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「今日はひな祭り! だったらやる事は1つ! 盛大に祝うのよ!」(
矢萩 秋
:談)
という訳で、キャットロードにある和菓子屋
『萩屋』
では、ひな祭りフェアが開催されていた。
お内裏様とお雛様を乗せたイチゴのケーキ。他にも桜餅、三色団子、雛あられと、洋菓子と和菓子両方取り扱う『萩屋』ならではの自慢のお菓子がずらりとショーケースに用意されている。
「うふふふふ……それだけじゃないのよ。ううん、どっちかって言うとお姉ちゃん的にこっちがメイン」
誰に言ってるのだろうか。秋はフッと俯いた後、物凄くいい笑顔で後方を振り返った。
「何よりも力を入れたのは……そう! ひな祭りのコスプレ衣装を試着出来る事ね! 見なさい、うちの可愛い咲を!」
もう効果音付きでいいだろう。―――ババーン! 秋の手と視線の先には
矢萩 咲
が、それはそれは美しい十二単姿で立っていた。……顔を真っ赤にさせながら。
「何で咲がお雛様の格好をしてるんですか!? うち和菓子屋なんだからコスプレする必要もないでしょう!」
拳を握り締めて咲は抗議するが、秋はにこにこと笑っている。きっとお雛様が可愛らしく怒ってるくらいにしか思ってないのだろう。そこにひょいと
矢萩 槇
も顔を覗かせた。
「わぁ! 秋お姉ちゃん! お雛様の衣装だね! 可愛い~!」
「勿論槇のもあるよ! これ簡単に着られるやつだから」
秋の言葉に槇が「私も着ていいの? やった~!」と嬉しそうに言う。そして早速店の隅にしつらえた更衣スペースで着替えると……ちょっとサイズ的に大きめではあるが……これまた可愛らしいお雛様になって咲の横に並んだ。
「えへへ♪ どうかな? 似合ってるかな~?」
「うん、可愛いな、槇!」
自分も着ているにも拘わらず咲は手放しで褒める。槇がほわほわと笑った。
「ありがとう。咲お姉ちゃんも可愛いよ~♪」
ぎゅー! 槇が咲を抱きすくめる。咲も笑顔で槇を抱き返し、そこだけ何だか宮中の絵巻物のようである。
その光景を秋はうへへと涎を垂らさんばかりに眺めていた。
(そう! これが見たいが為に用意したのよ! うちの妹達はまさに天使! これは記録に是非残さねば!)
実は秋は自分も着物……それもお内裏様の姿だったのだが、そんな事に何の意味がある、うちの主役は咲と槇さね! と言わんばかりの勢いで、秋はバシャバシャと愛する妹達をカメラで激写する。そして今度は別の角度で天使達を……と秋がファインダーから顔を上げた時、その眉が物凄く嫌そうにひそめられた。
その視線の先には。別のお内裏様……いや、お内裏様姿の
七峯 亨
が立っていたのだ。
「なんで君はここに居るのかな、亨君? その格好は何かな?」
溢れる敵意を隠しもせずに、秋は亨に目を半眼にして声をかける。亨は満面の笑みで言った。
「そげん怖い顔せんでも。この衣装は自前です。どうしてここに居るかと聞かれれば……何よりも俺が咲の姿を見たかったから」
「……私、ある程度は認めたけど、ここに来る事は許可してないんですが」
店の真ん中で腕を組み、秋は亨に向かって仁王立ちになる。まるでこの天使のいる聖域に入るなと言わんばかりだ。現代に対峙する2人のお内裏様。その険悪な様子に咲が慌てて言った。
「咲が亨君を誘ったんだ! うちでイベントするって聞いたから。まさかコスプレさせられるとは思わなかったけど……!」
可愛い妹の弁明に秋が驚愕する。
「……っ、咲!? ま、まさか姉よりも男を取るの!? ああお姉ちゃんショック……かくなる上は闇討ちするしか……」
「秋姉さん!」
すると亨が咲を振り返り、満足そうに言った。
「よかおごじょじゃ。お雛様は強くあれかしと祈られるもの、咲が纏うのもぴったりさ。そしてお内裏様も此処に」
「だからどーして亨君もお内裏様の格好で張り合うの!」
「亨……先輩? 初めまして~。私咲お姉ちゃんの妹の槇って言います。よろしくお願いします~!」
