――走る。
コンビニエンスストアに突っ込む自動車。
――走る。
爆発炎上するガソリンスタンド。
――走る。
倒壊する電柱とめり込む家屋。
ヨハン・プレストンは大きく飛び退き、地面を転がった。
先刻まで立っていた地面を銃弾が抜けアスファルトの地面をこがして跳ねる。
全力で走る対象の足首を的確に狙う腕と、その躊躇のなさ。
ヨハンは懐に手を差し込み、『相手』を見た。
笑ったピエロのような仮面を被った黒いロングコートの男。
それは紛れもなく。
「……私、自身か」
ある日、ある時、寝子島で。
突如として『自分自身』が現われるフシギ事件が発生した。
それが人前でろっこんを発動するなどの騒動が起き、緊急事態とみたテオが次元を切り離したことでフツウ社会は事なきをえたが……。
無言のまま歩く『もうひとりのヨハン』。
彼は仮面越しにこう言った。
「あなたを倒し、私が本物になる」
こちらは『自分自身』を相手に異能バトルを繰り広げるど派手なアクションシナリオです。
キャラクターたちの強い信念や磨き上げた技、愛や友情や光る機転をたっぷりお楽しみください。
■くわしい状況のおはなし
自分自身のコピーが現われ、戦いを挑んでくるというものです。
基本的にはろっこん能力やおのおのの特技を使った純粋な格闘になるのですが、マズイことにコピーはこちらと同じろっこん能力や特技を持っています。
しかしただひとつ。
キャラクターがこれまで積み重ねてきた経験や知識や、人々と紡いできた友情や、胸いっぱいに詰め込んできた信念だけはコピーできなかったようです。
それゆえに、あなた(のPC)は決して負けることは無いのです。
これは、『そういうお話』なのです。
■ひとやほしびと
ろっこん能力のないひとやほしびとは、それぞれ自分の得意な能力でコピーとバトルをします。
格闘だったりスポーツだったり、麻雀や将棋だったり。
ちょっぴり限定的ではありますが、ほしびとさんがフルパワーで戦うためであればアストラルタワー内でコピーとでくわしてしまったという状況を設定していただいても大丈夫です。
■コンビプレイやパーティープレイ
もしかしたら『○○くんと一緒なら私は最強!』という方もいらっしゃるでしょう。絆のパワーでコピーに勝つ。それもすんばらしくときめくシチュエーションです。
というわけで、お互い示し合わせている場合のみ一緒に戦うことをOKとします。偶然同じ場所に居合わせたり、バトル中にたまたま合流したりといった状況を想定してアクションをおかけください。
■事件が解決したあとは
次元が切り離されていますので、一般の人々やなんかはこの場に居合わせておりません。急に無人になった寝子島を想像して貰えるとピンとくるでしょう。
また次元を切り離した後ですので、ものが壊れたりしてももとの次元には影響が出ないようになっています。
キッチリとコピーとの決着をつけて、自分の座を守りきりましょう!
いざ、魂の輝くとき。
バトルスタートです!