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【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
【バレンタイン/スウィート】ぎぶみーちょこれーと(ツンデレ)
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●ぎぶみー!
「……今日は大変な1日になるぞ」
頭のグラサンを朝日にキラリと光らせ、
八十八旗 信彦
は昇降口の前で眩しそうに目を細めた。
今日は、バレンタイン。俺に想いを伝えられないシャイな寝子高レディ達が、勇気を出す事が出来る1日。
信彦はさっと髪を掻き上げる。
レディ達の愛、全部受け止めようじゃないか。例え彼女達のチョコで俺のナイスプロポーションが少々変動しても。愛の重さの前ではそんなのは大した事じゃない。
信彦は脳内の麗しきレディ達にその白い歯を見せて微笑みかける。そしていつも軽い足取りだが今日は踊ってんじゃないのってくらい軽すぎる足取りで校舎に入っていった。
「今日は……渡すんだ」
バレンタイン=手作りハート型のチョコ。このど定番なアイテムをその豊かすぎる胸に抱きしめ、
上穗木 千鶴
はきょろきょろと周囲を見回した。
目の前には、1年2組の下駄箱。目指すのは、信彦の場所。
ふうっと千鶴は息を吐いた。落ち着け、落ち着くんだ。
恋心を抱いているくせに、いつも信彦に素直になれない千鶴。……でも、今日こそは。
千鶴は綺麗にラッピングされた胸のチョコをきゅっと抱きしめる。
気合いを入れて作ったチョコレート。普段言えない想いを込めて作ったチョコレート。信彦くんに……貰ってもらうんだ!
勇気を出して千鶴はざっ! と1歩を踏み出す。そこに背後から声がかかった。
「そこにいる可憐なレディはちーちゃんかい?」
「 ?!?!?! 」
ご機嫌な信彦の声に、千鶴の心臓が本気で止まりそうになる。そんな事に気付かず信彦はぽんと背中を叩いた。
「おはよう。どうしたんだい、普通科の下駄箱で。待ち合わせかい?」
「……ち、ちが……」
「え? 血が? 大変だ、ちーちゃん怪我をしたのかい?!」
「違うんだーーーー!!!」
バビューン!!
信彦から必死にチョコを隠し、陸上部から勧誘が来るんじゃないかというくらいの速さで千鶴はその場から逃げ出してしまった。
取り残された信彦はポカンとしていたが、まあどうやら千鶴に怪我はないようだと安心する。そして気持ちを切りかえ自分の下駄箱に向かい合った。
「さあ、レディ達の愛とご対面だ」
信彦は勢いよく自分の下駄箱を開ける。そして勢いよく閉めた。
「おや? おかしいな」
信彦は目をこすり、もう1度開けてみる。その中は見事に空っぽであった。
「……開けるタイミングや角度がマズかったのかもしれない」
訳の判らない事をいいながらしばらく信彦は下駄箱の開け閉めを繰り返す。そしてポン! と手を叩いた。
「そうか、教室の机か! 確かにここではいくらも入らないからな」
うんうんと1人頷くと、信彦は空っぽの下駄箱に自分の靴をしまい教室を目指した。
素晴らしいスピードで廊下を駆け抜けた千鶴はぜえぜえと息をついていた。そして少し呼吸が落ち着いた頃、千鶴はハタと気付く。
(机! 信彦くんの机に入れればいいんだ!)
何かの用事で2組に入るフリをして、そっと入れておけばいいのだ。これなら人も多いからかえって目立たない。
この素晴らしい名案を早速実行に移すべく、チョコを握り締めまたもや千鶴は廊下を走り出した。
おでこ全開で2組の教室の前に辿り着いた千鶴は瞬速で信彦の机を探す。しかしそこには本人の姿があった。
(あああ~、遅かった!)
千鶴は柱の陰に倒れ込む。またもやチャンスを逃してしまったと涙目になっていたが、ふと信彦の様子がおかしい事に気が付いた。
(……何してるのかな?)
信彦は自分の席に座り、机の中を確認しては体を起こすという動作を繰り返している。そして信彦はむむと腕を組み、何かを1人呟いた。千鶴は得意の読唇術で、彼の唇の動きを読み取る。
「……しゅれ……でぃんがー……の……つく……え……?」
鸚鵡返しに呟きながら千鶴は首を捻った。(説明しよう! 信彦の言う『シュレディンガーの机』とは、確認しなければチョコが入っている可能性が残り続けるかもしれない机、という意味だ! うん、夢がある机だね!)その後も千鶴は信彦の動きを注視していたが、彼はあの呟き以降ピタリと机の中を覗く事をやめてしまう。
机が一体どうしたのかと千鶴は気にはなったが、兎にも角にももう信彦は離席する気はないようだ。千鶴は肩を落とし自分の教室に戻った。
「お か し い !」
とうとう帰りのHRまで終わってしまい、信彦はざわつく教室で1人叫んだ。
チョコが、もらえないのだ。とうとうさっき我慢しきれず自分の机の中を確認したが、やっぱりチョコは入っていなかった。
(下駄箱にもなかったし、どういう訳だ?!)
