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Melt Sinner
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どうしても、眠れない夜というものがある。そんな時、無理に眠ろうとすると返って頭が冴えてしまって、逆効果だという事は分かっていた。だからこそ、
新井 米太郎
は無理に布団に入る事はせずに、窓を開けてボンヤリと夜空に浮かぶ月を見上げていた。柔らかな風が吹き、細い歌声が耳に届く。心地良いほど透き通った声に、米太郎はそっと目を閉じた。
米太郎には、双子の弟がいる。凄く心優しいけれども、少し気弱なところがあった。そのせいなのか、弟はずっと虐められっ子だった。しかし、虐められていると言う事実に、米太郎が自発的に気づく事はなかった。弟が時々怪我をして帰ってくる事には気付いていたが、転んだと言っていたから、米太郎は素直にその言葉を信じた。だからこそ、友人にこっそりと教えてもらうまで、弟が虐めに耐えていたと言う事に気付けなかった。
弟は、親に言いたくないと言っていた。親は大学の教授で忙しくて、負担になりたくないからと、親に相談する事を拒んだ。弟の必死の願いに、米太郎は折れた。親の手を借りなくても、弟を守ってみせる、そう思った。
「ぼくがきみのヒーローになってあげるから!」
そう言って笑う米太郎を見て、弟は小さく微笑んでいた。
中学生になって、親が海外に赴任して、弟と二人暮らしをする事になった。その頃はまだ視線も怖くなかったため、バスケ部に入った。先輩にも可愛がってもらえて、チームの雰囲気も悪くなくて、試合に向けて皆と協力していく過程がとても楽しくて、段々家に帰るのも遅くなって行った。練習で疲れてクタクタになって帰って来た米太郎を、弟はいつも笑顔で迎えてくれた。バスケの話も、嫌な顔一つせずに聞いてくれていた。
だから、気付けなかった。二年生になって、人に言われるまで、気付く事が出来なかった。……小学校の時から何も変わっていない。結局米太郎は、周りなんて見えていなくて、自分を理由に弟が虐められているのに、何も気付けない。
弟は、米太郎の弟だからと言うだけの理由で酷い虐めに遭っていた。先輩を差し置いてレギュラーを取った米太郎が、気に入らなかったと、そう言っていた。でも、だからって何で弟が虐められなければならない? 弟は、関係ない。何もしていない弟が、何で……?
目の前が真っ赤に染まるような感覚。頭の中で何かがブツリと切れる音がした。そこから先は、良く覚えていない。ただ、鉄のにおいが教室に充満していたのだけは、ボンヤリと覚えている。
当然、暴力事件は相当問題になった。連帯責任で部活は謹慎処分、間近に迫っていた大会には出られなくなり、今までの努力が全て水の泡となった先輩やチームメイトは、烈火のごとく怒った。
「お前のせいで!」
そう言いながら殴られても、米太郎は反撃する事も防御する事もなかった。一緒に頑張ってきたからこそ、やりきれなさと苛立ちが分かるからこそ、ただ殴られるに任せた。結局米太郎は腕を折り、治った今でもシュートを打つ時にちょっとした違和感がある。以前と同じようなプレイは出来なくなったが、それでも良かった。バスケはもうやっていないし、復帰する予定もない。
弟は暴力事件を起こしたやつの弟と言うレッテルを貼られ、暴力的な虐めは受けなくなったものの、腫れ物のように敬遠されるようになった。怪我をする事がなくなった代わりに、弟は無視されるようになった。
きっと、相当怒っているのだろう。弟は、米太郎の目を見なくなった。そして、吐き出すように呟いた。
もう、顔も見たくない……。
―― だから米太郎は、一人でこの島に来た。
いつの間にか、歌は聞こえなくなっていた。ゆっくりと目を開け、滲んだような月を見上げる。
もう部の皆にも、弟にも謝れない事は分かっている。謝ったところで、許される事ではない事も、分かっている。でも、たまに思う。
誰かのためだけに動くと、皆不幸になるのではないか。弟にしたように、誰かを助けたいと強く思って、誰かだけのヒーローになろうとすると、何か良くない事が起こるのではないか。取り返しのつかない何かが、また起こってしまうのではないか。
そう思うと、怖い。本当に守りたい誰かのために動けば動くほど、悪い連鎖が起こって結果的に相手を傷つけてしまうのではないか……?
本当はどうしても守りたい人がいるのに、怖くて動き出せない。何かをしようとするたびに、あの時に見た先輩やチームメイトの目と、弟の悲痛な声が脳裏に蘇る。
あんなに優しい弟に、あれだけの事を言わせた。思いやりのある弟があんな事を口にするなんて、どれだけ追い詰められていたのだろう。弟は、楽しそうにバスケの話をする米太郎を見て、どう思っていたのだろう。ヒーローになると言いながら、何も出来ない米太郎に、どんな想いを抱いていたのだろう?
弟は今、元気なのだろうか。
米太郎は目を伏せると、窓をそっと閉じた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月13日
参加申し込みの期限
2014年02月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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