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最速王は誰だ! 寝子島高校雑巾がけレース
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●南校舎踊り場~1階
階段。
それは、このレースにおいての難所である。
直線ではスピードに乗って加速できるが、階段ではペースが狂うからだ。
3階と2階を繋ぐ踊り場には、美化委員の
森 蓮
がいた。
蓮は、理事長の今回の思いつきを好意的に解釈していた。
「遊びを取り入れることで、普段、熱心に清掃しない方に意欲を持たせたのは、桜栄理事長の功績ですね」
――蓮は、大概のことを好意的に解釈する仏のような人物なのである。
蓮がしたことは、各階の踊り場に水を張ったバケツと規定サイズの雑巾を用意して待機すること。
「雑巾が汚れたままでは掃除になりませんが、幸い、雑巾の交換は競技規則で禁じられていません。こうして雑巾を絞って用意しておけば、みなさんここで雑巾を取り換えて気持ち良く進めるでしょう」
美化委員である森は、校内の雑巾をかき集め、替えに必要なだけの雑巾を用意した。その中から9枚を絞って踊り場に並べておく。出走者たちが来たら、雑巾を取り換えて貰えばいい。
それから森は首を傾げながら踊り場の床を拭き始めた。
「不思議です。私が用意したバケツの水は減っていないのに、水が零れている……何かの怪異でしょうか? ともあれ、これは選手のみなさんが来るまでの間に拭いておきましょう」
森の厚意を遠巻きに眺めながら舌打ちをする影があったことには、気づいていない。
トップを走る巴が階段をだだだっと駆け下りてきた。
「巴さん、替えの雑巾は?」
「いらないよっ!」
そりゃあそうである。
巴の雑巾は腰からぶらぶら紐でくっついていて取り換えようがない。手に持っている方は汚れてないしね。
蓮の前を駆け抜ける巴。
はっきり言って掃除も何もあったもんではないが、蓮は「さすが巴さんです」と感心している。
しばし間を置いて階段に現れたのはシダ。
「階段 拭きにくいな」
苦戦しているようだ。スピードが落ちる。
続いて、刀。
刀は自分の身を雑巾よりも下の段に置いて、後ろ向きに下りながら片手で一段ずつ階段を拭いていった。
「こうすると自分の足跡が階段に残らないんだよな」
蓮は刀の心がけに感動した。
「よく御存じなんですね」
替えの雑巾を手渡しながら声をかける。
「俺にとって最速である事は大切だけれど、雑巾がけの主旨である校内を綺麗にするって事を外すのは絶対に駄目だと思ってるんだ」
「私もそう思います。頑張ってください」
「ああ、もちろん!」
とはいえ、丁寧に拭くということは、少なからず速度を犠牲にするということ。
後続たちが追いついてくる。
「悪いけど先行かせてもらうよ!」
勝負という割り切りのある博美がシダ、刀を追い抜く。
同じ猫鳴館住まいの真央が、森を見つけて手を振ってきた。
「蓮ちゃん、雑巾取り換えてくれてるのか? でも、真央ちゃんの雑巾、ネコのアップリケがついてて可愛いから、この雑巾で最後まで行きたいのだ。だから、バケツで絞らせてなのだ!」
このアップリケ、実は月詠の密かな前準備のひとつである。猫スキーな真央にとって、これは嬉しい。
真央はバケツで雑巾を絞りながら蓮に声をかけた。
「蓮ちゃんは理事長のご褒美何だと思うのだ? ……陸上部グラウンド優先使用権とか猫鳴館永続承認権とかだといいのだ。でもでも、偉い人猫鳴館強制体験権とか、
鶏舎
出来たし雌鳥五羽とか絞めた丸鶏三羽とかでもいいのだ……楽しみなのだ、頑張るのだ!」
菜食主義かつ博愛主義の蓮は、「絞めた丸鶏でないことを祈ります」といいつつも、張り切っている真央を温かく見守る。
マイペースに王道スタイルで駆けてきた勇がその隙に真央を躱す。
真央と入れ違いに絵梨菜がバケツで雑巾を絞った。
「学校広いからペース配分も大事だよね。休み休み行かないとバテちゃうよっ」
絵梨菜にとって、雑巾を絞る時間が小休止を兼ねているのだ。
