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【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
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●甘酸っぱいバレンタイン
(授業に全然集中できねー……英語はいつもだけど)
呪文のように流れる教師の英語をBGMに、
六月一日宮 檸檬
は机に教科書を立てて突っ伏していた。
いや、まあそれは彼が言うようにいつもの事なのだが、今日の檸檬はより一層集中できてない……というより挙動不審だった。
上を見たり、下を見たり。にっと笑ったと思ったらうむむと眉をひそめたり。何だか危ない人である。
(いや、だってしょうがないじゃん!)
檸檬がガウ! と反論してくる。ふむふむ、聞きましょう。
(今日って全男子が喉から手が出るあの日じゃん?)
あの日……? ああ、なるほど分かりました。今日は、2月14日ですね。
2月14日。その単語がはっきりと頭に浮かぶと、檸檬はまたガバリと机に突っ伏した。
(……くれなかったらどうしよう)
檸檬はドキドキしていた。女の子からの本命チョコは人生で何度もない――――「何度も」とあえて言っておこう―――バレンタイン。でも、今年は違うのだ。多分、違うのだ。
澪乃 澄佳
。彼女のほんわかした笑顔を思い浮かべると檸檬の心臓はドキンと跳ね上がる。彼女と恋人同士になって初めてのバレンタイン。彼は今期待と不安のシーソーの真ん中で体育座りをしていた。
澄佳センパイからのチョコは欲しい。死ぬほど欲しい。けれどそんなの強制するもんじゃないし、もしかしたら澄佳センパイは俺に渡したくないかもしれない。
ググーッとシーソーが不安に傾き、檸檬は椅子から転げ落ちそうになる。とその時、彼のポケットで携帯がヴーッと震えた。
教師に見つからないようそっと画面を開くと、澄佳からのメール。それを読んでいる檸檬の顔がみるみるうちに笑顔になった。
(放課後、屋上? あ、俺部活だから……)
澄佳からの屋上への呼び出しに、檸檬は慌てて練習後でもいいか返信する。するとすぐにOKの返事。それを確認すると檸檬は携帯をしまい、勢いよく机に突っ伏した。
(わー、マジか! きょ、今日は2月14日……き、期待していいのか俺?!)
檸檬の胸は期待に膨らむ。そして同時に彼の脳裏に
以前に澄佳と会った時
の事が思い出された。
(キス……したよな)
彼女の柔らかな感触を思い出し、檸檬はうわあと身悶えてしまう。隣の生徒が明らかに引く中で、今度はハッと顔を上げた。
(どうしよう、俺きちんとセンパイと顔合わせられるかな)
嬉しくなったり、不安になったり。青春真っ只中の少年は緊張で変な汗まで出てきてしまう。しまったと檸檬はろっこん<フレッシュフレーバー>を発動した。檸檬の汗臭さは掻き消され、教室中に仄かなレモンの香りが漂い始める。爽やかな空気の中、10組の授業は進められたのだった。
部活も終わった夕方。今にも降り出しそうな暗い天気の中、澄佳は屋上に急いでいた。
(もう、檸檬くんは来てるかねえ)
勇気を出して自分から檸檬を呼びだした澄佳であったが、もう会う前から緊張していた。いや、実はチョコを作ろうと思った時から緊張していた。
(だ、だって初めての本命チョコだもん……なんま緊張するよう……!!)
澄佳が作ったのはハチミツを生地に織り込んだチョコタルト。生地の甘い分、チョコも甘めにしつつあっさりさせるのが難しく、昨日まで散々試作をし、なんとかこれだ! というものに仕上がったのだ。
(喜んでもらえるべかな……。カノジョ、としてしっかり渡さねえと!)
カノジョ。
自分で言っておいて澄佳はその響きに顔を赤らめる。自分が、檸檬くんの、カノジョ。
何だかわーっと胸が熱くなり、澄佳はぶんぶんと首を振る。そしてまた屋上へと駆け出した。
部活が終われば全ての生徒は許可がない限り下校時間である。屋上も例外ではなかったが、檸檬はこっそり鍵を拝借し、先に澄佳を待っていた。―――勿論、部活後だからろっこん発動も忘れずに。
「檸檬くん!」
澄佳の声がして、檸檬の心臓は跳ね上がった。ぎこちなく檸檬が片手を挙げると、澄佳は息を切らせて駆け寄ってきた。
「ごめんね、待たせただべか?」
「い、いや、全然……」
それ以上言葉が続かない。なぜだか、澄佳の顔をまともに見られなかった。
放課後のチャイムの音が響き、通り抜ける冬の風が2人の髪を揺らす。その不自然な沈黙を破るように、澄佳が口を開いた。
「あ、あの……は、ハッピーバレンタイン!」
澄佳は檸檬の目の前に持っていた包みを差し出した。
「えとその、チョコさ作ったから、これっ! レモンは難しくて使えなかったけれど、甘いの好きかなって甘めにしたの! あの、よければ食べて味さ教えてっ!」
目の前の包み。両手で差し出す澄佳の赤い頬。心臓の音が煩すぎて全ての音を掻き消してしまう。
(これ、現実だよな?)
