カーテンが仄かに明るく、夜明けを告げていた。布団の中で丸まっていた
楢木 春彦は微かに呻く。掛布団を足で蹴飛ばし、仰向けの姿勢となった。眉間には薄っすらと皺が寄っている。
「……暑すぎだぜ」
不機嫌な顔で身体を起こす。ベッドから抜け出した春彦はカーテンをそっと開けた。外は快晴で日差しは相当に強い。
「マジか。まるで夏だな」
自分の言葉で何か思い付いたのか。めらめらとした熱意が全身を包み込む。
「この暑さなら、海水浴もできるってもんだぜ」
春彦の気分は急激に上向いた。
旧市街の自宅で
贄田 錵子は死んだように眠っていた。掛布団は足元に押しやられ、両腕を上げた状態で微動だにしない。
閉じられた瞼が不意に開いた。上体を起こして耳に手を当てる。何かの音を聞いているようであった。
「二月なのにセミが鳴いていますね」
黒い瞳にきらりと好奇心の星が瞬く。錵子は布団から離れてクローゼットに向かう。活動的な格好で決めて、最後に髪を後ろに束ねた。
「どこに行きましょうか」
にっこりと笑みを浮かべた。
異変は島全体で起きていた。突然に夏の季節が舞い戻り、人々は落ち着きのない日曜日を迎えるのだった。
楢木 春彦さんと贄田 錵子さん、ガイドに登場して頂き、ありがとうございました。
今回のシナリオに参加された場合、お二人の行き先は自由なので好きなところを書いてください。
では、改めまして、ゴホン。
らっかみ!タイムでは二月上旬ですが、このシナリオでは一日限定で夏になります!
冬の一日が夏みたいに暑いのではなくて、そのまんまの夏なのです!
山にはカブトムシやクワガタがわんさかいて、海では気持ちよく泳げます。
一日が経過して夏が終わっても、取得した物は手元に残ります。逃がしてもいいですが。
神魂の影響、はたまた並行世界が押し寄せてきたのでしょうか。
よくわからない事象で寝子島全体が夏になりました。
一日だけの夏ですが、大いに楽しんでください。