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サマー! 部活動のお時間です! ~運動部編~
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空手部2 <滝と木とBBQ>
(軽い乗りでやってみたけど)
滝に打たれながら
浅沼 柳司
は少し後悔していた。
(汗流せて涼しなるか思うたら……そういうレベルやないやん)
重かった。水の塊が間断なく首を打つ。常に冷水が当たるので体力も確実に奪われていった。
「どうだーけっこう厳しいだろう?」
滝の激しい音の中から微かに
鳴神 楓
の声。口に水が入るのもいとわず、できる限りの声量で応える柳司。
「滝行は精神修行ですもんねー!」
(俺は山ごもりといえばこれだから慣れてるが、初めての奴にこの滝はけっこうなもんだろうな)
常人であればすぐに滝から出てきてしまうだろう。しかしそこはタフネスが売りの空手部、途中断念という言葉を知らない。
冷やされたせいか、頭より先に手が動いてしまう柳司も、今日はいつもより冷静に頭が働いた。
……俺は何のために空手やっとるんやろ。
今まで考えたこともない疑問が浮かぶ。
(実家が空手道場やってたから、たまたまそうなっただけやろか)
柳司にとって空手は習慣だ。物心ついたときから自分の周りにはあたりまえのように空手があった。
(でも、多分それだけやない)
目をカッと見開く。
(強くなりたいんや)
感覚の全てが放たれる。冷たさが体中を電撃のように伝い、激しく水の落ちる音が耳を突き……
視界はどしゃ降る滝。その向こうに影が見えた。
(あいつは……
あのとき
の……?)
「俺は殴りたいから空手をしている」
影がそう言っている気がした。
(ちゃう……絶対にちゃう)
目を閉じると、まぶたの裏に親しい人の姿が映った。
(じいちゃん……!)
目標だった。
(そうや、じいちゃんは強い。でも暴力を振るう人やない。じいちゃんは警察官や。そして俺も、じいちゃんみたいな警官になりたいんや)
再び目を開くと、そこに影はない。
(俺の強さは……人を怪我させないための強さ……安全を守れる人の強さや!)
滝行に挑戦した何人かが脱落しだしたのが見える。滝壺の周りでへとへとになって座り込んでいた。
(もうちょいだけ頑張ったろ……もっと強なりたいから)
道着に裸足という出で立ち。どこよりももっとも激しい滝を選んだ楓。打たれ続けるのがやっとという状況下で、ゆっくりと型稽古をする。これは滝の中において、普通に動くよりもつらい。
(一つ一つを丁寧に)
イメージは魚。滝を遡る魚のごとく、雄々しくしなやかに、かつ型を崩すことなく慎重に水へ溶け込む。まるで水と一つになるように。
(極限まで集中すれば)
引っ張られる力など感じない。泳ぐように動ける。
そうすればほら、こんなことだって——
ゴタゴタと岩にぶつかりながら、丸太が落ちてくるのがわかった。それは間違いなく、自分のいる激しい滝を選んでくるだろう。
——今だ。
水の流れに従いながら、静かに強い一突き。拳が丸太の真中を貫き、見事に2つに割れた。
「ま、こんなもんか」
滝を抜ける。体がそこにないのではないかというくらい、空気中では軽い。
「本当は台風の後とかが一番鍛錬になるんだがな」
滝壺では仲間たちがへばっている。
「今日はこのくらいがちょうどいいな」
飛鳥は一本の大木を前にしていた。
「この辺は大きな木が多いなあ」
木の肌を撫でる。樹齢何年だろうか。飛鳥の10倍、いやもしかしたら20倍以上も年を重ねているかもしれない。手を回しながら幹にくっついてみるが、
「うへー全然届かへん」
5人くらいいなければ囲うことはできないだろう。
「うちの今日の稽古相手は決まりや」
一つお辞儀をした後、気合を入れ、構える。
「はっ、たっ」
前蹴り、回し蹴りの連続蹴り。これを延々と繰り返す。木皮が少しだけ剥げていくが、木自体はびくともしていないようだ。
飛鳥に迷いはない。今は一心不乱に蹴り続ける。今のこのノルマと同じように、先にある夢も明確に持っていた。
(高校卒業したら、道場を継ぐ)
父親の空手道場。彼女もまた柳司のように、小さいころから空手に教えられ、育てられてきた。いくつもの大会で優勝し、看板を受け継ぐには十分な実績を積んできている。
