ある時を境に寝子島や星幽塔にて、ある噂が囁かれることとなった。
それは悪魔の少女が現れて彼女に魂を連れて行かれた者は忽然と姿を消してしまうという噂である。
だが誰もその噂の真意は知らない。
ただ、星幽塔では現に名も知らぬ荒くれ者や村人が忽然と行方不明となるということが起きていた。
それを受け、異界の少女『ちーあ』は持ち前の探査能力と寝子島や星幽塔から人々を召喚する能力を用いて事態の解決に乗り出したのである。
「――ということで! 解決の為のさくせんほんぶっを作ったのですよ! 困っているみなさんを助けるのですっ!」
元気よく指揮棒をもってホワイトボードをぱしぱしと叩く水色髪の少女はちーあ。
彼女が今いるのは会議室を模したちーあの作った部屋である。
ちーあは元となるデータをベースにそれを改良し色々なものを作りだす能力を持っている。
事態の究明と解決の為、自らの異界に設置したこの会議室に事態を解決してくれる勇士を寝子島や星幽塔から呼んだのであった。
その『さくせんほんぶ』にはちーあの呼び声に答えた者達が椅子に座って彼女の話を聞いている。
ちーあは本来、寝子島や星幽塔とは違う世界の住人だがえらくが二つの世界が気に入ったらしく度々訪れているようで、今回はたまたま星幽塔に遊びに来た所、みんなが困っていたので助けようとした、ということらしい。
「あの……具体的な作戦は決まっているんですか? 敵の予測とかは?」
張り切るちーあに冷静に聞いたのは
常闇 月であった。彼女はこの場に集められた者達同様、ちーあから連絡を受けて呼び出された者の一人である。
「はい、いい質問っ! 月ちゃんっ! 今回の敵は前にも遭遇したダストに違いないのです! 事件があった夜、彼女の転移反応を探知したのですよ。座標を逆算して隠れ場所も探知済みなのですよー、えっへん!」
ない胸を思いっきり張ってちーあはどや顔でふんぞり返った。薄布が透けて衣服の下の肌がうっすらと見えるがそこにセクシーさはない。
ダスト……それは以前ちーあの仲間にツクヨをさらい、召喚者達の前に立ちはだかった悪魔の様な少女である。悪魔のような、というだけで彼女は何なのかというのは実はよくわかっていない。ただ確実なのは『人の魂、生気』を食料とする、という事とこちらに敵意がある、ということである。
「よっしゃ! それなら乗り込んでダストをぶっ潰せば万事解決だぜ!」
そう意気込むのは
風雲児 轟――もとい、バーニングソウル・オブ・ネコジマヒーロー『ザ・ストレイト』であった。
白いスーツに身を包んだ彼はちーあの頭をわしゃわしゃと撫でる。
「俺達に任せとけば大丈夫だぜっ!」
「あうー、まだ説明するのでわしゃわしゃはやめるのですよぅーっ」
轟の撫で繰り回しから解放されたちーあはホワイトボードをくるりと回転させ、作戦説明を始めた。
「既にダストもこちらが乗り込んでくるのは気づいているようなのです。異空間をスキャンした所、大規模な敵達が待ち構えてるようなのですよ。詳細は手元の資料を見るのですっ!」
ホワイトボードにはスキャンした画像と思わしき地図が貼られていた。
地図の中央には大きな広場のような空間があり、そこには赤い点が無数に表示されている。
その空間以外の場所は廃墟だがほとんどが崩れているようで瓦礫で埋もれていた。
広場の奥には丸がしてあり、そこには大きく『ダスト』と書かれている。
「この広場の方で大規模部隊による陽動を行い……精鋭部隊による奇襲で大将のダストをどかーんと倒せば、残りの敵は消えてなくなる……ということなのですっ!」
ちーあの探査によれば、ダスト以外の敵の原動力はダストの魔力とのことで、彼女を撃破さえすればエネルギーがなくなり消滅するということだった。
椅子に座り冷静に状況を分析していた
八神 修は立ち上がるとちーあの頭を撫でる。
「よくそこまで考えが至ったな。えらいぞ」
なでなでと頭を撫でる八神の手をむず痒そうに制止しながらちーあは言った。
