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【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
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●溶けないチョコレート
猫鳴館の自室でネットサーフィンをしていた
神野 美野梨
は、バレンタインが近かったせいだろうか、ある掲示板の『チョコレート眼鏡を作りたい』という書き込みに手が止まった。
(へえ……面白いわね)
それは自分が眼鏡をかけているからだろうか、それとも友人……というにはもう少し近しい人が眼鏡をかけているからだろうか。ともかく興味を引かれた美野梨はもっと詳しく調べだした。
本当に眼鏡そっくりなチョコレートを作るにはどうしたらいいのだろう。眼鏡をかけて溶けてしまっては元も子もない。溶けないチョコは……と思い探してみると、実際に開発した研究者がいる事を突き止めた。
「これは……でき、そうよね……。耐熱実験をしなければいけないわ……」
美野梨の瞳が真剣なものになる。何を準備したらいいのか、製造過程はどういったものか。美野梨は手際よく情報の整理を始めた。
そして、バレンタイン当日。白衣を着た美野梨の姿が理科室にあった。
机には手順が書かれた資料と、本日チョコを作るため、美野梨が用意した様々な材料。そこは理科室なはずなのに……まるで家庭科室の様相を呈していた。
そこに広げられた材料を使い、美野梨は実験を始めた。
「溶けない粉砂糖というのがあるのね……」
「ココアバターを均一に行き渡らせる『コンチェ』という作業の前に行われる微粒化の工程を、コンチェ後に行うことで温度耐性を高められる……なるほど」
美野梨が1人呟く言葉を聞いていると、おおよそチョコを作ってるとは思えない(いやまあ普通理科室では作らないが)。しかし美野梨は大真面目だ。
溶けないチョコの形を変えるのはどうしようかしら? やはり彫刻刀か、電動のこぎりでの作業?
段々作業過程が理科室ではなく技術室のものになってきたが、まあ、ともかく。
「……なかなか難しかったけど、どうにかなったわ」
ふうとおでこに手を当て、美野梨は机を見下ろす。そこには見事なチョコレート眼鏡が出来上がっていた。
美野梨はチョコ眼鏡のつるの部分を両手で丁寧に持ち、ゆっくりと眺め回す。そして満足そうに頷くと、アルミのトレイにそっと置いた。
いくつか失敗して溶けたチョコは、またリサイクル。型に入れ普通の手作りチョコにする。出来上がったそれらもチョコ眼鏡と一緒にトレイに載せた。
そして理科室の片付けを済ますと、美野梨はアルミトレイを持ち、実は理科室に来る前に1度立ち寄っていたある場所に向かった。
新井 すばる
が
ミステリ研究会
の部室に来た時、そこは無人だった。
扉を閉めて机に荷物を置こうとした時、その上にメモ用紙があるのを発見する。そこにはメッセージが書かれていた。
『部室外作業中、用事があれば理科室に』
ふ~んとすばるはメモ用紙を手にする。
(まあ、推理するまでもなく神野さんの字だね)
部室外作業中とはどういう事だろうか。何かおもしろそうな事件でもあったのだろうか。
すばるは携帯を取り出しネコッターをチェックする。しかしそこにはバレンタインに関しての悲喜交々の呟きばかりで、どこにもミステリーの匂いはしなかった。
(校内に動きはないな。皆バレンタインに夢中だ。いたって普通の……)
そこまで考え、すばるは「ん?」と声を上げた。
「バレンタイン?」
すばるは素早く先程のメモをまた手にし、くんくんと紙の匂いをかぐ。そこには仄かにチョコの香りがついていた。
チョコの香り……理科室で作業。そこから導き出される結論は。
(まさか手作りチョコ?)