(でも、うちより強い人はたくさんおる)
寝子島高校空手部は猛者の集まりだった。自分が完全に劣っているとはいわないが、個性溢れ人並みはずれた能力を持った仲間たちがいた。彼らの中にいても一つ抜けられるような、揺るがない強さを手にしたい。
(限界の限界に達するまで、うちは空手を極めていくんや)
「はーっ!」
靴が地面にめり込む感覚。食いしばるほどに踏み込んだ、ひと際激しい蹴りで木の腹を叩く。
ミシミシミシ
森全体が動揺した気がした。
「ああ、木さんごめん! 本気でいってもうた!」
大木はゴムのように前後へ揺れている。今にも自身の重みでへし折れてしまいそうだ。慌てて抱きつき止めようとする。
(さっきはわからなかったけど、なんか木って温かいな)
しなる木からパワーが伝わる。強く太い根が張っているのがわかる。蹴りのエネルギーを吸収しうまく流しだすため、この木は揺れているのだ。さわさわいう葉の擦れる音が心地よい。
(強いけど、温かい。優しい。これがほんとの強さなんやな)
十分に練習を終えると、滝行組のところへ戻る。何人かが滝壺で水を掛けあって遊んでいる。
「涼しそうやな」
「お、鳳先輩もどうですか。気持ちいいですよ!」
と言って柳司が水を掛けてくる。
「ひょー冷たー! やったなー!」
足を先くらいならいいだろう。水の中へと浸る。
「いくでー!」
水を蹴り上げ全体攻撃。
「うわ、冷た!」
「鳴神さんもいくでー全部避けてみ!」
「ちょ、さすがに無理!」
「やりよったなー覚悟しいや!」
「おうかかってこいやー!」
「オラ!」
「なんじゃそんなもんか!」
水掛け遊び……のはずだが、次第に激化し、水上空手みたいになっちゃうのだった。
「まさか一日で滝まで行き、全員怪我なく帰ってくるとは……」
ロッジの管理人は感心しっぱなしだ。
「まあ、さすがに疲れましたわ。この肉もう焼けたんちゃいますか?」
「まだじゃ」
「いたっ! あつっ!」
トングで叩かれる柳司。
ロッジ前の広場でバーベキュー。薪の上に大きな網を張り、肉や山菜をダイナミックに焼いている。
「こういう場所だとなおさら美味しく感じるわ」
帰りもランニングにして正解だった、と飛鳥はつくづく思う。腹ぺこも相まって、これほど美味なものはないというくらい、みんなで食べるバーベキューは美味しい。
段々と周りは暗くなっている。煙が木の間を抜け、星に埋め尽くされた紫の空へ溶けていった。
「はて……1人いないような気がするんじゃが」
「そういえば鳴神先輩がいないっすね」
「あ、呼んだか?」
暗い森の中から姿を現す楓。何かを担いでいるようだ。
「何してたんすか?」
「いやなに、コイツとバトってたんだ」
ドン、と暗闇から放り投げられたのは、3メートルはあろうかという大きな熊だ。
「まあまあ強かったぜ」
「こ、これは……」
肉が焦げているのにも気づかないくらい管理人は呆然とする。これこそ、山村を長年悩ませていた畑荒らし。猟師たちも獲り逃している巨大熊であった。
「どうする? 食うなら捌くけど」
部員たちから歓声が上がる。
もはや管理人は言葉も出ない。彼らのタフネス、底知れないパワーに度肝を抜かれるばかりだ。
(この子らは都会に住んでおるのに、野性味がにじみ出ておる。一体普段どんなところで暮らしておるんだ……)
きっと彼らはこう答えるだろう。フツウの街で暮らしていると。
「うおー熊うめー」
「ちょっと臭みがあるけど、自然の味って感じでええね」
「でっかいわりに繊細な味だな。いいもん食って育ったに違いねぇ」
彼らの宴は、夜遅くまで続くのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
小西 秀昭
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
1000人
参加キャラクター数
74人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月17日
参加申し込みの期限
2014年05月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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