\ オーバータイム!/
トーチカ・フールフール
蜩の鳴き声がする。 盛夏特有の長い昼もそろそろ終わり、目を見張るほどの橙色が街を満たしていた。 帰り道を急ぐ学生や、買い物鞄を片手に談笑する主婦、少し疲れた顔のサラリーマンなど、様々な者が行き交…
崩れかけた廃墟の中、薄暗い和室の畳の上で小さな子供が体を丸めて眠っている。 差し込む夕日に焼け、ところどころ黴によって色を変えた畳の上には古ぼけた一冊のアルバムが開いたまま置いてあった。劣化したビ…
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