「あうあうっ! だからなでなでもやめるのですよぅーっ」
何度手をどかしても小動物を撫でるように撫で回す八神に観念し、ちーあは撫でられたままその場の全員に言葉を放つ。
「よし、みなさん! 敵の数は多いです……ですが、策をしっかりと練れば勝機は必ずあるはずなのですよっ。気を引き締めていくのですっ!」
ちーあの言葉にその場の全員は気を引き締め、来る戦闘へと備えた。
◆
その頃、異空間のちーあ達が侵入するポイントで待つ金髪のないすばでーが一人。
赤い目でかなり先に見える敵の大群をみて少女……ツクヨは笑う。
彼女はちーあの仲間で主に戦闘全般を得意としているメンバーである。
「あひゃはっ! いーっぱいいますねぇ! これは殺し放題じゃないですかぁ!」
「ツクヨ、ちゃんとみんなと足並み合わせて。一人で突っ込むなって事」
気だるそうにツクヨへと注意するのは黒髪ツインテールの貧乳少女イザナであった。
彼女もツクヨ同様ちーあの仲間であり、めんどくさい事が嫌いな性格だが一度戦闘となると雷を操る高い戦闘能力と冷静な判断力を持つ頼れるメンバーである。
彼女はやる気の高いツクヨとは対照的に溜め息交じりでずいぶんと気だるそうにしている。それはやはりまだ戦闘が始まっていないからなのかもしれない。
「わかってますよぉ、ちゃんとイザナの分も残してあげますからぁ」
「そういうことじゃないっての……ったく、戦闘狂ぼいんめ」
そんな二人のやり取りを眺めながら、ちーあの座標探知用の機械を設置しているのは髪をサイドテールにした少女、イヴァであった。
彼女もちーあの頼れる仲間でメンバー4人の中では一番の常識人でありみんなのまとめ役であった。ちなみに程よい美乳である。
じゃれあうような言葉を交わし続けるイザナとツクヨの二人のやり取りをやれやれといった感じで見ながらもてきぱきと用意を進めていく。
「これでよしっと。ちーあちゃん、ちゃんと説明できたでしょうか……まあ、みんなもいるから平気ですよね、きっと」
◆
大量の敵がひしめく大きな広場の最奥、瓦礫とは思えないほどに整えられた一画に彼女はいた。
「ほぅら、出ちゃいますヨォ? あはは、我慢できませんからァ?」
「や、やめて……いや、助け……あっぁぁあああああっぁぁああああぁぁぁッ!」
吊るされた少女へ噛み付くとダストは『何か』を一気に吸い上げていく。
ごくごくとダストの喉がなる度に、少女は激しく痙攣し身体をがくがくと震わせた。
手足は完全に伸びきっており、胸部分の薄い衣服が少し隆起し彼女の服に影を落とした。だらしなく舌を突き出し、涎も涙も一緒くたに流れている。
次第に少女の色が薄くなっていき、彼女はみるも無残な干からびたミイラの姿へと変貌していく。
「あぁ、あ、あ、アァァァアアアアーー……」
「はぁーい。ごちそうさまでしたぁ。新鮮な魂は味が違いますねぇ」
ダストは彼女を吊るした状態から解放すると広部の方へ向かう様に背を押して促す。
すると干からびたミイラはゆっくりとした足取りで骨と皮だけとなった足を引きずりながら広場の方へと向かっていった。
簡素なベッドに寝転ぶとダストは後方に設置してある大きなビンを見る。
家ほどもある巨大なビンはこれまた巨大なコルク栓でしっかりと封がされ、その中では星幽塔から集められた、色の若干薄い人間達――魂状態の人間がもがいている。
「あの子達が来るのが遅かったらぁ、もう何人か食べちゃおうかなぁ」
お初の人もそうでない人もこんにちわっ! ウケッキです。
今回は異空間に囚われた人間達の魂を救出する為に、ダストを討伐するのが目的です。
以前公開していた私のシリーズ『マシナリア』とは関係ない新規シナリオ『Fifth・girl』シリーズの初シナリオとなります。
以下に記された情報は事前に知っているという事でもいいですし、知らないでいきなりというのもOKです。
※このシナリオではろっこんが強力に描写される場合があります。
それではご参加をお待ちしておりますっ!
