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北条 冬華
は丁寧に食器棚を閉じた。
これでほぼ、今日のメイド仕事は終了だ。普段よりずっと早い。意図的に早い時間から着手したのだ。
決して手を抜いたつもりはないけれど、どうも今日の仕事はずっと、働いていたというより雲の中をさまよっていたような記憶しかない。
窓に小さな汚れを見つけると、冬華はエプロンのポケットから布きれを取り出した。
はあ、と窓に息を吹きかけるも、吐息で白くなった硝子をしばらく、触れるでもなく眺めている。
彼女の頭のなかをめぐるのは、
桜 月
から受け取ったメッセージ。
――明日、ステッラ・デッラ・コリーナで待ってるとか……。
どうしても思いだされてならない。さっきからずっとそうなのだ。
頭だけでなく、肌で、胸の奥で冬華は覚えている。
聖夜の過ごしたあの場所、ステッラ・デッラ・コリーナの一室を。
それから彼女は月から受け取った服、そして下着のことを考える。あのデザインは、月が冬華に対して、なにをしたいのかを物語っているのだろう。
はらりと手から布が滑り落ちたが、今の冬華は気がつかない。
数十分前のことだ。
「冬華さん」
仕事中の冬華のもとに、ひょっこりと桜月が顔をのぞかせた。
雪の妖精のように透き通った月の肌は、弱い冬の陽光のもとでも眩しい。いや、冬だからこそ映えるのだろうか。
「月さん。もうお戻りでしたか」
掃除機をかけていた手を止め、冬華はそのスイッチを切った。早いんですね、と声を掛ける。
「今日、冬華さんは用事があるから仕事を早退すると聞いている。だからその前に、と思って……」
月の赤い瞳は、今日は一段と色濃い。
そのはずだろう月の心には、情熱がたぎっていたのである。ペチカに揺れる焔のような。
冬華が掃除しているのは月の部屋だ。邪魔になりそうな人間は他にいない。
許されるならば今すぐにでも月は、冬華をやわらかなカーペットに押し倒し、唇を奪っていただろう。そうして、ひんやりした肌の下にある熱いものを求め、彼女の襟の間にその手を差し入れただろう。
何度もそうしてきたように。
もうすでに冬華の躰で、月の指と舌が触れていない場所はないのではないか。
だかいくら与えられようと、月は満たされなかった。冬華を独占したい、冬華にも私を好きになってほしい――その欲望に尽きるところはないのである。
けれど月はいま、己を抑えて冬華に語りかけていた。
「冬華さん、明日はステッラ・デッラ・コリーナのスイーツビュッフェに参加して、夕食もそこで取ろう」
子鹿みたいに軽いステップで近づくと、冬華の右肩に両手を掛け背伸びして、耳たぶをかじるように顔を近づける。
「……部屋も取ってあるから泊まっていこう……クリスマスに一緒に過ごした部屋だよ」
「あ……はい」
冬華が紅潮するのが、この距離からなら十分にわかった。
「服も用意してある明日はそれを着てほしい、もちろん自分で用意してくれても構わない」
告げるなりいくらか乱暴に、月は冬華の肩を押し下げた。背をかがめた彼女の頬を両手で挟み込むと、その唇を吸ったのである。最初は一度、軽く。間を置かず何度か、徐々に深くなるよう繰り返して。
最後は舌先で触れあって、唾液の糸を引きながら月は唇を離した。
「ホテルのレストランで待っているよ、また明日」
短く言い残すと、もう月は、振り返りもせず小走りで部屋を出たのだった。
月は包みを残している。そこには、ドレスと下着、靴がそろえられていた。
まだ舌に、月の感触が残っている。海外のキャンディーのような濃い甘味。
ぼうっとする頭を抱えたまま、夢遊病者のように冬華は自宅に帰り着いていた。
慣れた手つきで準備を終えて、自宅用のエプロンを腰に巻き、冬華はチョコレートを作り始めていた。正確な手つきで湯煎をはじめる。
きっと明日、月は告白してくるだろう。すでに肌を交え、同じシーツにくるまって朝日を浴びた間柄ゆえ、順序としては逆かもしれないが、きっとそうなるという予感はあった。
――月さんの気持ちは嬉しい。
とは思う。肉体の芯が熱い。
一方で冬華は月に対して責任、もっといえば罪悪感すら抱いている。
そもそも月を誘ったのは自分なのだ。目覚めさせたのが自分、と言っても過言ではないだろう。ろっこんの影響があったとはいえ、その後のことも考えれば、それは言い訳にしかなるまい。
でも、だからこそ。
――けれど、月さんは私に依存しすぎてる気がする。
どうしても連想されるのはかつて、事故で両親が亡きものとなったとき、冬華が抱いた気持ちだ。もし自分になにかあったとしたら、月はどれほどの喪失感を抱くであろうか。すでに冬華は月を深く知り、彼女の危うさ、脆さも理解していた。
もし告白されたら、と冬華は考える。受け入れるかわりに月にはひとつ、条件を出したい。
それは強くなること。
万が一冬華がいなくなっても、生きていけるだけの強さをもつこと。
湯船に体をひたしても、月の意識は明日のことにしか向かない。
冬華に渡したのは、落ち着いた雰囲気のドレスと靴だ。いずれも、彼女が冬華のためにデザインしたものとはいえ特別な意味はない。
月がメッセージをこめたのは、ともに渡した下着にあった。
レースの縁取り以外はすべて、白く透けているオーガンジーのランジェリー、布量も指先に引っかかる程度のものだ。ショーツのフロントは際どいハイレグで、ブラも含め刺繍は、肝心な場所を隠すよりも裸身を飾りたてるように、官能的な美しさを出すように仕上げられたものだった。
これを身につけたとき、冬華は裸身以上になまめかしくなるはずだ。
――彼女なら、明日の予定とあの下着で私の言わんとしている事を察してくれるだろう……。
月は目を閉じて、明日の冬華を想像した。
考えるだけで切ない気持ちになってくる。今すぐ冬華に触れたい、という気持ちを、自分に触れることで紛らわせた。小さな水音が立つ。
冬華さんは応えてくれるかな?
それだけが、いま月が馳せる思いのすべてだった。
明日渡す予定の手作りショコラは、冷蔵庫ですこしずつ固まっていることだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月17日
参加申し込みの期限
2016年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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