まだ咲を抱きしめながら、槇がのんびりと言う。亨がにこりと返した。
「こちらこそよろしく」
「先輩のお内裏様よく似合ってて素敵です~」
「何言ってるの! あんた達の方が100万倍似合ってるわ!」
鋭く飛んだ秋の声に亨もうんうんと頷いた。
「そいは俺も同感です。槇ちゃんも可愛いし……秋さんはお雛様ですか」
「おい、餓鬼、誰がお雛様だ……私ゃお内裏様だよ!」
ぐぬぬと睨む秋と、それを飄々と受け止める亨。そんな2人を見ながら槇がにこにこ言った。
「わ~、仲良しさんだね~」
咲はその横でがっくりと肩を落とした。
「槇は純粋でいいわね……咲はもう既に疲れてきたわ」
まあ、店の人間関係は不協和音がしないではなかったが、『萩屋』のひな祭りフェアは上々だった。
槇はお雛様姿のまま、店の外で呼び込みだ。そのビッグなお雛様は、常連客には、
「あら~、槇ちゃん今日はおめかししてるねぇ。可愛いよ」
と微笑ましく見られ、新規の客には、
「うおっ! で、でか!!」
と思わず2歩ほど後ずさりをされている。それでも彼女は変わらない。行き交う人に注目されながらもほわほわと元気にこう言うのだ。
「いらっしゃいませ~。ただいま『萩屋』ではひな祭りフェアやってま~す。良かったら買っていってくださ~い!」
槇の呼び込みのお蔭で、店内も結構混み始めた。お雛様の格好の咲はレジ打ち、足捌きの良い秋と亨はイーストエリアや商品補充の担当だ。
秋は忙しく立ち回りながらも、亨の姿を常に目の端に入れていた。そしてその様子に臍を噛む。
(くっ……結構働くのよね……)
そうなのだ。頭の回転が悪くない亨は、結構使える存在だった。特に女性客の応対は素晴らしいものがあった。
可愛い妹につく悪い虫が目の前にいるのに、こんなに働いてくれれば邪険にも出来ず、そもそも店で暴れる事も出来ない。秋はもどかしさに身悶えしながらぐぬぬと亨を思わず睨みつけると、その憎き顔が振り返った。
「悪い虫に見えますか。また晴れの日、互いに手短に」
亨の言葉に、カッとした秋が噛みつくように言い返した。
「悪い虫以外何に見えるって言うんだい! うちの咲から手を引きな!」
亨の真正面に立ち、秋は長身の亨を1歩も引かず睨みつけた。その視線の前に立てば、生半可な男は青くなってしまうだろう。しかし亨は不敵に微笑むと、目だけを真っ直ぐに秋に見据えて返した。
「鬼ん成ってでも共に歩むち決めた道ぞ、今更怖れるも退くも無か。咲は俺のお雛様ぞ」
「……な!」
見事な啖呵に秋が一瞬言葉を失う。その目尻が怒りの余りさっと赤くなった。それを見て取った亨。
「―――こん以上はお互い無駄ち。でも咲んこっ心配するおまんさぁもわっぜもじょかおごじょじゃっど」
ニッと笑って秋に言う。そして秋がきょとんと狐につままれた様な顔になったのを見ると、ペロリと舌を出してすたこらさっさと逃げ出した。
逃げ出す亨の背中に、ようやく我に返った秋が両腕を振り回しながら怒鳴った。
「な、何言ってるかわからないんじゃーーー!!!」
首尾良く逃げ出した亨は、店先の槇に声をかけた。
「槇ちゃん、疲れただろ。代わろう」
「あー、亨先輩。ありがとうございます~」
買い物をしていた常連客とにこやかに話していた槇は、ぺこりと客に頭を下げると十二単の裾をぐいと上げ、パタパタと亨の許にやって来た。
「なかなか豪快だな、槇ちゃん」
笑う亨に「えへへ~」と槇も笑みを返す。そして裾をはらりと落とすと、槇は改まって亨に頭を下げた。
「咲お姉ちゃんがお世話になってるみたいで……これからも咲お姉ちゃんの事よろしくお願いします!」
「お。いや世話になってんのは俺の方ち。こちらこそ頼むな、槇ちゃん」
「はい! じゃあ、お言葉に甘えてここ代わってもらいますね」
「ああ。少し中で休むといいさ」
亨が槇に手を挙げる。その横をにこやかに槇が通り過ぎかけ……その足が亨の真横でピタリと止まった。
「でも、咲お姉ちゃんを泣かせたら絶対に許さないよ……その時は覚悟してね」
