Present for you｜リアクション

Present for you

☆お弁当セットを抱いた猫ぬいぐるみ

　クリスマスも近づくある日のこと。
　八神修は、七夜あおいと共に宿題をしていた。
　あおいにプレゼント交換を持ちかけてＯＫをもらった修は、最初は学校でクリスマスプレゼントを交換するつもりだったのだが。
（目立って冷やかされて迷惑が掛かるのは避けたい……）
　悩んだ末、寝子島図書館で一緒に宿題をすることにしたのだ。
「修くんに教えてもらうとわかりやすいね」
「それはよかった」
　一段落したところで、修は言う。
「ちょっと休憩しようか」
　あたりに知り合いがいないのを確かめて、修はプレゼントを取り出した。
「あおい、クリスマスプレゼントだ」
「えっ、ありがとう。それじゃ私からも」
　プレゼントを交換し、あおいが包みを開くと、お弁当セットを抱いた猫ぬいぐるみが現れた。
「わあ、可愛い♪　ありがとう！」
　喜ぶあおいに修は照れた。
「俺は弁当作らないからさ。作れるあおいは凄いと思う」
　修が受け取った包みからはマフラーが出てきた。
「ありがとう。とても暖かい」
　修はマフラーを首に巻き幸せな気分で家に帰った。

　修の姿を見た飼い猫たちが一斉に集まってくる。
「……お前たち、これはダメだからな。俺の宝物なんだ」
　マフラーにジャレようと狙う猫たちに言った修の目は、本気だった。