●場所について
・広い広場の様な空間
高い瓦礫の壁に周辺を囲まれた巨大な広場です。
足元は土で構成されているらしく、細かな砂利が混ざっています。
広場自体に障害物の類はなく、大量の干からびたミイラ達が蠢いています。
干からびたミイラは人間の魂の慣れの果てですが彼らを救う方法はありません。
せめて倒して魂を開放し成仏させるのが最善でしょう。
なお、この広場は直線距離で数キロあるようでミイラを避けて強行突破するのは不可能と思われます。
最奥にはダストが陣取る簡易拠点があり、人間の魂を内包した巨大なビンが設置されています。
・瓦礫に埋もれた廃墟
以前は何かの施設であった可能性がある廃墟です。
かなり崩壊が進んでおり、どこが崩れるかわからない危険な場所です。
僅かに敵の反応がありますがどこにいるかは瓦礫が多く、判別ができません。
ここを進む場合は突如として敵が出現する可能性がありますので注意が必要です。
また、大型の『何か』の反応が確認されたようです。
●進行ルート
※あくまで例ですのでこれ以外の参加方法もお待ちしております。
◆広場で陽動部隊として戦う
広場に位置する大量の干からびたミイラ達と戦います。彼らは倒しきれない程に数が多いので、このルートでは長期戦を覚悟してください。
陽動として派手に戦うことが求められるので、敵の注目を引く工夫が必要です。
大挙して押し寄せる武装したミイラをどう捌くかが重要となりますので、何かしらの対策をしないと数を頼りに押し切られてしまうでしょう。
なお、彼らミイラ達は光る物、激しく音を出す物に強く引き寄せられる傾向があるようです。
・スタート地点:異空間の入り口
<同行する仲間>
・ツクヨ
・イザナ
<出現する敵>
・剣と盾を装備したミイラ
・大斧を装備したミイラ
◆瓦礫に埋もれた廃墟を進む
瓦礫に埋もれた廃墟を進みます。このルートは狭いので敵に見つからないのが重要となります。
見つかった場合、速やかに倒さないとミイラは叫んでしまい仲間のミイラを呼びます。
敵に見つかれば見つかるほど進行速度はダウンし、陽動部隊の負担が大きくなってしまいますので注意が必要です。
ミイラ以外に憑依型の幽霊が徘徊していますので憑依されないようにお気を付けを。
憑依された場合、欲望が加速しアブナイ展開になる可能性があります。
また、このルートであまり戦闘音や爆発音を立ててしまうとこの場所に潜む巨大な『何か』が目を覚まし襲ってくる場合があります。
・スタート地点:瓦礫の廃墟
<同行する仲間>
・ちーあ
・イヴァ
<出現する敵>
・干からびたミイラ
・憑依・淫幽霊
・巨大な『何か』
・最奥まで辿り着くとダスト
●登場人物紹介
●ちーあ
:異世界に皆様を飛ばす際、いろいろ問題を引き起こす張本人。
技術その他もろもろ、色んな所があと一歩足りなく、未熟。でも笑顔でカバー。
モンスターに引っかかって連れ去れたり、不意に崖から落ちたりなどはもう既に日常茶飯事。
その姿は幼く、絶壁ロリ少女である。
物事に対して一生懸命に取り組むがんばり屋。
ブラ? する程な……(血痕で汚れておりこれ以上は読むことができない)
●ツクヨ
:とある組織に所属していた金髪紅眼の悪魔の少女。巨乳。
人を殺す事に何の罪悪感も抱いておらず、寧ろ楽しみを覚える性格。
しかし組織の為に無為に人を殺す生活に何かしらの違和感を感じていたらしく、自分自身の
本当にやりたいことを探す為に動き出しちーあや召喚者達と出会い、仲間になった。
戦闘方法は自分の血を武器へと変じさせ自在に操って距離に関係なく戦うオールラウンダー。
攻撃魔法の心得もあるらしい。
なお、からかいやいじわるといった悪戯が好きな模様。
