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【在りし日の】
「……これ、は……」
買い物帰り。何気なく立ち寄った古本屋の書棚の一角に、
鴻上 彰尋
は、それを見つけました。
(『野良猫座』の……最終公演の、台本!?)
わななく指先で引き抜いたのは、少し色褪せた、一冊の台本でした。
タイトル……『気まぐれノラネコにさよならを』。脚本・演出……知らない名前。けれど、主演……。
(……
富士山 権蔵
)
ずっと、気にかかっていました。あの、
演劇祭
の日から、彰尋はいつもどこかで、探していたのです。その足取りを。
願いました
。一度でいいから、その公演を見てみたいと。
『野良猫座』はかつてこの寝子島に誕生し、数年というごく短い活動期間を経て解散してしまった、伝説の演劇集団……けれどその活躍は輝かしく、公演は幾度となく成功を収め、観客を魅了したそうです。
(じいさんも、言ってたっけ……)
舞台役者をしていた祖父が、いつだったか、そのことに言及していたのを思い出します。なぜ、解散してしまったんだろうな、と。あれほどに素晴らしい舞台を作り上げる力を持つ彼らが、一体なぜ?
「興味あるの? 演劇」
はっとして振り向くと、声をかけたのは店主らしき、無愛想なおじさんです。彰尋の手元をそっけなく眺めつつ、
「それとも、『野良猫座』に?」
「あ……両方です。野良猫座は、一度見て見たくて……当時の資料とか、ポスターとかパンフレット……公演のビデオとか。そういうのがあったら、見てみたいと思ってて」
台本を手に、何となく落ち着かなくて。とっさに出てきた言葉は、ひどくとりとめなくて。
そんな様子に、彰尋の並みならぬ興味を感じ取ったのでしょうか? おじさんは、言ったのです。
「……見てみる? ビデオ、あるけど」
店の奥、畳敷きの狭い居間に通されて、小さなテレビに映し出される映像を、彰尋は見ました。
「私、演劇ファンでね。野良猫座にもね、ずいぶん入れ込んだもんだよ」
画面は小さくとも……主演たる彼の演技は、鮮烈でした。凄絶な衝撃を伴って、彰尋の胸を打ちました。
「これが……野良猫座」
とある若い夫婦の間に生まれた、小さな小さな赤ん坊。ふらりと飛んできたイタズラカラスが、揺りかごをクチバシでひょいとくわえて、飛んでいってしまいます。気まぐれなノラネコは屋根の上、つまらなさそうにそれを眺めていました。
若い奥さんが目元を涙に濡らし、叫びます。助けて! 私の赤ちゃんを、誰か!
ノラネコは孤独で、気まぐれです。大きなあくびをひとつ、駆け出します。人間の赤ん坊などに興味は無く、何とはなしに、ただの気まぐれ。暇つぶしに、ノラネコはカラスのくわえた揺りかごを追いかけます。
「何で、やめちゃったんだろうねぇ。いや、噂はいくつもあったけどね」
「噂、ですか?」
ノラネコは山を越え、川を泳ぎ、カラスを追いかけます。なぜそんなことをしているのだろう、と自問しながらに。気ままで気まぐれ、たったひとりで生きてきた、ただのつまらないノラネコである自分が。一体なぜ? 昔を思い出してしまうから? まだ孤独では無かったあの頃のまぶしい思い出を、今さらながらに、どうして?
「仲間と不和があったとか、他の劇団とのいさかいとか。恋愛のもつれとかね。当時は私も、好き勝手言ってたけど。でもあんだけの短い間に、頂点と言ってもいいくらい、高みへ上り詰めたんだ。そりゃあ、いろいろと苦労はあったんだろうさ……」
ノラネコは揺りかごの側、ぐったりとして寝転んでいます。イタズラカラスとその取り巻き、乱暴者たちから奪い返した揺りかごをかばい、守り抜いたその代償として、赤い水たまりに身を横たえながら。ぽつぽつと降ってきた雨が、赤ん坊を濡らしてしまうのを心配しながら。
耳元に、慌てた夫婦が立てた水音。母親は、無邪気に笑う赤ん坊を。父親は傷つき力尽きたノラネコを抱き上げ、涙を流します。雨に濡れて。安堵と感謝とがないまぜになり、くしゃくしゃに顔を歪めながらに。
「……これが……これが、野良猫座の。先生の……!」
数年後、よろめきながらも立ち上がった赤ん坊には弟が生まれ、夫婦はノラネコへの感謝とともに、彼へと名前を付けてやりました。
そして彰尋は、まだ若く美しい、精悍な雄のノラネコ、その最期の瞬間を見届け、知らずのうちに流れた雫で、頬を濡らしました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年05月18日
参加申し込みの期限
2016年05月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年05月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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