【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！｜リアクション

【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！

　　【しょうぐんのお友達】

　八神修は猫の王さまがいない隙に、犬のしょうぐんに声を掛けました。
「しょうぐん、今日は案内して下さって本当にありがとうございました」
「うむ！　よきにはからえっ」
　修は、バッグの中から“カーキーのおやつ”と称して、あの厳戒令を抜け切った“牛肉の包み”を相手に差し出しました。
「友達の証に、是非」
「友達……？　がっはっは！　我の友達など百年早──！
　…………。友、か。
　たまにもそういうのも良いかも知れんな！
　うむ、許す！　これからは堂々と我の友だと名乗るがいい！」
　しょうぐんは胸を張り、ちょっと豪胆に過剰が過ぎた態度に、少し遠くを見た後、大笑いをして大型犬相応の胸を張りました。

「ところで、しょうぐん。一つお願いがあるのですが」
「おお！　何なりと申せ！　我は今非常に機嫌が良い！」
「今度は貴方の国に是非招待してほしい」

　直球で来た修の希望に、快活だったしょうぐんは突然沈黙を走らせました。それは花火の途切れる瞬間であったのもあって、場の全員が見守る程の注目を集めます。
「……。お前はこの世界のものではないのだったな。
　我も歳を取った。故に中々冒険と言うものは出来ぬ。

　だが、ねこの国は既に門戸を開けていると聞き及んでおる。ここで、いぬが国を開かずして如何せん！」

　ぴこっ！

　ついに“いぬとねこの中立共存を目指す会”は犬のしょうぐんを見つけ出しました。絶叫した言葉は当然アウトです。

「むむっ、ついに見つかってしまったか──！」
「──今戻った。すまんな、つい席を外してしまった」
「貴様、せっかくの祭の席を外すとはどういう了見か！」

「覚えのある声の歌が聞こえてな。久方ぶりのねこに会って来た。
　相変わらず美猫だったぞ」
「……、
　数百年経とうが、変わらずのタラシよな」

　犬のしょうぐんは小さく呟きました。
　その目線を追い掛けると、そこには衝撃を受けた綾花の姿が──
「王、さま……？」
「ちっ違う！　ちが、違うニャ！　そんなつもりでは全くニャくてニギャーー！！」

　ピコッ！　ピコ、ピコッ！！

　うろたえる余り、ニャとつく語尾に反応して、猫の王さまの方にも、ピコピコハンマーが複数個、上から落下し、カボチャ帽子を直撃していきました。