オーブラジャー！　久保田美和、人生最大のピンチ｜リアクション

オーブラジャー！　久保田美和、人生最大のピンチ

　寝子高にＨＲの終わりを告げるチャイムが鳴る。
　ここ、１年４組の教室でも、いそいそと生徒たちが帰り支度を始めている。
　担任の久保田美和先生はと言えば、教室を出る様子もなく、生徒と雑談を始めた。
　内容は例によって、合コンで知り合った男とうまくいかなかったとか、そういうもの。
「ねぇ、聞いてよー。ほんと酷いんだからー」
　教卓に突っ伏す先生に、またなのー、とくすくす皆が笑う。
「……………………」
　帰り支度を済ませた斗南はふと、先生の前で足を止めた。
　普段なら、まっすぐ教室を出るが、今日はちょっと違った。
「大丈夫、先生にもいつか素敵な人が現れるから」
「ふぇ？」
　美和先生は顔を上げて、斗南を見た。
「斗南くんがそんなこと言うなんて珍しいね？　え、何、どうしたの？」
「別に。ただ、なんとなく……」
「ふーん、ありがと。でも、早く現れてくんないかなー、そういう人」
　親もそろそろ結婚をってうるさいのよね……と先生は話す。
「先生の親……？」
「そう。先生になったときはあんなに応援してたのに、今は仕事より結婚って、もう……」
「そんなに応援してくれてたんだ……？」
「なんか、ふたりが付き合い始めるきっかけになったのが、高校生の悪ガキに襲われたことらしくてね。二度とあんなとんでもない悪ガキを生み出さないように、しっかり先生として教育するんだぞって」
「え……？　その高校生って……」
「あはは、とんでもないだなんて、大げさだよねー。超能力でも使えるわけでもないのに」
　まさか、まさかとは思うが、それって……自分も入ってる？
　斗南は複雑な表情のまま、愚痴に戻った先生をじっと見つめた。

「ふふ、みわちゃん先生、元気そうで良かったですね、野菜原くん」
「当たり前だろ。だって、俺たちの頑張りで、どうにかあのふたりをくっ付けたんだからさ」
　窓際の机に、綾花とユウは腰を下ろし、先生を見ていた。
　集合写真の中の先生も元通り、途切れかけた運命は元の状態に戻ったのだ。
「あれ？　そのヘッドホン……新しいですね？」
「ああ、これか？　八神の奴に俺のブッ壊されたから、弁償させたんだよ」
「でも、それ、結構高価なヘッドホンなように見えますけど……？」
「ああ、一番いいのくれって言ったら、ふたつ返事でくれたんだ。あいつやっぱ金持ってんな」
　けらけらと笑って、ユウはヘッドホンを見せびらかした。
「……ところで、結局あのブラって誰のだったんでしょう？」
「それって、俺が初めに拾ったやつのことか？」
「はい、まさか、みわちゃん先生のブラだったりして……？」
「え？　おいおい！　どこ行くんだよ！」
「先生のだったら、返したほうがいいですし、聞きに行こうと思ったんですけど……」
「バ、バカ！　俺のイメージが悪くなんだろ！　秘密にしとけって！」
「……ユウくんは胸が大きい人が好きなの？」
「へ？　わ！　鬼河内？　いつからそこに！？」
「さっき」
　萌はぐっと顔を近づけて、ユウの顔を覗き込んだ。
「ねぇ、どうなの？　ユウくんも大きいのが好きなの？」
　寝子島高校女子おっぱいランキングで、衝撃の成績を残した彼女には大事な問題である。
　大は小を兼ねるというが、小は大を兼ねてくれるのか。
　目の前の男子は、果たして小さな胸にどんな反応を示すのか。
　それも健気な乙女心である。
「えーと、あ……今日、発売のＣＤ、買いに行かねーと。じゃあ、またな！」
「ちょ、ちょっと待ってよ。質問、終わってないよ、ユウくーん！」

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あとがき

担当マスター：梅村象山
ファンレターはマスターページから！

マスターの梅村です。
シナリオにご参加いただいた皆様、ありがとうございました！

なんかどっかの映画で見たことあるようなシナリオでしたが（笑
皆さんのアクションが折り重なって、面白い展開になったと思います。

余談ですが、
そのどっかの映画が好きすぎた梅村は、今年来日した俳優さんのサイン会に行ってしまいました。
サイン7000円、記念写真7000円とパンチの利いた価格設定でしたが、
力強く握手までしてもらえて、いい思い出になりました。
ほんとに余談ですね。はい。

それでは、また別のシナリオでお会いしましょう！
梅村でした。

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