ブラはサイズの合ったものをきちんとつける派。
●イザナ
:ツクヨと同じ組織に所属していた黒髪の悪魔の少女。
両腕が黒い大きな異形の腕であり、そこから雷の剣を出現させたり
雷をレーザー状に放って戦う雷の戦士。
素直になれない性格だが根は優しい。
基本的に面倒くさがりな性格で、何も事件がない時はお菓子を食べてゲームしてゴロゴロしている。
過去、出会った少女を人間のせいで失い、人間への復讐を誓っていたが
召喚された寝子島の者達と触れ合い復讐心は変化を見せ、誰かを守りたい、二度と悲劇は
起こさせないという強い想いへと昇華した。
ブラの存在を知り興味はある模様だがするほどあるかはここでは言及しない。
●イヴァ
:ツクヨやイザナが所属する組織の副司令官だった悪魔の少女。
顔は幼いが、身体はなかなかに育っておりその色気で知らずに相手を誘惑してしまう事も。
人間の心の暖かさに触れ、ちーあや召喚者達の数回に及ぶ説得の末、組織から離反し仲間となった。
寝子島の話を聞いてから興味が湧いた模様でどうにか移住できないかと考えている毎日。
戦闘時は刃は大きめで先端に槍、刃の反対側には斧を配置した大鎌を振るって戦う。
その武器の大きさに似合わず腕が見えなくなるほどの高速戦闘を行う。
なお、ブラはスポーツブラ派ではあるが程よい美乳な為にやはり自覚無しで異性の目を奪うことに。
●ダスト
:どこから現れたのか、何が目的なのか、その一切が謎に包まれている少女。
悪魔のような姿をしてはいるが悪魔ではないらしい。
かなり露出の高い服装をしてはいるが、ちっぱいでありその筋の方には人気が出るかもしれない。
人の魂や生気を糧として無作為に人を襲う。その際、魅惑的な言葉で相手を誘惑することも。
彼女は厄介な能力として『触れた相手の生気を奪う』『一度見た相手の攻撃をコピーし覚える』というものを
持っている為、戦えば戦うほどに強くなる存在である。
身体つきは違うものの、言葉遣い、顔つき、相手を虐めたがる性格などがツクヨに
似ている為に何らかの関係性はあるようだが……現状では不明のままである。
●ちーあの支給品
※支給品は一つだけ選べます。
・クリスタルぶれいど
水晶で出来た綺麗で硬い長剣です。長さに似合わず重さがほとんどない為、力がない方でも軽々と振り回せます。
例の如く、柄部分にボタンがありますがここを押す事で銃モードに変形しエネルギー弾による射撃攻撃が可能です。
弾薬は生命エネルギーを使うので体力の消耗に注意してください。
・おっぱいミサイル
巨乳専用のおっぱいミサイルです。胸に装着し二連装のミサイルを発射します。
爆破範囲は数メートル程で多くの敵を巻き込めば炎の海へと沈めることができます。
なお、此方は女性専用装備となっており胸が大きい程に威力が増します。
弾薬は自動で生成されるので弾切れはありませんが生成する際に体力を大幅に消耗します。再装填は15秒です。
・ちっぱいミサイル
貧乳専用のおっぱいミサイルです。胸に装着し二連装の散弾型小型ミサイルを放射します。
ミサイルは発射後、敵に接近すると小型のミサイルに分裂し広範囲に小爆発を与えます。
なお、こちらは男性も女性も関係なく装備が可能です。
強力な装備ですが体力の消耗がない代わりに弾薬の生成は遅く、再装填に30秒ほど掛かります。
・あさるとナッコウ
両手に装備する一対型の銀製の篭手です。
装備することで格闘能力が上昇し、素手で岩をも割ることができるようになります。
音声認識が装着されており『あさるとナッコウ!』と力強く叫ぶ事で装甲が展開され、一度だけ高火力の一撃を放つことができます。ナックルではなくナッコウ、これが大事です。
放った後は例の如く爆発しますのでお気を付けください。