まさかこんな事態が起きるとは思わなかった。自分のイケメン紳士ぶりに絶対の自信を持っている信彦は眉をひそめて考える。こんな、自分が1つもチョコをもらえないなんて事が本当にあるのか?!(実は彼は、この日とは別に彼女とチョコ作りをしたり、他の女友達から義理チョコをもらったりなんてしてるのはナイショの話である。彼はいつでも今を生きているのだ)
うーむうーむと考えていた信彦は1つの結論に至った。
(寝子高のレディ達は異常に恥ずかしがり屋さんなんだ!)
そうか。そうだったのか。そんな事にも気付けなかった自分は何て大バカ者なんだろう。これでは紳士失格ではないか。
「済まなかったな、レディ達」
目を閉じながらふふと信彦は微笑む。そして両手を大きく広げて言った。
「恥ずかしがり屋のレディ達がチョコを渡しやすいように、俺が動こう。待っててくれ、シャイな子猫ちゃん達!」
そしてポカンと信彦を見つめる周囲の視線など全く気付かずに、愛のために信彦は廊下に飛び出した。
千鶴はチョコを胸に、とぼとぼと廊下を歩いていた。
あれだけ綺麗にラッピングした信彦へのチョコは、今日1日隠したり握り締めたりと散々に扱っていたため、もうベコベコになってしまっている。千鶴は立ち止まると己が作ったチョコをじっと見て、はあと溜息をついた。
―――なんだか、ぼくの心みたい。
最初はピカピカで、信彦くんに渡す楽しみに溢れていたのに。気付けばもう放課後で未だに彼に渡せていない。もう彼はきっと誰かにチョコをもらってしまっただろう。こうやって、自分の恋心はへこんでいくのだろうか。
思えば思うほどボロボロになってしまったチョコが愛しくなってくる。千鶴は目の端に涙を滲ませながら、そっとチョコを抱きしめる。そしてもう1度溜息をついて顔を上げた時、目の前に信彦がいた。
「の、の、の、の―――!!!」
あまりにびっくりした千鶴は彼の最初の1文字しか言葉に出せず、ただひたすらに信彦を指さす。だから、忘れてしまったのだ。信彦からチョコを隠すのを。
信彦は千鶴が可愛らしいハートの包みを持っている事に気が付いた。
―――あれは、チョコだ! 今日初めて見るチョコだ!
信彦の瞳が喜びで輝く。もう信彦は恥も外聞もなく千鶴にパンッと両手を合わせ、頭を下げた。
「神様、仏様、ちーちゃん様! 恵まれない俺にギブミーチョコレート!」
驚いたのは千鶴だ。渡したいと思っていた相手が自分に向かってチョコをくれと頭を下げているのだ。何が何だかさっぱり分からず、千鶴は後ずさりしながら信彦に訊いた。
「の、信彦くんチョコもらってないの?」
「そう、それがホントにサッパリなんだよ。皆、シャイなのかな? 不思議だよね?」
手を合わせながら信彦が首を捻る。千鶴は彼の答えについ口の端を緩ませてしまう。
(信彦くん、誰からももらってないのか。よ、よかったぁ……渡そうか迷ったけれど、こ、これなら堂々と渡せるよ)
思わず千鶴はキュッと手元のチョコを握り締める。それでもそんなほっとした、そしてちょっと気恥ずかしい気持ちを信彦に悟られないよう、プイと横を向き、胸を反らした。
「信彦くん、きみが誰からもチョコをもらえないのは自業自得というやつだよ」
「え~、ちーちゃんそんな事言わないで!」
「で、でも」
千鶴は手が震えないよう頑張りながら、何でもない物のように片手で自分のチョコを取り出した。
「そこまでお願いするのなら、し、仕方ないなあ……ほら、これ、ありがたく受け取るんだよ?」
差し出されたのはちょっとベコベコになったチョコレート。千鶴の色々な気持ちが詰まったチョコレート。
そんな事とは露知らず、信彦は嬉しそうにチョコを受け取る。
「サンキュー、ちーちゃん! 本当にありがとう!」
ちゃっと信彦はウインクすると、自信を取り戻したのか背筋を伸ばし颯爽と去って行った。
(良かった、渡せた……!)
信彦の小さくなる背中を見つめながら千鶴は嬉しさでいっぱいになる。と、同時に恥ずかしさがこみ上げてきて、千鶴は1人真っ赤になってしまった。
(あー、恥ずかしかった!)
ふうと千鶴は息をつく。そして実は今までの事の顛末を「このリア充野郎共が……」と見守っていたたくさんのシングル達の視線があったのだが、そんな事には全く気が付かないくらい幸せな気持ちでその場を後にするのだった。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
46人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月15日
参加申し込みの期限
2016年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月22日 11時00分
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