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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『決意! 踏み込め、立入禁止のその先へ……!』(3)
「もう、大丈夫」
泣き続ける
山田 勘三郎
の肩へ、優しく手を添えて。
綾辻 綾花
は、ささやくように。
「もう、いませんよ。きっと、許してくれたんだと思います。もう、消えちゃいました。あの子も……猫さんも」
「……本当に? 本当に、俺は……うああ、ああああ……」
子どものように泣きじゃくる彼を、
鴻上 彰尋
は複雑な色を頬に浮かばせ、見つめます。
(……俺は)
父を、思い出していました。未だ度し難い、ひざまずいた自分を嗤う父の、あの顔を。
だからこそ、だったのかもしれません。
「……!! これ、は」
「ん? どーしたのん、彰尋君?」
廃ビルの中、ふと入り込んだ部屋の中で。心配そうに覗き込んだ
呉井 陽太
の顔を見返すこともできず、彰尋は無造作に床へ転がっているそれを、じっと見下ろすことしかできず。
親骨も中骨も折れて、ぼろぼろに破れた、扇子。ここにあるはずもない、もうどこにも存在していないはずの、捨てられたはずの、
「俺の、扇子だ……」
知らずにきつく握り込んだ手の中には、いつの間にか黄色と黒、散り散りに破れた規制線。
途端。彰尋は、周囲が光も差さない、息の詰まるような暗がりへ変わっていることに気付きました。
その冷え切った空気に、嫌というほど覚えがあることにも。
「……ここは、あの……」
蔵の中。息が詰まり、自然と震え出す手足。
かつて憧れた道。父や、兄のようになりたくて。その道のためにと、父からもらった扇子はかつて、彰尋の宝物のひとつでした。
くれた本人の手で、壊され、ぼろぼろに破られてしまうまでは。きっとそれも最初から、父の気まぐれか、単純に言って悪意による行動だったのでしょう。
「う……う」
蘇ります。耳元へ、寸分違わずに。父の言葉が。父は扇子の骨組みを一本、また一本と壊しながら、何度も繰り返し、繰り返し、彰尋へ言いました。
お前に、才は無いのだと。
「……寒い」
幼い頃、父は彰尋を、この蔵の中へと閉じ込めました。つまらない、まるで話にもならない彼の才をなじりながら。
「暗くて……寂しくて……」
ことに堪えたのは、他ならぬ父の拒絶でした。憧れていたのに。扇子までくれたのに。
混乱する頭で、幼い彰尋がかすかに壁の隙間から覗いた光景は、母のすすり泣く様。息子の不出来を責められる母のやり場のない悲しみは、彰尋の胸をも深く抉りました。
「…………なら、いっそ」
自分のせいで、母が泣くのなら。それなら、いっそ。
そうして家を飛び出して、彰尋はようやく、光を見つけたのです。友人や仲間たちや、かけがえのない今、新しい暮らしを。
「彰尋君?」
「ああ。ええ……大丈夫です。呉井先輩……」
短く答えて、床へ転がっている壊れた扇子へ、手を伸ばし。
「いいの? 彰尋君。それ、拾っちゃって」
くすくす。くすくす、と。嘲笑、それにあけすけな罵詈雑言も。瞬時にして周囲へ満ちるそんな声に、彰尋が顔を上げたなら……目の前には仲間たちではない、父の顔。かつて見慣れた、今は久しく見ていない、あの度し難い、自分を嗤う父の顔。
「……う。うっ……!」
足元に、踏みにじられる扇子。冷たく見下ろす父の手には、ぼろぼろに使い込まれた台本。良く知っている、大切な。
「ッ、やめ」
びりり。びりり。びりびりと、呪縛めいた侮蔑を吐きながら、破り取られていく台本。一枚一枚、背筋の凍る嘲りとともに、びりびりと。
ただ、それを眺めているだけ。彰尋は、ぴくりとも動けずに。止めたいのに。止めろと叫びたいのに。肩の震えを抑えることすらできず、ひたすらに、彰尋は。
「俺は……俺は」
「彰尋君? 大丈夫?」
「ああ。ええ……大丈夫です。呉井先輩」
とうに父の顔は消え失せ、気付くと覗き込んでいるのは確かに、仲間たち。
足元には、壊れた扇子。
それこそが、彰尋の不安だったのでしょう。見つけた光に、再び拒絶され、否定されたら? 信じていたはずの誰かに、裏切られたら?
「……何でも無いんです。ちょっと、昔……自分の持ってたのと、似ている気がしただけで」
「そう? ならいいけど……無理はしないようにねぃ?」
拾い上げ、しばしまじまじと見つめて。再び、床へと落とします。
今の彰尋には、そんなものに翻弄されながらも、しっかりと前を見つめていられるだけの、強さがありました。少なくとも、彼自身はそう信じています。たとえ父が幾度否定しようと、拒絶されようと、
(そう……未来はまだ、どうなるか分からないから)
誰もが手に入れる権利を持つはずの、明るく平等な希望は自分にも、与えられて良いはずだと。手に入れることはできるのだと。彼は、信じているのです。
その想いが、未だ胸にあればこそ。ずっと憧れてきたあの光を目指して、拳を固く握り締め、彰尋は。
(…………俺は!!)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
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