そのすきに海が、感謝の眼差しを蓮に向けながら雑巾を取り換えると、階段を拭き降りてゆく。
◇
「こちら南校舎1階だよ」
出走者の先回りをした天野の声が校内に流れる。
「先頭を切ってやってきたのは、スタートダッシュをキメた桜崎! 掃除であることを完全に無視した走りはまだ健在だ! 続いて……おっと、奈良橋だね。その後ろは、橘。御剣、美穂戸は階段で苦戦したかこの位置! それから後木、小山内、姫神と続いてるよ。あとは八神だけど……あっ、今入った情報によると、彼はまだ二階廊下を掃除中、とのことだ。彼らしいというかなんというか、ここは予想通りってことかな」
「あー、うん」と解説の月詠が気のない風に答える。
「えー、旅鴉は、レース風景のスケッチに忙しいようだ。もう解説はいいからスケッチに集中すれば?」
「そうさせてもらうよ」
「さて、妨害OKというこのレースだけれど、いまのところ目立った妨害はないようだね。そして僕の手には家庭科室に置いてあった食用油があるわけだけれど」
天邪鬼・天野の眼鏡が暗く光る。
「おおっと手が滑ってしまったよ! 廊下に油が零れてしまった! どうする出走者たち!?」
なんということだろう!
実況が妨害に回るとは!
しかしこれもこのレースの醍醐味か。
「ハッ! そんな手があたしに効くかい! ちゃんと滑りにくいゴム底の上履きを装備済みさァ!」
巴、容赦なく油ゾーンを駆け抜ける。
彼女が駆け抜けたあとは、雑巾に引きずられた油の長い筋と、べったんべったんという油まみれの足跡が廊下に長く残された。
ひどい。ひどすぎる。
ここを通り過ぎるということは、却って廊下を汚すということになりかねない。
2番手の博美は自問した。
(どうする!?)
結論はすぐに出た。
(勝負を取る! ……が!)
博美はすれ違いざま、天野の急所目がけて蹴りを放った!
中性的な天野と言えど、生物学的には男……のハズ! 急所は、急所だ!
「んっ、ああっ……ん!」
天野の口から突如、妖艶な喘ぎ声が漏れる。うずくまる天野。
入ったのか!? 入ってないのか!?
わからないが、この妖艶ボイスに、幾人かの生徒が悶えた、と伝えられている。
「ごめんな。でも妨害の代償だよ」
博美は捨て台詞を吐き……油の筋を引きながら駆けて行った。
一部始終を目の当たりにした勇はなにやら切ない気持ちになり、天野に合掌せずにはいられなかった。
◇
1階に下りてきた修は唖然とした。
廊下に広がる油。
勝負よりも校内清掃を重視した刀と絵梨菜がせっせと油を拭いている。
そして、その隣にぺたんと丸く横たわる天野。
「何やってるんだ逆巻。まだ痛いのか?」
放送を聞いてなんとなく状況を知っている修は、呆れ気味に声を掛ける。
その問いかけに、ぺろり、と舌を出して見せる天野。
「はぁ、同情の余地ないな」
修は、天野の上靴に手を触れ息を止めた。
天野の靴紐がほどけ、縫い目にそってばらりと「分解」されてしまう。
修が、ろっこん<分解>を発動したのだ。1階のギャラリーは少なく、修の身体に遮られて、その瞬間を見ることができたのは当事者の修と天野だけだった。
「どうやら、君の『古くなった』靴が壊れたようだ。ここまでにしておいたらどうだ?」
修はしれっと笑って見せる。
そしれ天野にだけ聞こえる声で。「制服が『古く』ならなくてよかっただろ?」
天野は、観念したように諸手を挙げた。
「実況の僕が、ここでリタイアのようだね」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
ハイペリー
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
スポーツ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月10日
参加申し込みの期限
2013年07月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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