ダンボールハウスの主は言いました。
「この間、おもしろいカードをもらったんだよ。絵柄がとっても綺麗なのっ。
『シマリス書店』さんに、このカードについて載っていて、
引けばどんな事でも、いろんな事が分かるんだって。
すごく面白そうだったから、何冊か解説書も買ってみたんだよっ。
(非常に初心者の気配がする)
それでも、持ち主によっては外れたりもするみたい……
でも、そんな時には魔法の呪文があるって、辻占いをしているおじいさんが教えてくれたの。
「当たるも八卦! 当たらぬも八卦!」
叫んでおけば大丈夫なんだってっ。それでも良ければ占いの勉強も兼ねて、少し占わせてくれないかな?
(テーブルには、絵柄が綺麗なカードが置いてある)
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(端っこに、変なカードが置いてある)
あ、それね。解説書のおまけでついてたのっ。
絵柄が『あんまりにも、へん』だったから、ついカードの方がほしくなっちゃって……
『シマリス書店』さんは何でも売ってるんだねっ。
こっちでも占えるけど……結果もへんだから気をつけてね?
※どちらかお好きなカードをお選びください。綺麗なカードはそれなりに、変なカードはそれっぽい結果がでます。
禁煙か……そりゃそうだな、燃えちまうもんな
ボヤだしてサツが飛んできたら面倒だ(携帯灰皿で煙草を揉み消す)
(維都月さんの静かな語り口と暗い表情を値踏みするように目を細め)
……ふーん
どうもアンタ ロゼッタに複雑な感情を抱いてるみてーだな
俺も同じだ。確かに貸しはあるが、あの女の占いを全面的に信じてる訳でもねえ。
自分さえ目を背けてる心の奥を暴かれるのは誰だって不快だろうさ
「猫は三味線、カラスはタンドリー」ね……ナイスなキャッチコピー、いい心がけだ
からあげもイケるぜ?焼き鳥はビールの肴に最高だ
……ふーん。当たらぬも八卦当たるも八卦ってヤツだな
俺のかあさ……
死んだお袋も一時期どっぷりハマってたが、占いにゃ気休め程度の効能しかないもんさ
それでも縋りてえ弱い人間はいる。俺みてーにな
ま、アンタなら結果を捏造する心配はせずにすみそうだ。
……なんて、疑り深えのは職業病だ(軽く肩を竦めて皮肉っぽく口端を釣り上げる)
(維都月さんの占いを最後まで神妙に聞き終え、無意識にポケットの煙草とライターを探る)
……禁煙か。忘れてたぜ(舌打ち)無性に喫いたくなっちまって
端的に言って当たってる。何から何までご明察の通り。
すげーなアンタ。ぶっちゃけナメてたんだが……
安定を求めるなら別れた方が無難、でもそれが幸せかはわからない、か。
アイツにゃ平凡な幸せが似合ってる。旦那がいて子供がいて専業主婦んなって、そういう日だまりが似合う。俺はそういうあいつだから惹かれてるんだ。でも……
(ポケットに入れた手をゆっくり引き出し ため息をつく)
『世話焼きさん』か……嗤える
とっくに手を引けない瀬戸際まできちまってるのに、何をまだぐだぐだと女々しく悩んでるんだか
親父さんは社長か会社の重役か何かか?
いざとなりゃ靴磨きに雇ってもらうか。……なんてよ
(仕事運の結果を聞き)
………あー 心当たりある。ありすぎだ畜生……(頭を抱え突っ伏す)
自業自得だがいざ正面きって言われるとへこむ……
これでも腕はいい方だと自負してる。人として信頼されなくても情報屋として信用されりゃ上々だと開き直ってたんだが認識を改めるべきか?(ブツブツ)
…むこうも食えねえ野郎だからな
お互い利用し合うような関係が一番うまくいくかもしれねえ
飴か。サンキュ、ちょうど口寂しかったとこだ(レモン飴をがりがり噛み砕く)
ハイリスクハイリターン上等、どうせなら賭けはでっかく張りてえ