理科室で作るというのがまた美野梨らしい。そっか……とすばるは納得したが、地味にダメージを受けている自分に気が付いた。
なんとなく、彼女はいつでも自分の隣にいるものだと思い込んでいた。けれど、今彼女は自分の隣にいることなく、理科室でチョコを作ってる……ボクの知らないヤツのために。
チョコの香りがするメモを力無く机に置くと、ふーっとすばるは深い溜息をついた。
(そうだな。隣にいる、なんてボクの勝手な思い込みだよな。ましてやつき合ってるわけでも……)
落ち込む思考と共にすばるの頭も垂れていく。と、その時部室の扉が開いた。
「ああ、すばるくん来てたのね、よかったわ」
美野梨が姿を現した。すばるはやや声を裏返しながら片手を挙げる。
「や……やあ、神野さん作業は終わりかい?」
すばるの言葉に美野梨はにっこり微笑んだ。
「お陰様でとても上手く出来たわ……チョコ眼鏡」
「チョコ……眼鏡?」
チョコまでは想像出来た。が、……眼鏡? 想定外の単語にすばるが思わず聞き返す。美野梨はすっとトレイをすばるの前に差し出した。
「―――ほら、なかなかでしょう?」
「……チョコ眼鏡を実際に作ってみたかった、という訳なんだね。なるほど」
美野梨から理科室でのチョコ作りの理由を聞き、すばるは心のどこかでホッとしながら頷いた。
「そっかー、確かに上手に出来てるね」
気分が軽くなったすばるは何の憂いもなくしげしげとトレイの上のチョコ眼鏡を見つめる。その隣で美野梨が言った。
「すばるくん、どうぞ」
「え……どうぞって……くれるの?」
思わずすばるが体を起こす。美野梨はええと頷いた。
「ちゃんと包装してなくて申し訳ないけど。後で袋には入れるわね。変なものは入ってないから大丈夫よ」
「いや、そんなことは全然思ってないよ。ありがとう、うれしいよ。いや、ははは、バレンタインにチョコとか貰ったことないし」
先程の落ち込みはどこへやら。すばるの声は本当に嬉しそうだ。
「包装か……そうだな、帰りに箱を買って帰ろうかな。母さんや妹に自慢しないと」
すばるはウキウキしながら自分の眼鏡をはずし、代わりにチョコ眼鏡をかけてみた。
「どう似合う?」
ポーズを取るすばる。美野梨もその姿を見てほっとしていた。……良かった、喜んでくれてる。
すばるはまた丁寧にチョコ眼鏡をはずすと、しげしげと見つめた。
「うん、手にもついてないし溶けてない。成功だね、おめでとう」
「ありがとう」
すばるの賛辞に美野梨は素直にお礼を言う。しかしすばるはこう言葉を続けた。
「でも欲をいえばバレンタインだし、もう少し砂糖を入れてほしかったかな?」
え? と美野梨は驚く。砂糖の量は普通に入れたはずだ。すばるはそんなに甘党だっただろうか?
「砂糖増量? 甘いのが好きなら足しましょうか?」
不思議そうに訊く美野梨にすばるは静かに微笑みながら首を振った。
「……いや味のことじゃないよ、気にしないでいい」
ますます首を傾げる美野梨にすばるは苦笑する。
このチョコは実験結果のチョコ。でも、これがボクのためだけのチョコだったら……とってもとっても甘いんだけど。
そんなチョコだったらいくら甘くてもいいと思いながら、ふとすばるは美野梨に問いかけた。
「でも、なんで急に溶けないチョコに興味が?」
「なんでって……」
美野梨はすばるの問いにすぐには答えられなかった。最初はチョコで作る眼鏡が気になって、そのためには溶けないチョコが必要かと思って。でも確かに最後には溶けないチョコそのものを作ることに夢中になってた。どうしてなのかしら……。
美野梨はしばらく口元に手を当て考えていたが、ゆっくりとその口を開いた。
「そうね……チョコが愛情の象徴であるなら、溶けないほうがいいんじゃないかしら?」
「愛情の象徴?」
「ええ……なんとなくそう思ったのだけど」
「愛情の象徴か……いいね」
すばるはチョコ眼鏡を見ながら小さく頷く。それは、美野梨が持って来た時そのままに美しい形を留めていた。
「それでね、昼休みに七夜さんのチョコを食べた
雨崎くん
が、どうやら保健室に運ばれたらしいんだよ」
「そうなの? それは興味深いわね……なぜかしら? 雑菌が増殖しているのか、砂糖と間違えて毒性のものを使っているのか……それとも神魂の影響?」
「なかなか破壊力のあるチョコだよねー」
「七夜さんのチョコ、1つもらって成分を分析したいわね……今からでも手に入らないかしら?」
今日の出来事などをお互い報告しながらしばし2人は部室で楽しい時を過ごす。そしてそろそろ帰ろうかという算段になり、彼らは仲良く片付けをした。そして部室の扉を開けて外に出ようとした時、すばるはくるりと美野梨の方を振り返った。
「神野さん」
そしてすばるは「バレンタインなんて関係ないよ?」と言いつつ言葉を続けた。
「……その愛情の象徴といえるチョコに憧れていた男がずっとほしかったソレを突然手に入れた。その男がどうなったか知ってる?」
「えっ……どうなったの?」
「とても幸せになりましたとさ、めでたしめでたし」
ふふと微笑んですばるは背中を見せた。その背中を見ながら美野梨はぼうっと思っていた。
そういえば、出会って初めてのバレンタインだったわね。いつも隣にいるのが自然で気付かなかった……。
美野梨は何だかくすぐったいような不思議な気持ちになる。その時声がした。
「―――どうしたの?」
はっと気付けばすばるはもう廊下に出て部室の鍵を手にしている。
「ごめんなさい!」
美野梨も慌てて廊下に出た。
戸締まりをすると2人は並んで歩き出した。
いつもより、ゆっくりと。いつもより、ちょっと近い距離で。
初めての、2人のバレンタイン。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
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NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
46人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月15日
参加申し込みの期限
2016年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月22日 11時00分
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