大切な姉「白金」が、
「氷の巨人ヨートゥン」という怪物にさらわれてしまったとのこと。
巨人の一族は次の満月の夜に祭りを催し、その最後には、
さらってきた人間を生贄として食べてしまうのだとか。
依頼を果たせば、報酬として、第十一階層で採れる決して溶けない氷「久遠の氷晶」を加工した、
美しいアクセサリーを分けてもらえるそうです。
広大な氷の迷宮を踏破し、巨人の手から生贄の少女を救い出してください!
アクション
今回は、多数の強敵が徘徊するダンジョンへと潜入し、目的を果たさなければなりません。
隠密行動や、敵の気を引く陽動、ここぞという場面ではバトルも辞さないという覚悟が必要になるでしょう。
なお今回は、第十一階層のアステリズムは登場しません。
<氷の巨人ヨートゥン>
身長は3メートル~5メートル。
非常に頑強な肉体ととてつもない怪力を持ちますが、
反面、巨体だけに動きは鈍重なようです。
肌は青く、髪は真っ白で、全身に常に冷気を帯びています。
知能が高く、斧や槍、弓矢などの武器を扱うほか、
氷の息を吐いて獲物を凍らせてしまうこともあります。
ただ、人間と意思の疎通が図れるほどに賢いわけではないようです。
ヨートゥン族は社会性があり、氷の渓谷の下にある深い洞窟で、
およそ13~4体程度の集団生活を営んでいます。
階級の高い者ほど身体が大きく、立派な髭を生やして、多数の装飾品を身に着けています。
日の光を嫌うので、めったに洞窟の中からは出てきません。
時折、夜に外へ出て、この階層に住む巨大な生物(竜など)を狩り、食糧としているようです。
1~2体程度なら、戦って打ち倒すこともできるかもしれません。
ただそれ以上の数が集まってしまうと、戦局は非常に困難となります。
<氷結洞窟について>
洞窟の入り口までは、黒金が案内してくれます。
洞窟内は入り組んでおり広大で、また高低差も非常に大きくなっています。
内部はアリの巣のような構造になっており、通路といくつもの部屋によって構成されています。
部屋には巨人たちの使う道具や家具などが雑然と置かれており、隠れる場所や遮蔽物として使えるでしょう。
最奥の部屋には、ヨートゥンの族長が鎮座しており、
生贄は天井から吊るした鳥籠のような檻に囚われています。
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!