■サイドX:ロボットウォーカー
ヘルメットを手に通路を行く男。
彼はドッグタグを握りしめると、服の内側へとねじ込んだ。
扉を開くとそこは巨大な格納庫。
見上げるほど巨大な、機械の巨人が立っている。
巨人の胸は大きく開き、人間一人分のスペースがぽっかりと空いている。
まるで誰かを待つように。
そうでなければ完成されぬかのように。
重機のバケットに乗って持ち上げられた男は、空いたスペースもといコックピットへ飛び込み、セーフティベルトを装着。シートに身体を固定すると、手元の操作レバーを握り込んだ。
ハッチが閉じ、全面のモニターに周囲の光景が映し出される。
「003、出撃する」
機械の巨人は……いや、もはや『ロボット』と述べるのが正しいだろう。
ロボットは背中に固定されたレールに沿って上方向へ射出され、『地上』の出撃口から飛び出した。
背部と脚部のジェット噴射でバランスを保ちつつ、腰に保持したアサルトライフル型の装備を手に取る。
地上を埋め尽くす無数の機械。
その全てが、こちらに殺人的な敵意を向けていた。
「そんなに人間が憎いか。地球から人間を消し去りたいか。人に創られたお前たちが!」
敵機へ向けて乱射しながら着地。
彼に続いて、味方のロボットがいくつも着地する。
ある者は巨大なビームカトラスを抜き、ある者は肩に担ぐようなロケットランチャーを発射し、ある者は触れただけで鉄をも溶かすヒートナイフを握り込む。
敵機を次々に破壊していく彼らだが、すぐに優勢は逆転した。
空から降ってくる、無数のロボットによってである。
まるで悪魔のような姿をしたそれらは、人間の乗っていない機械の塊である。
しかしまるで人間以上に激しく、執拗に、人間たちののるロボットへと襲いかかった。
慌てて銃を乱射するロボットたち。
ジグザグの高速機動をかけ、悪魔はロボットの首をもぎ取った。
続けざまに光の剣を生み出して、背中からコックピットをひと突きにする。
崩れ落ちるロボットを前に、人々は恐怖し、絶望した。
「人間は科学を発達させすぎてしまった。もう、人間にできることなんて……」
絶望に落ちる世界。
そんな世界を塗り替えるように、希望は空から降ってきた。
スペースデブリを焼き尽くし、全長三十メートルの巨大ロッカーが大地に突き刺さる。
扉を炸薬式で開放し、現われたるは巨大な人型ロボット兵器である。
「既視感があるような、ないような……」
椎井 莉鳥は操縦席でレバーを握り、全方位を投射した球形ディスプレイを見回した。
背中にマウントした巨大な電磁ライフルを動かし、ハンドルを握って照準を合わせる。
自らを狙って突っ込んできたロボットへ向けて発射。
レールガンよろしく超高速で放たれた弾丸がロボットの頭を破壊していく。
一足遅れて、イエローカラーのロボットが現われた。
恵御納 夏朝の操縦するロボットである。
「わっ、すごい既視感。どうしようこれ……」
と言いつつ、巨大な扇子とリング状の武器をそれぞれ両手に握り込む。
ここは暴走科学の世界。発達しすぎた科学が人類をも排除しにかかった絶望の世界。
ロボットたちを一掃し、マザーシステムを破壊せよ。
そして人類に再びの希望をもたらすのだ。
ごきげんよう。こちらはバトルタワーシリーズの第二階層となっております。
皆さんは戦女神の導きのもと、異世界に旅立ち絶望の主と戦うのです。
前回ご参加頂いた方々も、今回からご参加頂く方々も、制限はありませんのでふるってご参加ください!
■戦女神の祝福
階層を進むごとに『戦女神の祝福』が増えていきます。
現在付与されている祝福は以下の通り。
・第一階層ヒーロー喪失:光の武具
望んだ武器を一種類だけ手に入れることが出来ます。
二刀流のナイフや、アサルトライフル、ロングソードなど自由ですが、与えられるダメージ量は一定なのでどれだけ派手な武器をオーダーしても威力は同じになります。
(今回はロボット用の兵器として適用されます)
・第二階層暴走科学:ロボット兵器
全長20m前後のロボット兵器を世界限定で使用できます。
このロボットに搭乗している間はろっこん能力をロボットの装備として使用できます。
■作戦概要
皆さんは火星第六都市へ降下し、作戦を開始します。
敵部隊を破壊しつつマザーシステムの存在する敵プラントへと進行。
プラント内に侵入した後は中枢へと進み、マザーシステムを破壊します。
プラントへの進行を前半、プラント内での進行を後半としてそれぞれ解説していきます。
・前半
入植の済んだ火星は水が豊かで大地は岩場が大半を占めています。
この土地をまっすぐ北上してプラントを目指します。
途中プラントで生み出された無人兵器が襲いかかってきます。
機動力の高い『蜘蛛型』、汎用性が高く光の剣を装備した『人型』、宙を舞いビーム兵器を乱射してくる巨大な『竜型』の三種です。
これらを次々と撃破し、進んでください。
・後半
プラント突入後は地下へ地下へと下っていきます。
フロアをひとつひとつクリアして進んでいく形になると思われます。
ここに展開している部隊は殆どが『人型』ですが武装のバリエーションや機動力が高く、「ここは任せて先にいけ作戦」がかなり有効です。
最深部に存在するマザーシステムを破壊することで、この世界はクリアとなります。
■いろいろな補足
この異世界では皆さんの身体が『疑似身体』という特別なボディによって構成されており、たとえ死んだとしても無傷のまま現実にキックアウトされるだけで済みます。
この疑似身体は世界の人々の希望を『戦女神』が集めて形にしたもので、イコールこの世界の希望となっています。
『戦女神』がなんなのかは、今のところよく分かっていません。