みんなでひとつの作品を作り上げるのだ!
学園もの、恋愛、バトル、SF、ホラー、コメディ……どんな展開になるかはみんな次第だよ!
連投にならない限り、自由に投稿してみよう!
なにか困ったことが出てきたら雑談掲示板で決めるのだ!
見ると床に赤黒い丸いシミが点々と続いている。
続いた先を見やるとある部屋の前でシミの形状が変わり、何かを引きずったような跡になっている。
形状が変わるその先には開きっぱなしのふすまがあった。
あの中に何かあるのは、火を見るより明らかだった。
理解した途端、僕は息が止まる感覚を覚え、心臓がバクバクと暴れだすのを感じた。
ここまで来てしまった以上引き返す訳にはいかない、という強迫観念と、今すぐ引き返して見なかったことにしたい、という恐怖心が僕の中で争っていた。
進もうにも逃げ出そうにも僕の脚はぴくりとも動かない。
棒立ちになった僕にレオはイライラしたように脚に爪を建てた。
「…行くなら行くぞ。奴がいつ現れいつ消えるか予想がつかない以上、ボケっと突っ立ってるだけ時間の無駄だ」
それでも僕の脚は動こうとしない。脚だけではない、指先一つ、動ける気がしなかった。
不意に、ブゥゥンとポケットからの振動を感じた。すっかり存在を忘れていた僕の携帯電話だ。
反射でポケットから携帯電話を出し、画面を見ると、日付は未来の時間のまま。電波は圏外となっていた。
画面は新着メール受信画面だった。
圏外なのに、なぜメールが届くのだろうと考える冷静さは今の僕になく、指が覚えた操作で新着メールを開く。
見たこともないメールアドレスからだった。件名は『無題』。
『ヒトハ イチドシカ シヌコトガ デキナイ』と文頭に見たことのある文面。
スクロールしていくと空白の末に『ハヤク オイデヨ ボク ニジ マチクタビレタ』とだけ書かれている。
まさにホラー映画に出てくるようなメールに、さぁっと背筋に冷たいものが走った。
しかし、携帯電話を弄ったおかげか、身体の硬直がいくらか溶けている事に気がついた。
僕は意を決して血痕を踏まないように気を使いつつ、先の部屋へ向かう。
部屋の前に辿り着き、心を落ち着けるために深呼吸。
「早くおいでってば」
そうしていると部屋の中から、からかうような声が聞こえた。