時は寝子暦137X年。
世界は、スパゲッティナポリタンの炎に包まれた。
☆
ついにスパゲッティの世界侵略が始まった。
スパゲッティに襲われたものはおよそ6時間でスパゲッティになる――いわゆる『パスタ化』である。
パスタ化した人間は記憶を失い、パスタ人(じん)としてスパゲッティの大総統たる『ナポリターナ・スパゲッティーノ』の忠実な僕となるのだ。
人類や動物を襲い仲間を増やし、次々と主要国を落としていくスパゲッティ軍。
地球人類の90%以上がパスタ化した今、最後の希望がこの寝子島であった。
通常の科学では対抗しきれないスパゲッティ軍が寝子島を落としきれない理由。
それは『ろっこん』である!
そもそも異常事態に慣れきっている寝子島の島民たちはスパゲッティ軍に対して各地でゲリラ戦を行い、これを退けていた。
しかし圧倒的多数を以ってしても攻略できない寝子島に業を煮やしたスパゲッティ軍は、ついに最終兵器の使用に踏み切った。
それこそが広範囲巨大戦略最終兵器『パスターX(エックス)』である。
寝子島近海に建設されたこの巨大砲台から『パスタ光線』が発射されれば、寝子島はその住民ごとスパゲッティにされてしまうだろう。
君たちは今夜、夜明けまでにスパゲッティ軍の要塞に乗り込んで、敵の大総統『ナポリターナ・スパゲッティーノ』を倒し『パスターX』の発射を止めなければならない。
さあ、今こそ立ちあがれ、寝子島の戦士たちよ!!
☆
『えーとですね。今回のクエストはナンセンスコメディバトルです。
一般人を巻き込むのはよくないと指摘されましたが、危機感がないとやはりそれは面白くないと思います。
ですから襲われても安心にしました。死にません、スパゲッティになるだけです。
クリアすれば全部元通りです、問題ありません。スクロールは使用制限回数以内でお使いください。
では、頑張ってください』
と、あくまで脳天気に事の元凶である10歳児、『遊びと名づけられた物語』――『ブック』は言い放った。
みなさんこんにちは、まるよしと申します。
今回のシナリオは『幻想遊戯~デュラハンの夜~』の続きとなります。
前作を参照しなくても楽しむことができますが、ガイドだけでも読んでいただけると、雰囲気を掴みやすいと思います。
また、『もれいび』PC以外の『ひと・ほしびと』PCも問題なく楽しめると思いますので、こだわらずご参加ください。
以下は、今回のシナリオの注意点になります。長いですが、参加の前にぜひお読みください。
◆世界は切り離されています
この騒動は、冒頭のシーンの前にテオによって切り離された世界で起こっていますので、事件を解決すれば元通りなのは間違いありません。
しかし万が一、寝子島全体がパスタ化されてしまったとすると、何らかの悪影響が出るかもしれませんので、注意が必要です。
◆『ブック』とは
そもそもこの事件は、(今のところ)謎の存在である『遊びと名づけられた物語』がしかけた遊びです。前回のシナリオで『ブック』と名乗りましたが、名前についてさほどのこだわりはなさそうです。金髪碧眼で、美しい10歳ほどの子供の外見です。
◆パスタ人について
3流ホラーのノリで始まった今回のシナリオですが、ゾンビ映画のゾンビみたいなものだと思ってください。
パスタ人は長い数百本のスパゲッティが絡み合って人間の形をとっているクリーチャーです。基本的な戦闘能力は人間と変わりありませんが、言語能力はほぼ無し、戦闘行為に関してはある程度理性が働きますが、あまり頭はよくありません。感情のようなものはあるようですが、基本的にはパスタ兵として無機質に要塞を守ったり、人々を襲ったりしています。
剣や銃で武装していますが、格闘戦になると手足のスパゲッティがほどけ、無数の触手のようなものになり絡み付いてくるので、厄介です。
◆ナポリターナ・スパゲッティーノ大総統について
パスタ軍のボスです。身長3mほどの軍服姿の巨大なパスタ人で、理性と知性があり、高い戦闘能力があります。特に攻撃を受けるとパスタ化が始まってしまう片手半剣『パスタードソード』と遠距離からでもパスタ光線を撃ってくる『パスターライフル』で武装した、厄介な相手です。要塞の最奥にて、皆さんの挑戦を待ち構えています。
他にも通常のパスタ兵よりも強い幹部パスタ兵がいるようで、『ペペロンチーノ』『ボンゴレ』『カルボナーラ』『ジェノベーゼ』などがいるようです。