その声は本当にあのほんわり温かな槇の声なのだろうか。それは絶対零度のブリザードボイス。感情が抜け落ちたその声は、小声ではあったが確実に亨の背筋をぞっとさせた。
バッと亨が振り向けば、裾を掴んだ槇はご機嫌でもう店の中に入っている。亨はちょっと呆然としていたが、ポリポリと頭を掻いた。
(俺の恋人はようけ愛されちょるな)
でも、だからこそ咲はあのように真っ直ぐ育ったのだろう。2人に大事に愛されて。咲も、2人を愛し。
(ま、元より全部背負う覚悟。逃げ出すようじゃ咲と付き合う資格はなか)
―――俺ぁやっせんぼ(弱虫)じゃなか。ぼっけもん(剛胆な者)ぞ。
亨は青空の下確かめるように小さく頷くと、威勢良く呼び込みを始めた。
槇が店内に戻ってきたのもあり、ちょっと休憩を取っていいと秋が言ったので、咲は店内のイーストスペースに座り甘酒やお菓子を肴にのんびりと店の様子を眺めていた。
甘酒を飲んでぽりぽりとひなあられを食べれば、店の入り口に軽妙に呼び込みをする亨の背中が見える。横では『萩屋』の従業員も手伝っており、談笑しながら仲良くやっているようだった。
(……まあ、亨君の手伝いはありがたいわ)
イベントがまさかのコスプレありきでどうなる事かと思ったが、返ってこれが目を惹き、客の入りも上々だ。亨の手伝いがなければ上手く捌けなかったかもしれない。
(うちの従業員達の亨君への印象も良いみたいだし……)
その時彼女の背後で、何人かの従業員が低い声で「あの野郎……」「お嬢を手籠めにしやがって……」と殺気立ちながら呟くのが聞こえた気がして、咲は思わず笑みを貼り付かせた。
(……い、いいみたい……?)
キャットロードの人通りも少し落ち着いてきたので、亨が店に戻ってきた。店内のイーストエリアは賑やかで、コスプレの客もおり、まるで宴が行われているようだ。その一角で、亨にぶんぶんと手を振るお雛様がいた。
「亨く~ん!」
咲だ。近付いて顔を覗けば、頬は桃色、目は少々とろんとしている。
(これはこれは……)
亨はにやけそうになる頬を慌てて押さえる。どうやら酩酊症体質の咲は、甘酒と店内の雰囲気にほろ酔い気分になってしまったらしい。
「さ、さ。亨君座って座って~」
にこにこと椅子を勧める咲に軽く頷いて、亨は隣に座った。この場で抱きしめたくなる衝動を何とか抑えながら。
亨も賑やかしいのは嫌いではない。咲がご機嫌で勧めてくるので、甘酒にお菓子と周囲の楽しげな客達に負けずに2人で盛り上がった。
咲が、可愛い。お雛様の姿で甘酒なんぞを勧められれば、ここは宮中俺は光源氏かと亨も自ら進んで酔いたくなる。しかし、ここは咲の家だ。亨は不埒な気持ちは封印するが、それでも幸せな気持ちは抑えられない。亨は口説き半分に優しく言った。
「俺ぁ咲と甘い物にゃ、目がなくてねぇ? こうしていられるなら挑んだ甲斐があったというもの。ありがとよ、俺ぁ幸せもんだ」
その甘い言葉に、咲はほろ酔い気分の頬をさらに赤くして、下を向く。
「……だからそんな甘々な気障な台詞はやめて……恥ずかしい」
控えめに抜かれた襟から見える咲のうなじがほんの少し色づき、また亨を誘う。咲という甘い酒。これはほんとに酔わされてしまいそうだ。いかんいかんと亨が首を振った時、バン! と2人のテーブルにトレイが置かれた。
見上げると、秋が鬼の形相で仁王立ちしていた。
「おい、餓鬼。うちの咲は商品じゃないんだ。店間違えてるみたいだから帰ったらどうだい」
秋が殺気を込めて亨を睨んだ。その後ろで槇が「まーまーお姉ちゃん」と言うが、止める気は全くなさそうだ。秋の言葉に咲がカッとして立ち上がった。
「待って姉さん! 今のはひど――――!」
言いかけた咲の肩を、くいっと押し戻す手があった。亨だ。亨は無言で咲を座らすと、自分はそのまま立ち上がり、秋と槇に向いた。
「お二人の心配もご尤もだ。しかし、聞いて頂ければ」
「何だい!」
噛みつく秋と黙っている槇に、亨は静かに視線を向けた。
