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【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
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●甘くて苦い
郡 トモエ
は、放課後だというのにみんなどうした帰る家を忘れたのかってくらいまだわらわらと生徒が残っている廊下を、キョロキョロしながら歩いていた。
胸には、綺麗にラッピングされたチョコの包み。そのロゴは、見れば誰もが「ああ、あの高級チョコの」と分かる海外のチョコメーカーのものだ。
中は可愛らしいチョコアソート。1粒1粒がお高いのでそんな大きな物は買えなかったが、それでも高校生にしてはちょっと奮発しましたというに十分なお値段だった。
―――本命用と言っていいかもしれない。トモエは大事にチョコを持ち直しながら、意中の人の姿を探していた。
(南波先輩、どこかなぁ……?)
南波 太陽
は夢見るチャラ男だ。軽いノリに軽い言動。女好きで人懐っこくまあよく喋る。
けれど、トモエは何となく彼の事が気になっていた。彼と話すと楽しくて、校内で彼の姿を探してしまう程度には。
手紙は、渡せなかった
。けれど、チョコくらいはさりげなく渡したい。
(それくらいの勇気は持つんだから……!)
グッと拳を握り天井を見上げたトモエの耳元に、背後からいきなり誰かが囁いた。
「ちょっこりーす♪」
それは、太陽の声だった。
「わーーーーーっ?!?!?」
ずざざざざっ!
トモエが漫画のように慌てふためき壁にへばりつく。それを見て太陽はトモエに囁いたままの姿勢で、ポケットに両手を突っ込みながらぱちくりと瞬きをした。
「あー……そんなに驚くとは思ってなかった……悪かったッス」
「いえ! いや! そんな! 驚いてなんか! あははははは!」
あせるトモエを前に太陽は「えー、オレそんなに女子に嫌われるタイプ? 超絶ショックなんだけど」と、眉と肩を情けなく下げる。その様子にトモエは噴いてしまった。
「いや、そんなんじゃないですって」
いつもの明るくて楽しい南波先輩だ。トモエは肩の力が抜けた。これならチョコもさりげなく渡せそうだ。
「先輩今日はどのくらいチョコもらったんですか? いっぱいもらえましたか?」
トモエはいつもの調子で太陽と並んで話をしていた。今日はバレンタイン。チョコの話題も全然不自然ではないはずだ。
「たくさんの子猫ちゃんがオレにくれたッス……友チョコを」
遠い目で太陽が呟く。その中に本命チョコも混じっているだろうとトモエは思ったが、軽い調子で自分も太陽にチョコを差し出した。
「じゃあうちからもチョコでーす!」
「ユーからも? やっぱ女の子からもらえると嬉しいッスね」
太陽は笑顔でチョコを受け取る。その目がお、と大きくなった。
「コレ、結構高めのヤツじゃね?」
ドキンとトモエの心臓が跳ねる。それを押し隠してトモエは言った。
「大事に食べて下さいよー。なにせ奮発したんですから!」
「すっごいじゃん。開けてもいい?」
太陽は興味を引かれたようだ。トモエがどうぞどうぞと言うと、ガサリと包みを開いた。
「うわー、パッケージも中も可愛いッスねー。うまそー」
目を輝かす太陽に何だかトモエは嬉しくなってしまう。滑らかに太陽に向かって口を開いた。
「そうですよー、可愛いでしょう? 味も結構美味しいはずですよ! 何せ本命用の……ってあっ!?」
―――滑らかすぎた。
慌てて口を押さえたが、零れた言葉が戻ってくる訳がない。
トモエの零した言葉はしっかりと空気を振るわせて。
太陽の耳に届いていた。
「……本命?」
太陽が真っ直ぐにトモエを見た。トモエは血の気が引く。
(どうしよう……っ?!)
こんなつもりではなかったのだ。ただもらってくれるだけでよかったのだ。だけど、太陽が自分のチョコに興味を持ってくれたのが予想外に嬉しくて。
トモエは今更ながらに自分の浮かれ具合に腹が立ったが、どうしようもない。沈黙が2人を包む。太陽がこんなに黙っていたことがあるだろうかいやない。きっと、自分をフる文句を考えてるんだ。優しい人だから、傷つけないようにって考えて。ああ先輩ごめんなさい、そんな心配させて……!
覚悟を決めてギュッと目をつぶった時、太陽の声が落ちてきた。
「なんスか! 今ってチョコを本命用と友チョコ用に分けて売ってるんスか! 味にまで差をつけるなんて、差別じゃね?!」
……え?
驚いてトモエが目を開くと、目の前で太陽がぷんすか怒っていた。
「全くひどい世の中ッスねー、世知辛い! お、オレカッコいいこと言った」
自分の言葉に太陽はちょっと感動してから「悪かったッスね」とトモエを片手で拝むようにして謝った。
「オレが先輩だから友チョコも気をつかってくれたんスね。ありがとッス」
「え……えと……」
「でもつーことはこれ、超美味いってことッスね! ラッキー!」
太陽はそう言うと、早速トモエからのチョコを一つまみ。もぐもぐと味わい、く~っとその目を細めた。
「なにコレ! すっげー美味い! そうだ、子猫ちゃんも食べるといいッスよ!」
屈託無く太陽がチョコアソートを差し出す。トモエは焦点の合わない目でそれを取り、口に放り込んだ。
「ね? 甘くて美味いっしょ?」
「……そうですね……」
「さっすが本命用のチョコだなー!」
嬉しそうな太陽を前に、目尻にキラリと何かを光らせながらトモエは1人自分のチョコを味わっていた。
このチョコは……甘くて苦い。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
46人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月15日
参加申し込みの期限
2016年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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