【スキー＆スノボ合宿】白銀の世界へようこそ！｜リアクション

【スキー＆スノボ合宿】白銀の世界へようこそ！

●就寝時間までの自由行動

　夕食と入浴を済ませた旅鴉月詠は、ロビーの一角を占拠してカリカリと鉛筆で絵を描いている。
「一息いれよう」
　合間にコンソメスープで休憩するが、それ以外は絵を描く。

「酷い目に遭ったな……」
「熊が出るとは思いませんでしたー」
「……無事、戻れましたね」
　ナイターから帰ってきた八神修、椿美咲紀、常闇月は疲れ切った表情で帰ってきた。
「ナイターお疲れ。スープいる？」
「ああ、いただくよ」
　気分を落ち着かせるのには丁度いいと、修達は月詠にコンソメスープを用意してもらうことに。

　温かいコンソメスープを飲んで落ち着いた修は、ゲレンデに熊が出たことを話した。
「熊が出た？　がおー」
「失礼なのだ！　がおーは熊じゃないのだ！」
　帰ってきたばかりの後木真央が怒る。
「いや、私は熊の鳴き真似をしたんだが。紛らわしかったかな」
　たしかに熊は「がおー」と鳴くのだ、と怒ったことを謝る真央。
「何を書いているのだ？」
　スケッチブックを覗きこんだ真央が見たのはスキー講習での様子のスケッチ……なのだが、主に女性中心のいろんな人物だった。
「寒さ対策に着膨れた女の子達を可愛らしく描いてみた。苗場の白雪姫、といったところかな」
「ここは富士山麓なのだ」
　そのツッコミには「まあ、細かいことはいいじゃないか」と一言。
「止まっていても、こけたりしていても女の子達は可愛いものだ。そう思わないか？」
　そう言いながら、スキーやスノボをしている躍動感をしっかり出すように続きを書き始める。
「旅鴉、スープご馳走様。そろそろ部屋に戻らないと先生に怒られるぞ」
　体が温まり、楽しい会話をした後、修は部屋に戻ることに。
　美咲紀と月も、明日に備えて部屋で休むことにした。

「旅鴉、そろそろ就寝時間だぞ。部屋に戻れ」
　ロビーを見回っている先生に注意されたが、月詠はそれでも描き続けている。
「どうです先生、この絵」
「良く描けているが、続きは明日にしろ。午前中に講習があるんだぞ」
「わかりました、戻ります」
　やれやれ、とスケッチを中断し、部屋に戻って行った。

　熊との格闘で興奮しているのか、就寝時間になっても眠気を感じない。
　眠れないのは同室の生徒達も同じ。彼らは、集まって何かをしているようだ。
　自分も参加してみようとベッドから起き上がり、仲間に入れてくれと声をかけた。
　眠れない生徒達はトランプをしたり、菓子を持ち寄って食べていた。
　空腹で眠れない、興奮して眠れないのも合宿のお約束。
　菓子を食べながら、亮はナイターで熊をスキー板で撃退したことを話す。
「おまえ、すごいなー」
「そうか？」
　楽しい時間は、見回りに来た先生に「早く寝ろ！」と注意され終了。

　こうして、合宿１日目は終わった。明日はどんな出来事が起きるだろうか。