◆パスタ化について
パスタ兵に襲われて傷を受けると、そこから『パスタ化』が始まり、6時間程度で完全なパスタ人になってしまいます。完全にパスタ化する前には、体の一部がスパゲッティに変化していき、その間はパスタ人の能力(触手的なもの)を使うことができますが、危険を伴う行為と言えるでしょう。現在の科学ではパスタ化を防ぐことはできませんが、アクションで色々と試してみることは可能です。
◆要塞とパスターX、タイムリミットは夜明けまで
寝子島近海に浮かぶ人工島を建設し、パスタ軍はそこに要塞を建てました。その中心に位置するのが広範囲巨大戦略最終兵器『パスターX』です。
夜明けと共にこの巨大砲台から『パスタ光線』が発射され、寝子島とそこにいる住民たちは全員パスタ化される運命です。なんとしても阻止してください。
要塞の外観はどう見ても『海上に浮かぶ山盛りスパゲッティナポリタンの上にフォークが浮いている食品サンプル』です。硬いパスタでできていて、中は通常の建造物のように歩くことが出来ます。どうにかして潜入してください。
◆スクロールについて
『ひと・ほしびと』も『遊びやすいように』、ブックが『スクロール』を用意しました。
ひとりに一つ巻物が付与され、この中には数種類の魔術が記されています。各人、使用回数制限の回数だけ、魔術を使うことができます。
使用回数は『コメントページで最初にコメントをした時のダイス目の合計+1』つまり3~13回です。コメントをしなかった場合でも、3回は使うことができます。使い切ったスクロールは自然に消滅します。
前回に参加された方は微妙にルールが違うので気をつけて下さい。他人にスクロールを丸ごと譲渡することはできますが、細かく回数を分けることはできません。使い切らなくても問題ありません。
◆使用できる魔術
『魔術』はブックが用意した遊びの基本ルールとして存在するものなので、今回のクエストを攻略するのに必ずしも役立つとは限りません。ろっこんとの組み合わせや強化に使うこともできますので、工夫してみてください。
前回と同じ名前の魔術が登場しますが、詳細が違うものがありますので、ご注意ください。
・マジックミサイル……必ず命中する魔法の矢を1発放ちます。通常のパスタ兵であれば一撃で撃退できるでしょう。
・ロック/アンロック……鍵のついているものに強力な鍵をかけます。アンロックで外すことができます。アンロックで外さない限り、1時間程度、鍵を開けることはできません。
・ジェネレイトウォーター……2ガロン(約3.8リットル)の飲める水を作り出します。
・ジェネレイトファイア……燃やすものがなくても燃え続ける炎の塊を作り出します。10分程度持続できます。
・ライト/ダークネス……物体に松明のような灯りを付与する、または光を遮る闇を付与します。互いに相殺します。効果範囲は半径20フィート(約6m)。
・ラージ/スモール……物体や人物を120秒間、2倍の大きさにする、または2分の1にする。意識のある相手が抵抗の意思を示した場合には成功しません。
・ディテクトマジック……パスタ兵、もれいび、スクロールのありかを何となく感知することができます。感知範囲は60フィート(約18m)です。多数の対象が集まっていると、正確に感知することができません。この魔術はスクロールを持っているなら、使用回数を減らすことなく使うことができます。
これらの魔術は一部の優秀なパスタ兵も使うことがあります。ディテクトマジックは全てのパスタ兵に標準装備されています。
◆NPCについて
私立探偵 天利 二十(あまり にとお)については、マスターページをご参照ください。
特にアクションがかからなかった場合は、リアクションには登場しません。登場したとしても、ぎっくり腰でまともに動けないでいます。
そのほかのNPCは今回リアクションに登場できません、ご了承ください。
◆アクションについての目安
アクションをかける際、PCの台詞や心情を交えて下さると、キャラクターの雰囲気を掴みやすいです。
そのPCが何をしたいのか、そのために何をするのか、という目的と手段をはっきりさせるとGMとしても行動を取らせやすく、その目的を叶えやすくなります(あくまでも目安、ですが)。
それでは、皆様の楽しいアクションをお待ちしています。よろしくお願いいたします。