「理事長になっては見たものの、正直言って暇よね」
そう理事長室で彼女は呟いた。
彼女の名前は、
桜栄 あずさ。
彼女の名は入学式の時点で知れ渡っているとは思うが、一応この寝子島高校の理事長である。
「あ~あ。テレビまで私の退屈を煽るのね。あ、いい男」
理事長室に何故薄型のテレビがあるのかは聞いてはいけない。
テレビには少し早めの浜焼き企画とあり、水着姿の男性タレントが釣竿を持って、釣りに挑戦する様子が映っていた。
「な~んか、こういうのって予定調和っぽいのよね」
退屈そうにする理事長。ひどい言いようである。
「やっぱり、こういうのって予測不可能なものとか、釣ってやるぞ! っていう感じのが必要よね、うん」
そして順調に釣りは終わり、それを浜焼きにして美味しそうに男性タレントが頬張る様子が映される。
ご丁寧に焼かれた魚はアップにされ、なんとも食欲をそそる雰囲気が……。
「これよッ!」
ガタッっと椅子が音を立てて倒れた。
……さて、数時間後。
ここは、寝子ヶ浜海浜公園の防波堤付近のバーベキュースペース。
ここに生徒たちは集められた。
「さってっと。みんな集まったわね?」
理事長がいきなり連れてこられて戸惑う生徒たちに語りかける。
「今から、釣り大会をしようと思うわっ!」
「「「「……はぁ?」」」」
「そして浜焼きのバーベキューをするの!」
「「「「……あぁ」」」」
生徒たちは理解した。つまり、このイベントは理事長の急な思いつきなのだ。
その時、理事長はとても楽しそうな目をしていたという。
「制限時間は二時間よ、そこに必要なものは用意しておいたわ。仕掛けは公平を期すためシンプルにしてあるから気を付けてね」
といって、なぜか漁業組合のトラックから運び出されている大量の釣竿と浜焼きバーベキューに必要な道具たち……。
さあ、ここまで来たらもうあとは釣りに行くだけである。
「さぁ、道具はとったかしら? よーいッ」
どんッという景気のいい声と共に生徒たちは走り出す。
こうして、第一回、思いつきの釣り大会! が開始されたのであった……。
はじめまして、「じんの」と申します。
さて、理事長の思いつきで始まった釣り大会です。
皆さんが楽しんでいただければと思います。
ポイントが一番高い人が優勝で
理事長からのご褒美が待っていますので
ぜひ頑張ってください
さっそくルールについて説明します。
1、舞台は、寝子ヶ浜海浜公園(I-11 J-11)となります
2、仕掛けは竹竿に釣り糸+釣り針&餌はアミエビ
3、指定された場所以外での釣りの禁止と妨害の禁止
4、道具などは与えられたもの以外は、その場で金銭を使わず調達
5、釣れたものなどから点数を算出し、一番多い人が勝ち
※組合員さんや理事長が何かあってもいいように見ていてくれます
・魚について (内は参考程度です)
A、20cm以下のもの1ポイント (ハゼなどの小魚からアジ)
B、21cm以上から60cm以下 3ポイント(アジからすずきまで豊か)
C、それ以上の大物 5ポイント(すずきなどからクロダイなど)
D、長靴などのゴミ マイナス1ポイント(なぜ釣れるか不明なもの)
E、釣りキチに許された獲物 ???(高得点見込みや超大物)
・場所について
【1】公園西の一帯(少し工夫をすれば釣れます、A,Bが多いでしょう)
【2】桜川河口(比較的釣れやすいですが、Aが多いでしょう
【3】防波堤(釣りに慣れた人向けで、BーC率が高いでしょう)
【4】それ以外(すべての確率が上がります)
※【4】は1~3にない具体的なところなどを書いてください
・補足
時間としてはおおよそ16時から18時の二時間ぐらいです。
また、餌や仕掛けなどは現地で無料で調達し、工夫する分問題ありません
また、魚を入れるバケツは既に用意されています
また、そのあとに浜焼きバーベキューがありますので
浜焼きバーベキューのことも忘れずに
是非アクションに盛り込んでください。
・大物を釣るコツ
場所の選び方と忍耐
じっと待つか、騒いで待つか
どの部分に仕掛けを落とし込むか(消波ブロックなどの利用)
魚が餌を食べた時の感触
魚がヒットしたときの竿の操り方
別の餌の収集や、餌の付け方
などなど 創意工夫を凝らしてください