「秋さん、槇ちゃん。俺は元より、喧嘩する気は無か。だが犬の睨み合いだけで試されるのも好かん。咲さん共々鍛錬にお付き合い頂くなり、店の手伝いなりしながら試されるなら喜んで受ける。考えて貰えんか」
亨は、真正面から言ってるのだ。喧嘩はしないが、咲から手を引く気は全くないと。その上で自分を好きにして貰って構わない、と。
この男気溢れる言葉を目の前で聞き、咲は真っ赤になった。
「なっ! 何言ってるんですか! ~~ッ!」
ううと咲は二の句が継げない。けれど、隣で真っ直ぐに自分の姉妹と対峙している亨の横顔は、惚れ惚れする程漢だった。これが、自分の好きな人なのだ。咲は、フッと息をつくと亨に言った。
「……まあ、どうしてもというなら咲も一緒に居てやるさ」
「ありがとう」
亨が、咲を見て微笑む。その様子を見ればこの2人の事は、誰にも邪魔出来ないのは火を見るより明らかだった。
うぬぬぬぬと秋が唇を噛む。槇がポンとその肩を叩いた。その顔は「もう、負けだよ。お姉ちゃん」と言っているようで。秋はちょっと悲しげに槇を見上げると、肩を竦める。そして亨と咲に向き直った。
「……フン、相変わらず言うじゃないか。確かにただ憎しで邪険にするよりそっちの方がよっぽど健全さね……好きにすればいいさ」
「姉さん!」
咲の目が大きくなる。しかし秋はニッと笑った。
「だけど手加減はしないさね。まあ、取りあえず…………もう手伝いはいいから2人とも出てけーーー!!!」
ガーッ! と秋が吠える。実は事の成り行きを固唾を呑んで見守っていた店内が大爆笑に包まれた。咲は真っ赤になりながら、亨は飄々とその視線の中店の奥に引っ込むと、早々に着替えて2人仲良く店を出て行った。
店内にいた客達に謝りながら秋がショーケースの所に戻ろうとすると、槇が声をかけた。
「秋お姉ちゃんいいとこあるね~。デートさせてあげたんだ♪」
にやにやする槇に秋はつまらなそうに口を尖らせた。
「フン。そんな事ないよ」
「まあでも、お姉ちゃん相手に面と向かってああいう事言えるのは肝据わってるね~……これならしばらくは安心かな?」
「どうだかね」
秋は興味なさそうに肩を竦めると、槇に向かって明るく笑った。
「さあ、2人減っちまったからね。頑張るよ、槇!」
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「なあ、今日は楽しかった? うちのお姉ちゃんが迷惑かけてごめんね」
キャットロードを歩く2人。咲がちょっと上目遣いに亨を見上げながら言う。亨はその瞳を優しく見つめ返した。
「んにゃ。秋さんや槇ちゃんが咲を大切に思うのは当然ち。楽しかったさ。俺も言いたい事は言ったし」
その言葉に、咲はほっとしたように微笑む。そして下を向き、小さく呟いた。
「でも……嬉しかったよ」
「ん? なにが?」
聞こえなかったのだろう。亨が咲の方に屈むように首を傾げる。その亨の頬に咲の両手が触れた。
「とにかくありがとうね、咲のお内裏様♪」
チュッ。柔らかく甘い感触が亨の頬に落ちる。不意打ちを食らったお内裏様は、ちょっと瞬きすると……笑いながら赤くなっている愛しいお雛様を抱きすくめた。―――店内で我慢していた分を上乗せして。
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1000人
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62人
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2017年01月21日
参加申し込みの期限
2017年01月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月28日 11時00分
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