目の前の澄佳ごと何もかも消えてしまうのではないかと不安になりながら、檸檬は恐る恐る包みを受け取る。包みはしっかりと檸檬の手に収まり、澄佳が消える事はなかった。
「ありがとう……ございます」
夢見心地で礼を言う檸檬に、澄佳は恥ずかしそうにぶんぶんと首を振る。檸檬が頭を掻きながら照れ臭そうに笑った。
「嬉しすぎてやばいっす……好きな人からのチョコだから特に、ですかね」
「そんな……檸檬くん、恥ずかしいよう」
ひゃあと耳まで赤くなる澄佳に、檸檬が言った。
「今ここで食べても?」
「もちろんだよう!」
澄佳は大きく頷く。檸檬は屋上の床に座ると、包みを開け、感嘆の声を上げた。
「おー、すっげー! 手作り……! では遠慮なく、いただきますっ」
檸檬は中からタルトを1つつまむと、もぐもぐと食べる。横で澄佳が、
「味はどうだべ? 甘すぎる?」
と心配そうに聞く中、ごくんと喉を鳴らすと目を細めた。
「んー美味しい!」
「よかったようー」
ほっとしたように澄佳が胸を押さえる。檸檬が感心したように言った。
「センパイってお菓子作るの上手っすよね。飾りとかも凝ってるし」
「食べてもらえて、よかったよう……好みの味になったかしら?」
「好きなお菓子はやっぱレモンを使ったお菓子っす! レモン風味のマドレーヌとか」
檸檬はそう元気に言いながらも、またチョコタルトをパクリと食べた。
「あら、やっぱりレモンの味が好きなんだねえ。次はレモンの合うお菓子にしないとっ」
笑う澄佳に檸檬はにっと笑った。
「いや、澄佳さ……澄佳センパイが作ったものなら何でも食べるっす」
(俺、今うっかり澄佳さんって言おうと……!)
気付いた檸檬は慌てて口を押さえる。その時だった。
先程から非常に怪しい雲行きだったが、とうとうサーッと小雨が降ってきたのだ。2人は急いで屋上入り口の軒下に避難した。
2人は薄いカーテンのように周囲を覆う霧雨を眺めていた。
屋上の屋根はこの出入口の小さいものしかない。檸檬はそっと自分の横に立つ澄佳を盗み見る。彼女はタルトの包みを抱え、中が濡れてないか心配しているようだ。檸檬は彼女の少し濡れてしまった前髪を見ながら、6月に
彼女と一緒に出掛けた
時の事を思い出していた。
あの時は神魂の影響で手が離れなくなっていた。それは言わば強制で。俺の意志とは関係なくて。ずっと繋がっていた手も、近い距離も言い訳が出来た。
檸檬は目の前の雨を見る。まだその雨はやみそうになかった。
檸檬は前を見ながらもそっと横に腕を伸ばした。そしてその手をぷるぷるさせながらも澄佳の肩に触れ、ぐっと引き寄せる。
はっと澄佳が顔を上げた。
「センパイ……濡れちゃうっすよ」
横が、見られない。首が固まったかのようにひたすら前を見続ける檸檬の胸に、とん、と澄佳が身を寄せる気配がした。
もう駄目だった。檸檬は弾かれたように澄佳に向かうと、両手で力強く彼女を自分の胸に抱き締めた。
「檸檬……くん」
腕の中で小さく澄佳の声がする。檸檬の頬に彼女の柔らかい髪の毛が触れ、頭がかっと熱くなった。どうして彼女はこんなに柔らかいんだろう。どうして彼女に触れるとこんなどうしようもない気持ちになるのだろう。
檸檬が腕に力を込めた時、扉の向こうから微かな声がした。
「お~い、誰かまだ残ってるのか~?」
(―――見回りだ!)
バッと檸檬と澄佳は顔を見合わせる。さっと澄佳とともに檸檬はしゃがむと、素早く屋上の鍵を閉めた。
ガチャガチャ、ガチャガチャ。
ドアノブを回す音が頭上でする。目をまん丸くする澄佳に、檸檬はしーっと人指し指を立てた。
「鍵はかかってるのか……気のせいか」
扉の向こうで誰かが首を捻る気配がする。そしてそのまま足音は遠ざかっていった。
しばらく2人は動かなかったが、完全に人の気配がなくなり、ほーっと檸檬は力を抜く。そして隣を見ると。
澄佳が真っ赤な顔で両手で口を押さえていた。
「もう大丈夫っすよ、センパイ……ってその顔……!」
あまりの可愛らしさに檸檬はくくくっと笑い出す。澄佳はプハッと手を離し、
「もー、笑うなんてひどいよう!」
と片手を挙げたが、笑い続ける檸檬につられて自分も「……あー、怖かった!」と笑い出した。
しばらく大笑いする2人。そしてお互いの顔を見て、ふふふと幸せそうに微笑み合った。
「……帰ろっか」
立ち上がり、檸檬が澄佳に手を差し伸べた。
「うん」
澄佳はその手を取り、立ち上がる。
澄佳の柔らかな小さい手を、檸檬は包み込むように握り締め、2人は仲良く屋上を後にした。
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
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学校生活
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定員
1000人
参加キャラクター数
46人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月15日
参加申し込みの期限
2016年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月22日 11時00分
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