放課後の一時。
学生達が使う中庭に面した食堂内部には、二人の生徒の姿があった。
「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
勢いよく、目の前に用意された食事に齧り付く
茨姓 歩を余所に、
屍 骸は歩が受け取った一枚の指令書を手に取る。
「あー……こりゃ、帝王の無茶振りだよなぁ……」
一つ、ため息をつきながら、骸はそんな言葉を漏らす。
「かばね先輩どのォオ~ あゆむが うげた じれいで ありまず! いっしょに かんがえで――ハフ!」
「とりあえず、喋るか食べるかのどっちかにしたほうがいいぞ、茨姓後輩」
元は歩が受けた指令――
岩国 ソワカの直筆で書かれたこの紙を手に、骸は返事を返し、そのまま目を通していく。
食による寝高征服作戦その1~ひたすら食べさせろ!~
【warning:これより先は部外秘に付き、関係者以外閲覧禁止】
我が忠臣たるミーヌス・フュンフ、私は考えました。
そう、
美食クラブなのですから、まずは【食】から征服すべきじゃぁないかと!
時代は武力より食! 飢えた獣共を懐かせるのも、コレならば可能でしょう!
というわけで、各種材料はこちらで用意します。
紙と一緒に置いてある小瓶は、以前取り寄せていたモノに何かが付いた代物です。
特別な効果があるのは実証済みですので、今回はこれを使った作戦を行いますので、覚悟を決めておくように。
――どんな効果があるかって? 知りたい? ねぇ知りたい?
残念、まだ教えるはずがないじゃぁないですか! キャハハハ!
まぁ、それは置いておいて、ミーヌス・フュンフは美食クラブのメンバーと共に、食堂の確保と食べさせる生徒達の確保を頼みます。
方法は問いませんので、好きなように手を打ってください。
もちろん早急に、貴方なら出来ると信じていますよ。
「で、こいつがそれってわけだ」
指令書と共に置かれていた小奇麗な小瓶に、骸は目を向ける。
傍から見れば特になんの変哲もない代物ではあるが、ソワカが語る通りであれば、この小瓶の中身はちょっとばかり特別な物になっているのだろう。
――効果の程は、ソワカがぼかしている為になんなのかは分からないが。
「帝王サマぁあ~は まぢがいないでありまず! かばね先輩どのォオ~ だずげで ほしいで ありまず!」
ごくりと目の前にあった食事全てを平らげ、歩は骸へと助力を願う。
「まぁ、腐れやべぇが、楽しそうではあるわな」
基本、ノリがいい骸にとっても、これはこれで面白そうだと考え、歩の願いに頷く事で返答を返す。
「ありがとう でありまず! あゆむも がんばるで ありまず!」
互いに協力を誓い、ソワカの要請通り行動を起こすべく、二人は美食クラブのメンバーへも声を掛け、行動を起こしていく。
――後日の放課後、美食クラブの面々により封鎖された食堂には、それぞれの生徒達の姿があった。
美食クラブのメンバーの前に立ちながら、ソワカは満足そうにこの状況を見る。
「ふふ……さすがです。さすが我がクラブの精鋭達ですね――キャハハハ!」
準備は全て整っている。
後はソワカが一声、号令をかければそれでこの【作戦】は開始されるのだ。
――時は満ちる。
高らかに、食堂内に響き渡るソワカの号令と共に、作戦の開始が宣言されていた。
「全部食べるまで帰しま∞、スタァァァァト!」
まずはご覧いただきありがとうございます。
コミュニティより寝子島☆美食クラブ様を。
PCより岩国 ソワカ様、茨姓 歩様、屍 骸様を登場させていただいた事、こちらにて感謝を述べさせていただきます。
今回のシナリオでは、美食クラブが用意する料理を食べていただきます。
それが例えどんなモノであっても、いただきますの福音の元、完食するまで帰してもらえませんので、頑張って食べてください。
以下より設定となりますので、ご参加いただく方は一読いただきますよう、お願いいたします。
○各担当
本シナリオでは、PCの皆様は以下の二つに分かれてご参加いただく事となります。
▼調理担当
美食クラブに所属するPC、及び調理を手伝うPCはこちらの担当となります。
配膳する料理に関しては、以下のテーマの元、好きな料理を作りだしていただいて構いません。
・【創作】和風料理
・【創作】洋風料理
・【創作】中華料理
・【創作】自由料理
出来上がった料理は、どの順番で配膳するかをアクションに記載していただきます。
順番は強烈な味→薄い味の順のような場合だと感じる味が変わったりします。
食材に関しては、事前に用意されておりますが持ち込みも可能です。
料理の数は1PCにつき、最大二品までとなります。
美食を目指し、頑張って【自分が】おいしいと思う料理を作り出してください。
・神魂付き調味料について
キーワードを口にしながら料理に振り掛けると、そのキーワードが実現してしまう調味料になります。
味自体は変化しませんが、3分間の間、強制でキーワードの効果が発生します。
キーワードに関しては、担当PCが好きに考えて問題ありません。
但し、著しく常識を外れるキーワードと言ったものは採用されづらくなりますので注意してください。
▼食事担当
上記以外のPCは、美食クラブの陰謀に巻き込まれた、という形で学食に閉じ込められている状況となります。
閉じ込められたPCはそれぞれ【1~3】の番号札が置かれたテーブルについています。
各テーブルへの席配置は基本ランダムに行いますが、一緒の席になりたいといった場合はアクションにてその記載をお願いいたします。
食事担当に課せられた目的は、美食クラブが提示する料理を全て【完食】する事です。
美食クラブが用意した料理は、各テーブルに一品ずつ置かれますので、こちらをお召し上がりください。
担当PCは神魂付き調味料については知らされておりません。
色々覚悟した上で、頑張ってください。
○学食内状況
調味料の類は全て片付けられており、割り箸のみが各テーブルに設置されています。
縛られて拘束されている、と言った形は取っておりませんが、各出入り口は封鎖されており、脱出は不可能となっています。
美食クラブが用意した料理全てを完食した場合のみ、無事に学食から解放されます。
以上が今回の設定となります。
よろしければ、ご参加をお待ちしております。